【中学生でもわかるIT用語】第3正規形とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『タ行』の用語

第3正規形

① 物語性を取り入れた説明: 「第3正規形」

新入社員のケンジは、会社でデータベース管理を担当していましたが、複雑なデータが多く、管理がうまくいっていませんでした。顧客のデータと購入履歴が何度も繰り返されていたため、データベースが混乱していたのです。

「課長、このデータベースが非常に複雑で、どこを修正すればいいのかわかりません」とケンジは悩んでいました。

課長は微笑んで言いました。「それなら、第3正規形を考えてみるといいよ。第2正規形まではやったんだよね?」

「はい、第2正規形では、顧客情報と購入履歴を分けて整理しました。でも、まだデータが複雑に絡み合っています」とケンジは答えました。

「それなら次は、推移的従属を解消するんだ。たとえば、顧客の住所とその地域の郵便番号があるとしよう。顧客IDと住所は直接関係があるけど、住所と郵便番号も別の関係を持っている。このように、データが間接的に依存している場合、それを解消するのが第3正規形なんだよ」

「推移的従属ですか?」とケンジは首をかしげました。

課長は続けて説明します。「そうだ。例えば、顧客IDがあればその顧客がどこに住んでいるか、つまり住所が分かる。だから、顧客IDは住所に依存しているんだ。そして、その住所が分かれば、それに対応する郵便番号がわかるから、住所が郵便番号に依存しているということになる。つまり、顧客IDから住所、そしてさらに住所から郵便番号に依存している構造になっている。これが推移的従属だよ」

「なるほど、顧客IDが住所に依存していて、さらに住所が郵便番号に依存しているんですね」とケンジは理解しました。

「その通り!たとえば、次のようなテーブルがあるとしよう」


第2正規形の状態

顧客ID顧客名住所郵便番号購入商品購入日
1田中太郎東京123-4567ノートPC2023-09-01
2鈴木花子大阪765-4321スマートフォン2023-09-10

「ここでは、住所郵便番号の関係が推移的従属にあるよね。顧客IDが住所に依存していて、さらに住所が郵便番号に依存している。このような場合、第3正規形では、郵便番号を別のテーブルに分けることでこの依存関係を解消するんだ」


第3正規形の状態

顧客テーブル
顧客ID顧客名住所
1田中太郎東京
2鈴木花子大阪
郵便番号テーブル
住所郵便番号
東京123-4567
大阪765-4321
購入履歴テーブル
購入ID顧客ID購入商品購入日
1011ノートPC2023-09-01
1022スマートフォン2023-09-10

「これで、住所と郵便番号の間の推移的従属がなくなった。つまり、データの依存関係が明確になり、整理された状態になっているんだ」

「なるほど!これが第3正規形なんですね」とケンジは納得しました。

 


第3正規形 (Third Normal Form, 3NF) とは、データベース内の推移的従属を解消し、データの重複や矛盾を防ぐための整理手法です。これにより、データの一貫性が保たれ、効率的な管理が可能になります。

 

② 実際の事例: 第3正規形の使用例

第3正規形は、多くの企業や自治体で使われています。例えば、通販サイトでは、顧客情報、商品情報、配送情報を正規化して管理することが一般的です。顧客の名前、住所、郵便番号、購入履歴が混在していると、データが重複しやすく、ミスが発生する可能性があります。そこで、第3正規形に基づいて、顧客情報、郵便番号、購入履歴を分割することで、データの一貫性と正確さを保ちます。

また、自治体では、住民の情報や行政手続きのデータを整理するために第3正規形を活用しています。例えば、住民の名前、住所、税務情報などを別々のテーブルに分けることで、管理がしやすくなり、データの更新が迅速に行えるようになります。

最近では、クラウドサービスのデータベース管理でも、第3正規形が重要な役割を果たしています。クラウド上でデータが増加し続けるため、効率的なデータ管理が求められており、データの依存関係を整理することで、パフォーマンスの向上とデータの正確さが保たれています。

➂ クイズや小テスト

クイズ1

第3正規形の主な目的は何ですか?

A. 推移的従属を解消する
B. データを暗号化する
C. データベースのサイズを縮小する

クイズ2

第3正規形にするためには、どのような処理が必要ですか?

A. すべてのデータを1つのテーブルにまとめる
B. データを分割し、推移的従属を解消する
C. データを圧縮して保存する

クイズ3

推移的従属とは何ですか?

A. データが他のデータに直接依存すること
B. データが別のデータを介して間接的に依存すること
C. データが更新されたときに発生するエラー

⑤ 回答

  1. A – 第3正規形の目的は、推移的従属を解消し、データの一貫性を保つことです。
  2. B – 第3正規形では、データを分割して推移的従属を解消します。
  3. B – 推移的従属とは、データが他のデータを介して間接的に依存している状態です。

応用情報技術者試験 平成28年春 問27

応用情報技術者平成28年春期問27 第3正規形にしたものはどれか



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