デジタルマーケティングの時代、
ターゲットはどの層にセグメント化すべきでしょうか。
結論としては若者、女性、ネット住民の3つのセグメントになります。
このターゲット設定は当たり前に聞こえるかもしれませんが、
自社の製品のボリュームゾーンが中高年の男性層であっても、これらのセグメントは味方につける必要があります。
消費者の行動特性に関して
若者・女性・ネティズン(YWN)を重視しなければいけない理由は、消費者の行動を考える必要があります。
電通が提唱するAISAS
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)
AISASは2005年に電通が商標登録した単語になります。
従来の消費者の行動モデルであるAIDMA
Attention(注意)→Interest(関心)→Demand(要求)→Memory(記憶)→Action(行動)
AIDMAはメディアが商品をPRし消費者の需要を喚起する、消費者にとってみれば受動的なモデルでした。
しかし、インターネットが発達することにより、消費者の行動に能動的な「検索する」(Search)と「共有する」(Share)が加わりました。
そのため、AISASという概念が大事になってきました。
コトラーの提唱する5A
Aware(認知)→Appeal(訴求)→Ask(調査)→Act(行動)→奨励(Advocate)
AISASも5Aのどちらの理論も
最後の項目は「他者への拡散」をするのがデジタルマーケティングの時代です。
つまり他者へ推奨してくれる層で、インフルエンサーとなる層が重要になります。
ちなみに、マーケティングの流れは下記の記事にまとめてありますのでご参照ください。
YWMは最も影響力のあるセグメント
ほとんどのサブカルチャーは彼らから生まれてきました。
多くはマイノリティ扱いされていましたが、
次第に、若者・女性・ネティズンの重要性と影響力が大幅に高まってきました。
彼らが形成するコミュニティは時として大きな力を発揮するようになってきています。
1枚の絵にまとめてみました。
Youth(若者)
若者は
音楽、映画、スポーツ、食べ物、ファッション、テクノロジーなどの
ポップカルチャー分野で年配者の流行をも作り出しています。
年配者は流行を自ら追う時間も機敏さも持ち合わせなくなり、
若者の推奨に従うようになります。
そのため、マーケターも商品が若者向けでないとしても、人生の早い段階で彼ら若者のマインドに影響を与えるために、この市場を追いかけることが大事になります。
若者が果たす役割
アーリーアダプター(早期採用者)であること
挑戦を恐れない。
年配者が尻込みするサービスを進んで試すため、
マーケターにとってありがたい存在となります。
トレンドセッター(新しい流行を作る人)であること
次から次へとトレンドを追いかける。
マーケターは若者の動きを追うことで、近い将来、市場に影響を及ぼすトレンドを早く正確に把握できることになります。
ゲームチェンジャーである
若者はかつてより早く成熟している。
世界で起こっている変化に若者のほうが素早く反応し、世界に変化をもたらす推進力になります。
これら役割3つは
若者はマインドシェアを獲得するためのカギである
という結論につながります。
主流の顧客のマインドに影響を及ぼしたいならば、
ブランドはまず若者を取り込まなければならない。という事ですね。
Women (女性)
女性が果たす役割
家族の最高財務責任者 ハウスホールドマネージャー(家庭管理者)
多くの家庭で財布のひもを握っているケースが多いですよね。
お金の動きを握っている人の意見はやはり強いのです。
インフォメーション・コレクター(情報収集者)
そして、男性の傾向として、商品の購入に至るまでの
選択のプロセスを無駄で苦痛と感じることに対し、
女性は購入までのプロセスを含めて楽しめる違いがあります。
男性の場合、買い物に行って何も買わなかったら、無駄な時間だったと感じてしまう人が多いと思います(私もです)。
女性は男性より詳しく調査するだけでなく、ブランドについての直接の会話も多く、
友達や家族や他者の意見を求めます。
ホリスティックショッパー(全体を見て判断する買い物客)
このような女性の情報集めの行動は、
女性はホリスティックショッパー(全体を見て判断する買い物客)であると言え、
マーケターにとってはマーケティング活動が考慮してもらえるという点でありがたい存在です。
女性のほうが機能面、感情的利点、価格などあらゆることを考慮してから購入することが多く、
自分の選んだブランドに男性よりも自信をもつため、自分のコミュニティにも推奨したいという気持ちも強くなります。
そのため、どんな製品・サービスでも選定するには女性が重要な役割になります。
このことは深層心理にも刷り込まれており、
「若い女性に人気の●●」という触れ込みは、
他の「若い男性に人気の●●」や「年配者に人気の●●」と比べ、
魅力的に感じることでしょう。
感性が鋭く、選定能力が高い、若い女性が選んだものという事が付加価値になっているからですね。
以上により、大きな市場にするためには、
ブランドは女性のホリスティックな意思決定プロセスを突破するのが
デジタル経済において市場シェアを獲得するためのカギとなるわけです。
Netizen(ネット市民)
ネティズンという言葉、普段は使わない人も多いかもしれません。
ネティズンとは、
地理的境界を越えて、より大きい世界の利益のためにインターネットを発展させることを気にかけ、そのために積極的に活動する人々
と定義されています。
縦のつながり(国、会社など)でなく横のつながりでとらえ、
地理的境界なしにコンテンツを共有することを好む人たちです。
日本語だとネット住民、ネット市民という言葉がしっくりきますでしょうか。
もちろん、インターネットユーザーの全員がネティズンと呼ばれているわけではなく、
収集者、批判者、創造者
がネティズンの特徴になります。
このように記事を書いているのも創造者になりますので私もネティズンに分類されるという事になりますね。。
ネティズンが果たす役割
ソーシャル・コネクターであること
彼らは常につながっていて貢献したいという欲求を持っています。
通常は互いに信頼している2人の、1対1のつながりとして始まりますが、
それぞれが別に築いているネットワーク間のつながりに発展し、多数と多数のつながりに発展します。
オンライン・コミュニティは外からは見知らぬ人たちのネットワークに見えますが、
実は中に入ると信頼しあっている友達のネットワークの延長のようなものになります。
SNSでも日頃の発言や行動から信頼感を得ている人や仲のよいコミュニティがありますよね。
そして、「友達の友達は友達」という精神でどんどんつながっていき、
もともとが1対1の関係の上に築かれた多対多のネットワークなので、
強力なコミュニティの形成になるのであります。
オンライン世界での熱烈な伝道者であること
ネティズンは自ら関心があるコンテンツを作り出し、
仲間と次々とつながりコミュニケーションをとり、
さらに、熱烈な伝道者でもあります。
ネット住民は自分の身元を明かさずに済むので
きわめて攻撃的になりやすいというマイナス面がある一方、
熱烈に推奨する人も現れやすいというプラス面もあります。
特に、自分の所属するネットコミュニティで信頼を得ていくには、
良い情報を発信する必要があるため、自然とプラスの情報を推奨するようになるのでしょう。
新しいコンテンツを作り出すこと
ネティズンの最も重要な貢献は新しいコンテンツを作ることです。
新しいコンテンツを創造することが、インターネットをますます充実させ、
さらにネティズンを増やす、という好サイクルを生み出します。
まとめ
若者と女性やインフルエンサーに的を絞る、
デジタルマーケティングでは当たり前のことかもしれませんが、
改めて彼ら(彼女ら)の強みを把握することがデジタル経済のマーケティングのカギとなります。
それぞれの特性は下記になり、特性を意識して情報収集することが大事です。
若者
・アーリーアダプター
・トレンドセッター
・ゲームチェンジャー
女性
インフォメーション・コレクター
ホリスティック・ショッパー
事実上の過程管理者
・家庭の最高財務責任者
・購買マネージャー
・資産運用者
ネティズン
ソーシャル・コネクター
熱烈な伝道者
コンテンツ投稿者
参考図書
私も、音楽は自ら探さずに後輩のおススメを聞くなどで流行りものに便乗するケースが多くなってきた気がします。
YWNの考えを意識的につかんでビジネスに活かしたいと思います。