WBS
①物語性を取り入れた説明: 「WBS」
新入社員のカナは、システム部に配属されてから初めての大型プロジェクトに参加することになりました。カナはプロジェクトの全体像を把握するのに不安を感じていました。そこで、彼女はプロジェクトマネジメントについて学ぶために、佐藤課長に相談することにしました。
カナ: 「課長、初めての大型プロジェクトで何から始めたらいいのかわからなくて不安です。どうやって全体を管理すればいいのでしょうか?」
佐藤課長: 「カナ、その気持ち分かるよ。プロジェクト管理を成功させるためには、WBSを使うといいよ。」
カナ: 「WBSって何ですか?」
佐藤課長: 「WBSは、Work Breakdown Structure(作業分解構成図)の略だよ。プロジェクトの全体を細かい作業単位に分解していく手法なんだ。例えば、大きなハート型のケーキを作ると考えてみよう。まず、材料を準備し、次に生地を作り、焼き上げて、最後にデコレーションする。これがWBSの考え方だよ。」
カナ: 「なるほど。大きなケーキを作るというプロジェクトを小さなタスクに分けることで、何をすべきかが明確になるんですね。」
佐藤課長: 「その通り。そして、各タスクには責任者や期限を設定することで、プロジェクト全体を効率的に管理できるんだ。」
カナ: 「それなら、大きなプロジェクトも段階的に進められそうですね。でも、具体的にどうやってWBSを作成するんですか?」
佐藤課長: 「まず、プロジェクトの目標を明確にすることから始めよう。そして、その目標を達成するために必要な大きな作業をリストアップするんだ。それをさらに細かい作業に分解していく。例えば、新しいソフトウェアを開発する場合、設計、開発、テスト、リリースという大きな作業に分けられる。そして、それぞれをさらに細かく分けていくんだ。」
カナ: 「WBSを作成することで、プロジェクト全体の流れが見えるようになるんですね。ガントチャートとの違いは何でしょうか。同じように使われているような気がしますが。」
佐藤課長: 「良い質問だね。ガントチャートは、プロジェクトのタスクとそのスケジュールを視覚的に示すツールなんだ。WBSがプロジェクトの作業内容を階層的に分解して示すのに対して、ガントチャートはそれを時間軸上に配置して、タスクの開始日、終了日、期間を示すんだ。つまり、WBSは作業の構造を示すもので、ガントチャートはその作業をどの順序で、どの期間に行うかを示すツールなんだ。」
カナ: 「なるほど。両方とも使うことで、プロジェクトの詳細な計画と進捗状況が把握しやすくなるんですね。」
佐藤課長: 「その通り。WBSでプロジェクトの全体像をつかみ、ガントチャートで具体的なスケジュールを管理することで、プロジェクト管理がより効果的になるんだよ。」
WBSの定義: WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトを成功させるために、全体を細かい作業単位に分解して管理する手法です。各作業には責任者や期限を設定し、プロジェクト全体を効率的に管理することを目的としています。
②実際の事例
企業や自治体での使用例
企業: あるIT企業では、新しいソフトウェア開発プロジェクトにWBSを導入しました。このプロジェクトは複数のチームが関与し、厳しい納期が求められていました。プロジェクトマネージャーは、WBSを使ってプロジェクト全体を細かく分解し、各チームにタスクを割り当てました。これにより、各チームは自分たちの役割を明確に理解し、効率的に作業を進めることができました。
自治体: ある地方自治体では、地域の防災計画を策定する際にWBSを活用しました。プロジェクトマネージャーは、防災計画を大きなタスクに分け、それぞれのタスクをさらに細かく分解しました。これにより、関係者全員が自分たちの役割を理解し、計画をスムーズに進めることができました。
➂クイズや小テスト
クイズ1: WBSの主な目的は何ですか?
A. データの保存
B. プロジェクト全体を細かい作業単位に分解して管理する
C. システムのセキュリティ向上
クイズ2: WBSを作成する際に最初に行うべきことは何ですか?
A. プロジェクトの目標を明確にする
B. 各タスクの責任者を決める
C. 作業をリストアップする
クイズ3: WBSを使用することで得られる主な利点は何ですか?
A. コスト削減
B. プロジェクトの進捗状況が把握しやすくなる
C. プロジェクトのスコープが広がる
回答
クイズ1: B. プロジェクト全体を細かい作業単位に分解して管理する
クイズ2: A. プロジェクトの目標を明確にする
クイズ3: B. プロジェクトの進捗状況が把握しやすくなる