【中学生でもわかるIT用語】VoIPゲートウェイとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『V』から始まる用語

VoIPゲートウェイ

① 物語性を取り入れた説明

サキコは、最近「VoIPゲートウェイ」という言葉を耳にしましたが、何のことかよくわかりませんでした。授業後、サキコは先生に質問しました。

「先生、VoIPゲートウェイって何ですか?」

先生は優しく答えました。「良い質問だね、サキコ。簡単に言うと、VoIPゲートウェイは、インターネットを使った音声通話(VoIP)と、普通の電話回線をつなぐ役割をしているんだ。たとえば、君がスマホでインターネットを使って電話をかけるとするよね。でも、その電話の相手が固定電話だったらどうなるかな?」

サキコは考えて、「インターネットと普通の電話線は違う仕組みだから、つながらない気がします。」

「その通り!でも、実際にはつながるようになっているんだ。どうしてかというと、インターネットのデジタル信号を、普通の電話回線のアナログ信号に変換する装置があるからなんだ。それがVoIPゲートウェイなんだよ。」

サキコは驚いて、「つまり、インターネットで送られたデジタル信号を、普通の電話の信号に変える機械がVoIPゲートウェイなんですね!」

「その通り。インターネット上での音声通話を『VoIP』と言うんだけど、普通の電話と話をするときは、VoIPゲートウェイがデジタル信号とアナログ信号を変換して、会話がスムーズにできるようにしているんだよ。」

「なるほど!インターネットと普通の電話回線をつなぐために必要なんですね。」とサキコは納得しました。

「そうだね。それともう一つ大事な役割を持つ機器があるんだ。それが『VoIPゲートキーパー』だよ。」

VoIPゲートキーパーとの関係

VoIPゲートキーパー?門番ですか?」サキコは首をかしげました。

VoIPゲートキーパーは、VoIPネットワーク内で、通話の管理を行う役割を持っているんだ。簡単に言うと、VoIPの世界では電話番号ではなく『IPアドレス』で通信しているんだけど、誰がどのIPアドレスを使っているか、どの通話をどの経路で繋ぐべきかを管理してくれるのがゲートキーパーなんだ。だから、通話を始める前に、ゲートキーパーが各ユーザーを認証して、通信を適切に制御してくれるんだよ。」

「じゃあ、VoIPゲートウェイが通話をつなげて、VoIPゲートキーパーがその通話を管理するんですね!」サキコは理解を深めました。

「その通りだよ。VoIPネットワークの中では、これら2つの役割が重要なんだ。そして、もう一つ大事なものがルーターだ。」

 

ルーターとの関係

ルーターですか?」サキコは不思議そうに聞き返しました。

「うん、ルーターはネットワーク全体をつなぐための装置なんだ。たとえば、君が学校でパソコンを使っているとき、そのパソコンからインターネットにアクセスできるのはルーターがデータを適切な場所に送るからなんだよ。簡単に言うと、ルーターは『郵便局』のようなもので、どのデータ(手紙)をどこに送るかを決めてくれるんだ。」

「なるほど、データを配達する役割ですね。でも、VoIPゲートウェイルーターの関係はどうなっているんですか?」とサキコは興味深そうに聞きました。

「良い質問だね。VoIPゲートウェイは、インターネット上でのデータ(デジタル信号)と、普通の電話回線(アナログ信号)をつなぐ装置だけど、ルーターがなければ、そもそもインターネット上でデータが正しい場所に届かないんだ。だから、ルーターがデータを送り出し、そのデータをVoIPゲートウェイが電話回線に変換してくれるんだよ。」

「じゃあ、ルーターがデータを送る役割をして、VoIPゲートウェイがそのデータを電話の信号に変えるってことですね!」サキコは理解を深めました。

「その通り。つまり、ルーターはインターネットでデータを正しい場所に届ける郵便局のようなもの、VoIPゲートウェイはそのデータを電話に変換する通訳のような役割をしているんだ。」

「なるほど!だから、VoIPゲートウェイルーターは一緒に使われて、インターネットの音声通話ができるんですね。」とサキコは納得しました。

「そうだね。企業や家庭でも、この仕組みを使って安く通話ができるようになっているんだよ。」

VoIPゲートウェイの定義

VoIPゲートウェイ」とは、デジタル信号を使った音声通話(VoIP)と、アナログ信号を使った従来の電話回線を相互接続し、音声のやり取りを可能にする装置です。

② 実際の事例

VoIPゲートウェイは、企業や自治体でコスト削減や通信の効率化を目的として広く活用されています。特に、企業では電話コストが大きな負担になるため、VoIP技術が非常に有効です。

ある大手企業では、海外に多くの支社を持っており、通常の国際電話を使うと高額な料金が発生します。そこで、インターネットを使った通話、つまりVoIPを導入することで、支社間の通信コストを大幅に削減しました。しかし、支社間の連絡だけではなく、外部の取引先や顧客との通話は、まだ従来の電話回線を使用しています。このとき、VoIPゲートウェイが活躍します。VoIPゲートウェイがインターネット上の音声データをアナログの電話信号に変換し、従来の電話回線を通じて通話を可能にしているのです。

自治体でも、インフラコストを削減するためにVoIPゲートウェイが導入されています。例えば、市役所では多くの部署があり、内部通話や外部からの電話対応に対応する必要があります。そこで、従来の電話回線とVoIPの両方を活用し、効率的な通信体制を整えています。市民からの問い合わせがインターネット経由で受けられるようになり、音声通話のコストも抑えられるようになっています。

また、VoIPゲートキーパーも重要な役割を果たしています。たとえば、通話が開始される前に、ゲートキーパーが各ユーザーの認証を行い、IPアドレスの管理や通話経路の最適化を行います。これにより、ネットワーク内での通話がスムーズに運営され、通話品質が保たれるのです。

このように、VoIPゲートウェイVoIPゲートキーパーは、インターネット通話と従来の電話回線をつなぐ重要な役割を果たし、通信コストの削減や通信の柔軟性向上に貢献しています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 VoIPゲートウェイの役割は何ですか?

A. インターネットの速度を速くする
B. インターネットのデジタル信号と電話回線のアナログ信号を変換する
C. 電話の履歴を保存する

クイズ2 VoIPゲートキーパーの役割は何ですか?

A. 通話のIPアドレスを管理し、通話経路を最適化する
B. 音声データを圧縮する
C. インターネットのセキュリティを監視する

クイズ3 VoIPゲートウェイが必要な場面はどれですか?

A. スマートフォン同士の通話
B. インターネット通話と従来の電話回線をつなぐ場合
C. テレビの視聴


回答

  1. 正解:B
  2. 正解:A
  3. 正解:B

 

応用情報技術者試験 平成24秋 午前問35

応用情報技術者平成24年秋期問35 VoIPゲートウェイを配置する場所

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