今回はコーズリレーテッドマーケティングに関して、事例やメリットに関してまとめてみました。
コーズリレーテッドマーケティングはSDGsに関しての取組が推進されるにつれて注目されるマーケティング手法です。
今後一層注目されると思い、調べたことをまとめました。
マーケティング1.0~4.0までの流れを把握しておくと理解もしやすいかもしれません。
コーズリレーテッドマーケティングとは
コーズリレーテッド・マーケティング (Cause Related Marketing)とは
商品またはサービスの売上によって得た利益の一部を社会貢献の目的で寄付し、
企業イメージの向上や売上の増加を目指すマーケティング手法です。
Cause Related Mareketing なので略してCRMと呼ばれたりもするようです。
CRM・・・・??
CRMと言えば、普通は
Customer Relationship Management 顧客管理、を真っ先にイメージしてしまいますね。
マーケティング用語で同じ3文字略語とか紛らわしい。。
Cause は「信念」「大儀」などを意味しますが他の言葉の組み合わせは無かったのでしょうか、
なんて思ってしまいます。
なぜ、コーズリレーテッドマーケティングが求められてきたの?
実はその歴史は日本のベルマーク運動が初めだったとも言われております。
ベルマーク!懐かしいですよね。
子供の頃、一時期集めていましたが、私も背景は理解せずに活動(?)していました。
ベルマーク事業は朝日新聞社創立80周年記念事業としてスタートしました。
国内外のお友達に愛の鐘を鳴り響かせよう、という思いでベルのマークになったそうです。
■ベルマークの仕組み
PTAでベルマークを集めると、購入代金の1割が預金になり、学校の備品などを購入することが出来て、さらに購入金額の1割が援助の支援になります。
言うなれば”社会貢献をするためのプラットフォームを作成し、多くの企業が簡単に社会貢献に参画することを可能にしたということです。
ボランティアをしてみたい、社会貢献をしたい、と考える人がいたとしても実際に行動に起こすのは調べる手間や受け入れ側を探すなど手間がかかりハードルが高いものです。
協賛企業はベルマークを付けることで、社会貢献活動に参加していると簡単にアピールすることが出来るというメリットがあります。
PTAでベルマークを集めるということは、
学校にとっては備品を購入できる資金に充てるメリットがあり、
企業側にとっては幼少期に「社会貢献をしている企業」として認識させるメリットがある、ということですね。
幼少期からブランディングを行う手法(刷り込み)としても良くできた仕組みだと思います。
今もアナログにハサミや手作業で収集業務をしているそうですが、
子供の教育の観点で考えると下手にデジタル化はしなくても良く、
ハサミを使ったり、パッケージをしっかり手に持ったりすることにも企業は価値を感じているのではないでしょうか。
アメリカンエキスプレス 自由の女神修復キャンペーン
世界で最も有名なコーズリレーテッドマーケティングはアメリカで1983年に実施されたカード会社の自由の女神修復キャンペーンです。
一般的にはこのキャンペーンがコーズリレーテッドマーケティングの始まり、と言われるケースが多いみたいですね。
会員がカードを1回利用するごとにアメックスが1セントを自由の女神修復のために寄付するというものでしたが、
3か月のキャンペーン期間中に会員数が45%も増加し、カードの使用料は28%も増え、170万ドルの寄付を行いました。
45%増ってすごくないですか!?
アメリカ人にとっては自由の女神修復という「コーズ(大儀)」がハマったんですね。
では、日本に置き換えるとどんなことが出来るのでしょうか。(脱線開始)
日本でやるなら!? 江戸城再建プロジェクト (妄想提言)
私が注目しているのはこれ、江戸城再建プロジェクト。
1657年の明暦の大火で焼失した江戸城天守閣を復活させたい。
日本には天守閣が多数ありますが、首都の東京の江戸城に無いというのが、なんというかもったいな、と感じています。
私としてはAmexに対抗してJCBさんに日本のカード会社の代表として是非コーズリレーテッドマーケティングをやってみてほしいと妄想しています。
江戸城再建のポイント
観光立国の東京のシンボルタワーになる
江戸城天守は姫路城の体積の3倍もの大きさだったらしいです。
ロンドンのバッキンガム宮殿、パリの凱旋門やベルサイユ宮殿、北京の紫禁城、ニューヨークの自由の女神など歴史と伝統と文化の象徴というモニュメントが他の都市にはありますよね。
やはり、スカイツリーなどの電波塔以外に観光立国を象徴するものが欲しいと思います。
国賓を迎える社交場や特別なイベントの場所として利用
天守閣を広く一般に公開する案ももちろんいいと思いますが、
イベントスペースにして国賓を迎える場所にも使えるのでは、などと考えています。
イベントスペースとして貸し出せば1日600万円以上で販売できるのではないでしょうか。
(ヴェルサイユ宮殿の離宮 大トリアノン宮殿貸切が5万ユーロくらいらしいです。)
建設コストは?
調べてみたところ350億円~500億円らしいです。
比較対象としては、、
東京都庁 1600億円
オリンピックスタジアム 1500億円
スカイツリー 650億円
、、、と考えると妥当かな、と感じます。
ちなみにNHKの新社屋建設の総事業費は3,400億円らしいです
前田建設(株)さんのファンタジー営業部の見積もりによると
機動戦士ガンダムのジャブロー基地を作ると2520億円らしいですが
NHKの新社屋にはガンタンクくらい格納されていても不思議じゃないですね(笑)
いや、むしろNHK新社屋立て直すなら江戸城かジャブロー作ってみてよ、
と思ってしまいますね。中二病みたいですがw
———-脱線終わりーーーーーーーーーー
最近、持続可能な開発目標であるSDGsによって環境問題の意識が強まり、
コーズリレーテッドマーケティングは注目されるマーケティング手法となりました。
従来は社会貢献活動をすればプラスの評価だったものが、
社会貢献活動をしていない企業の評価はゼロではなく、マイナスの評価となる動きがあります。
いわゆるESG投資というもので、
に関連した企業に投資しようというもので、
投資家に選ばれない企業は企業価値が相対的に下がっていくため、
企業価値の維持のためにも環境問題への取り組みは重要と言えます。
具体的にはどんな事例があるの?
夢の貯金箱(自動販売機)
2008年~
飲料1本につき10円が社会貢献プロジェクトに寄付される自動販売機です。
飲料を「飲んで参加」、
寄付者が事業を「選んで参加」、
事業に「リアルに参加」をキーワードに、
社会課題の解決にみんなで参加できることが特徴です。
コカ・コーラやアサヒ、キリン、サントリー、伊藤園など多くの企業が対応しています。
Danon (キリンビバレッジ株式会社) Volvic
期間:2007年~2016年
名称:1L for 10 L (ワンリッターフォーテンリッター)キャンペーン
日本のコーズリレーテッドマーケティングの先駆けともいわれる、ユニセフとの共同プログラム。
ボルヴィックを1リットル購入するとアフリカのマリ共和国に10リットルの水を寄付するキャンペーンです。
DanonのVolvicはフランス産のミネラルウォーターで日本ではキリンが製造委託契約をしていたのですが、2020年末で契約終了となりました。
サッカーの長谷部誠選手がアンバサダーとしてCMに起用されていましたので印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
累計で477万リットル以上の水が寄付され、277機以上の井戸が新設・整備されたそうです。
コーズリレーテッドマーケティングの成功例として有名ですが、
プログラム初年度の2007年が1523万ケースでマーケットシェアを倍以上に伸ばし、
クリスタルカイザーを抜いて首位に躍り出たものの、2015年は720万ケースと半減しています。
効果が無くなってきたからキャンペーンを中止した、とみることもできますが、
同じ期間にミネラルウォーターの輸入量自体が半減しているようなので単純に効果が無くなったからとも言えない事情もあります。
アサヒビール うまい!を明日へ
2009年~2015年
アサヒビール1本につき1円寄付
初年度は前年同期比5%増
全国47都道府県ごとの自然や環境、文化財などの保護・保全活動に活用
第8弾までの累計で23億もの寄付を実施。
森永製菓 1チョコ for スマイル
2008年~
ガーナなどチョコレートのもとになるカカオ生産地に対し、教育環境整備を目的にチョコ1つにつき1円を寄付。
支援額は10年で21億を超えているそうです。
HP上では嵐の櫻井翔さんがWEB動画でチョコ推しのチョ講師として起用されています。
コンフォートホテル 「世界とまちを元気にする」活動支援プログラム
2016年~
チョイスホテルズインターナショナルが展開しているコンフォートブランドのホテルの会員制度の一環で
宿泊代金の一部を「世界と地域を元気にする」団体の支援に回しています。
Jリーグ 「SPOON FOUNDATION」
2016年~
Jリーグの選手約100人が始めた、世界の子供たちの学校給食支援に対する寄付をしているNPO法人です。
発起人は李忠成選手(当時・浦和レッズ所属)
日本代表としても活躍し、アジアカップ決勝でのオーストラリア戦の長友選手のクロスからの左足ボレーシュートは記憶に残るゴールでした。
海外移籍をチームメイトの寄付に対する姿勢を見て影響を受け、
日本に復帰後、「試合でゴールを決めるたびに5万円を寄付し途上国の給食の資金にしてもらう。」
という行動を起こし始めました。
それに賛同した遠藤航選手は無失点勝利なら5万円、宇賀神友弥選手はゴールとアシスト1回につき3万円を寄付など賛同者に波及をしています。
直接的な商品の売上から寄付につながるものではないですが、
寄付をすることで選手の好感度や注目度が上がることにつながっていますね。
Jリーグはアジアの人気拡大戦略をしているので、バングラデッシュ(人口1億6千万人)への支援はもしかしたらマーケティングの側面もあるのかもしれません。
だとしても、いいんです。
やらない偽善より、やる偽善。
サッカー選手には善い行いをしてファンを増やし、さらに稼いでさらに寄付する流れを作っていってほしいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
国内でも多くの企業がコーズマーケティングを実施し顧客の支持を集めてきました。
しかし、「企業が社会貢献をネタに売上を増やしている」といった声があるのも事実で、
マーケティング手法として万能とは言えません。
しかし、環境問題に対する意識は世界的に高まっているので、
これまで以上に効果が発揮するマーケテイング手法であることは間違いありません。
最近はポイントプログラムの交換先としても環境問題関係は増えてきました。
簡単に社会貢献が出来る手法は増えてきています。
コーズリレーテッドマーケティングを活用する企業が増えればどんどん社会が良くなっていくかもしれませんね。
読んで頂きありがとうございました。
文化や芸術に関する社会貢献活動に関してもまとめました。
コメント
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