【中学生でもわかるIT用語】ノーコード開発とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ナ行』の用語

ノーコード開発

① ストーリー形式の解説:ノーコード開発とは?

新入社員のカナは、社内の業務改善プロジェクトに配属されたばかり。ある日、先輩社員たちが「ノーコード開発で進める予定だ」と話しているのを聞き、不安になって課長に相談に来ました。

カナ:「課長、“ノーコード開発”って言葉を聞いたんですが、プログラミングをしないでどうやってアプリを作るんですか?イメージが出来なくて不安で・・。」

課長:「お、いいところに気がついたね。ノーコードは文字通りコードを書かないという意味で、プログラミングの知識がなくてもアプリやツールを作れる開発手法のことなんだ。」

カナ:「それって、すごいありがたいですね…。何か仕組みがあるんですか?」

課長:「実は、画面をドラッグ&ドロップしたり、テンプレートを選んだりして、操作だけで機能を組み立てられるんだよ。Excelで関数を組むような感覚に近いかもしれないね。」

カナ:「へぇ~!でも、それって本当に業務で使えるようなものが作れるんですか?」

課長:「もちろん。たとえば、簡単な申請フォームや在庫管理ツール、予約システムならノーコードツールだけで作れる。スピードも早いし、ちょっとした変更にもすぐ対応できる。IT部門じゃなくても、現場で使う人が自分で作れるから便利なんだ。」

カナ:「なるほど!じゃあ私でもプライベートでスマホのアプリを作ることもできるのですか?そんなに便利なら費用もけっこうかかるのでしょうか」

課長:「いい質問だね。実は無料で使えるノーコードツールもたくさんあるよ。たとえば『Glide』はGoogleスプレッドシートからスマホアプリを作れるし、『Adalo』ならボタンや画面のデザインを自分で組み立てて本格的なアプリが作れる。月額制のものもあるけど、無料プランでも十分試せるよ。いろんな本も出ているから見てみるといいよ。」

カナ:「それはすごいですね…!アプリ開発って、専門家じゃないと無理だと思っていました。」

課長:「昔はそうだった。でも今は、IT人材が足りないことや、現場で使う人の“こんなツールがほしい”というニーズに応えるために、誰でもアプリを作れる時代になってきてるんだ。これは“市民開発(シチズン・ディベロッパー)”とも呼ばれていて、非エンジニアが自分たちで業務効率化ツールを作っている会社も増えてる。」

カナ:「“市民開発”…なんだか未来っぽい言葉ですね!もしくは時計?」

課長:「そうだね。でももちろん、複雑な業務処理やセキュリティが厳しいシステムはプロのエンジニアが作る必要があるよ。ノーコードで作ったものをあとからエンジニアが拡張したり、ローコード開発に移行したりするケースもある。」

カナ:「つまり、まずはノーコードで試して、必要に応じてプロの力を借りることもできるんですね。」

課長:「その通り。ノーコードは試して学びながら作るという姿勢にもぴったりITの専門家じゃなくても、自分のアイデアを形にできるのが最大の魅力なんだ。」


ノーコード開発の定義

ノーコード開発とは、コードを書かずにアプリやシステムを作成できる開発手法です。GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を使って視覚的に操作でき、テンプレートやブロックを組み合わせることで、プログラミング知識のない人でもアプリを素早く開発することができます。小規模な業務改善から個人のアイデア実現まで、幅広く活用されています。

類似の用語との比較

用語特徴
ノーコード開発コードなし。非エンジニア向け。UI操作中心。
フォームや業務ツール作成に最適。
ローコード開発少量のコードで高度な機能を追加可能。開発経験者向け。
柔軟性と拡張性に優れる。
従来の開発完全にコードを書く。開発の自由度は高いが、専門的な知識と時間が必要。

② 実際の活用事例

ノーコード開発は今や大手企業から地方自治体まで幅広く導入されています。

たとえば、パナソニックでは、業務改善プロジェクトにノーコードツール「Kintone」を導入。営業部門や製造部門の社員が自らアプリを作成し、申請業務や報告書作成を自動化しています。これによりIT部門の負担が減り、全社の業務効率が向上しました。

また、福岡市では市民からの問い合わせ対応のため、ノーコードツール「Bubble」を使ってFAQチャットボットを構築。専門的な知識がなくても、市役所の職員が短期間で実装でき、市民サービスの迅速化に成功しました。

さらに、スタートアップ企業では、アプリ開発の初期コストを抑えるためにノーコードツールでプロトタイプを構築し、ユーザーの反応を見ながら段階的に開発を進める事例も増えています。


③ クイズや小テスト

クイズ1

ノーコード開発に関する説明として正しいものは?
A. AIがすべてのコードを自動生成してくれる技術
B. プログラミング知識なしでアプリ開発ができる仕組み
C. スマホのゲームアプリを買うときの仕組み

クイズ2

ノーコードとローコードの違いで正しいのは?
A. ノーコードは開発者向け、ローコードは初心者向け
B. ノーコードはすべて手書きコードで作成される
C. ローコードは少しだけコードを書くが、柔軟性が高い

クイズ3(ITパスポート類題)

ノーコード開発がもたらすメリットとして適切なものは?
A. 開発者がいなくても業務改善が進む
B. 外部業者にしか開発できない
C. プログラムはすべてC言語で書く必要がある

回答と解説
  • クイズ1の答え:B
    → ノーコード開発はプログラミングせずにアプリを作れる手法です。

  • クイズ2の答え:C
    → ローコードは一部コードを書くことで拡張が可能。

  • クイズ3の答え:A
    → ノーコードの利点は、非エンジニアでもツール開発ができることです。

応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問47

応用情報技術者令和5年秋期問47 ソフトウェア開発手法

 

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