【中学生でもわかるIT用語】二モニックコードとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ナ行』の用語

二モニックコード (Mnemonic Code)

① 物語性を取り入れた説明: 「二モニックコード」

ある日の午後、IT部の新入社員ハルカは、プログラミングの基本を学んでいました。すると、課長が近づいてきて、「今日は二モニックコードについて教えよう」と言いました。

二モニックコードって何ですか?」とハルカは不思議そうに尋ねました。

「簡単に言うと、二モニックコードはコンピュータに指示を出すための覚えやすい短い言葉だよ。コンピュータは本来、0と1だけの機械語で動いている。でも、人間にとっては、それを直接使って命令するのは難しい。そこで、MOVADDみたいな簡単な言葉を使って、コンピュータに何をしてほしいか指示をするんだ」

「なるほど、MOVって移動させるという意味ですね。でも、どうやって機械語とつながっているんですか?」とハルカが聞くと、課長は笑顔で続けました。

「いい質問だ。実は、アセンブラというプログラムが、この二モニックコードを機械語に変換してくれるんだ。たとえば、君が『MOV』という命令を使うと、アセンブラがそれを機械が理解できる0と1のコードに翻訳してくれる。だから、人間は分かりやすい言葉で書けるけど、コンピュータはその裏で機械語として実行しているんだよ」

「それなら、わざわざ機械語を覚えなくても、二モニックコードを使えばいいんですね!」とハルカは感心しました。

「その通り。ただし、二モニックコード自体は、プログラムの基礎となる低レベルな言語だから、もっと高度なプログラミング言語ができる前の技術だ。でも、今でも二モニックコードは使われているんだ。たとえば、アセンブリ言語では、二モニックコードを使ってプログラムを作ることが基本だね」

「なるほど、コンピュータに直接命令を出すための簡単な言葉なんですね。でも、たとえば、日本をjpとしたり、商品の色をBK(黒)やWH(白)って表記するのも、ニモニックコードなんですか?」とハルカが疑問を投げかけました。

課長は頷きながら答えました。「それは表意コードにあたるね。短縮して表現することで、わかりやすく、扱いやすくしている点では似ているけど、目的が違う。二モニックコードは、コンピュータの機械語に対応する命令として使われ、コンピュータを操作するための記号なんだ。たとえば、『JP』や『BK』は商品の表記として使うけど、これ自体はコンピュータが直接理解して動作する命令ではないよね。これは表意コードと呼ばれるもので、意味や情報を簡略化して表すためのものだ。まとめると下記のようになるよ」

二モニックコードと表意コードの違い

項目二モニックコード表意コード
用途コンピュータの命令を覚えやすくするデータや属性を短く表現する
使用例MOV(移動)、ADD(加算)などJP(日本)、BK(黒)など
目的機械語を人間に分かりやすくするための命令情報の属性や物理的な意味を短縮表現
変換アセンブラによって機械語に変換されるそのままデータとして使われる

 

「なるほど!じゃあ、JPBKは短縮表記で、コンピュータの動作に関わる二モニックコードとは違うんですね?」とハルカが確認しました。

「そうだね。たとえば、二モニックコードのMOVは、実際にはコンピュータにメモリからデータを移動する指示を出すもので、具体的に0と1の形でその動作が行われる。これはアセンブラを通じて機械語に変換されるんだ。一方で、表意コードは情報を簡潔に示すためのコードで、コンピュータがそのまま理解して動作するわけではないんだよ」


二モニックコード (Mnemonic Code) とは、コンピュータの機械語を人間が覚えやすい短い言葉に置き換えたものです。アセンブリ言語で使われ、アセンブラというソフトウェアがこれを機械語に変換します。一方、表意コードは、情報や物理的な意味を簡潔に示すための短縮形で、コンピュータの命令とは無関係です。

② 実際の事例: 二モニックコードの使用例

二モニックコードは、今でも多くのシステムや機器のプログラムで使われています。

例えば、組み込みシステムの開発では、ハードウェアに近いレベルでプログラムを直接制御するため、二モニックコードが使われることがあります。具体的には、産業用ロボットや自動車の制御システムなど、ハードウェアに近い部分を動かすときに、アセンブリ言語と二モニックコードが役立っています。

また、エンベデッドシステム(組み込みシステム)でのプログラムを書く際、アセンブリ言語や二モニックコードを用いることが一般的です。これにより、メモリの効率的な管理が可能になり、限られたリソースで動作するデバイスでも正確にプログラムを動かすことができます。

さらに、教育現場でも、二モニックコードはコンピュータの基礎を学ぶために使われています。特に、低レベルなハードウェアを理解するための実習で、アセンブリ言語や二モニックコードを使ったプログラミングが行われることがあります。

➂ クイズや小テスト

クイズ1

二モニックコードの役割は何ですか?

A. コンピュータの動きをグラフィカルに表示する
B. 機械語を人間が覚えやすい形にしたもの
C. コンピュータを自動的にプログラムする

クイズ2

二モニックコードを機械語に変換するのは何ですか?

A. コンパイラ
B. アセンブラ
C. デバッガ

クイズ3

二モニックコードと表意コードの違いは何ですか?

A. 二モニックコードはコンピュータの命令を表し、表意コードは情報を簡潔に示す
B. 二モニックコードは情報を短縮するだけ
C. 表意コードはコンピュータに直接命令を出すためのもの

⑤ 回答

  1. B – 二モニックコードは、機械語を人間が覚えやすい形にしたものです。
  2. B – アセンブラが二モニックコードを機械語に変換します。
  3. A – 二モニックコードはコンピュータの命令を表し、表意コードは情報を簡潔に示します。

応用情報技術者試験平成27年秋 午前問24

応用情報技術者平成27年秋期問24 データの対象物が連想できるコード



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