【中学生でもわかるIT用語】ニューラルネットワークとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ナ行』の用語

ニューラルネットワーク

① 物語性を取り入れた説明: 「ニューラルネットワーク」

パソコン大好きな中学生のリナは、AIについて知りたいと思い、先生に質問しました。

「先生、『ニューラルネットワーク』って何ですか?」

「良い質問だね、リナ。ニューラルネットワークを理解するには、がどうやって考えたり判断したりするかを想像すると分かりやすいよ。脳の中にはニューロンと呼ばれる小さな細胞がたくさんあって、互いに繋がりながら情報をやり取りしているんだ。ニューラルネットワークも、こうしたニューロンを真似て作られているんだよ。」

「えー、コンピュータの中に脳みたいな仕組みがあるんですね!」

「そうなんだ。まず、入力層と呼ばれる層にデータが入ってくる。例えば、猫の写真を見た時に『耳』『ヒゲ』『目の形』などの情報がここに入る。そして、それが次の層に伝わっていくんだけど、次は隠れ層が登場するんだ。この隠れ層で、入力された情報をうまく組み合わせて、『これは猫かな?』と判断するための準備をするんだよ。」

「隠れ層って何ですか?」

「隠れ層は、見えないけれどデータを処理してくれる場所なんだ。ここでデータが少しずつ組み合わされ、最終的に出力層に届くんだ。出力層では『猫』か『猫じゃない』かのように、最終的な判断が行われるんだよ。」

「なるほど!層を順番に通って、データを整理していくんですね。」

「そうだね。もう一つ重要なのは、重みバイアスというものだ。重みは、各データがどれだけ重要かを決める数値で、バイアスはその数値を調整する役割があるんだ。この二つを調整することで、ニューラルネットワークは何度も試行錯誤しながら答えをどんどん正確にしていくんだよ。」

「じゃあ、ニューラルネットワークは、たくさん練習して頭が良くなっていくんですね!」

「その通り!ニューラルネットワークは、たくさんのデータを使って学習を繰り返すことで、より高い精度で予測や分類ができるようになるんだ。そうそう、もう一つ大事な役割があるんだけど、活性化関数っていうんだ。」

「活性化関数?それってどんな役割なんですか?」

「そうだね・・活性化関数は、各ニューロンが出す信号を調整するスイッチのようなものなんだ。たとえば、もし活性化関数がなければ、入力から出力までの計算が単純な足し算や掛け算で終わってしまって、複雑な問題を解くことができなくなってしまうんだ。」

「へえ、計算を工夫してるんですね。具体的にはどういうことですか?」

「じゃあ、リナがボールを仕分けする仕事をしていると考えてみよう。普通にボールを分けるだけなら、足し算みたいにシンプルな判断でいけるけど、ボールの色や形、重さを考慮して仕分けると少し複雑になるよね。活性化関数を使うと、ニューロンがただの計算だけでなく、データをいろいろな形で組み合わせて処理できるようになるんだ。

「なるほど、計算を複雑にすることで、より正確に判断できるんですね!」

「そうそう。そして、活性化関数にはいろいろな種類があって、問題に合わせて使い分けるんだ。たとえば、ReLU(レル)っていう関数は、データが0より大きい時はそのまま使って、0以下なら切り捨てるんだ。こうすることで、0以下のデータが無視されて、効率的に計算ができるんだよ。」

「ReLUって、0より小さいデータをスルーするんですね。他にはどんな活性化関数があるんですか?」

「例えば、シグモイド関数というのもある。これは0から1の間で信号を調整してくれるんだ。この関数は出力を一定の範囲に収めるために使われることが多い。たとえば、病気のリスクを予測する時、0%から100%までのリスクを出すのに便利なんだよ。」

「活性化関数って、計算を調整してくれる大事な仕組みなんですね。」

「その通り。活性化関数があるから、ニューラルネットワークは単純な計算を超えて、非線形な関係も扱えるようになるんだ。これで、複雑なパターンを見つけられるようになるんだよ。活性化関数を目的に応じてうまく使うことで、AIの判断がより柔軟で精度の高いものになるんだ。まとめると下記のような感じだよ。」

活性化関数特徴と用途使用例
ReLU(レル)0より大きい値はそのまま出力し、0以下は0に変換。計算が早く、深層学習に適している。画像認識、音声認識などの深層学習モデル
シグモイド関数出力を0〜1の間に収める。確率やリスク予測などに向いているが、勾配消失問題がある。2値分類、病気リスク予測
ハイパボリックタンジェント(tanh)-1から1の範囲に出力を収め、中心が0でシグモイドよりも精度が良い。自然言語処理など、中央0の出力が適する場合
ソフトマックス関数出力を確率として解釈できるように変換し、複数クラスの分類に使う。多クラス分類問題(画像の複数カテゴリ分類)
Leaky ReLU0以下の値も小さく変換して出力することで、ReLUの問題である勾配消失を防ぐ。深層学習で勾配消失を防ぎたい場合

 

実際のIT用語の定義

ニューラルネットワークは、脳のニューロンを模倣して構築された層構造のアルゴリズムで、データを入力層から出力層に渡して処理します。途中にある隠れ層でデータを組み合わせ、最終的な出力を得ます。ニューラルネットワークは重みとバイアスを調整することで学習し、精度を高めることができます。
用語特徴
入力層データが最初に入ってくる層
隠れ層データを処理し、次の層に渡すための中間層
出力層最終的な判断や予測が行われる層
重みとバイアスデータの重要度を調整し、学習精度を向上させる役割を持つ数値

② 実際の事例: ニューラルネットワークの使用例

企業での使用例

ニューラルネットワークは、画像認識に幅広く使用されています。

たとえば、ECサイトでは商品画像を認識して自動的に分類するシステムが使われています。ニューラルネットワークが商品画像を学習し、特徴を識別することで、「スマートフォン」「ノートパソコン」などのカテゴリーに正確に振り分けられます。この仕組みにより、大量の画像データを効率よく処理できるようになります。

ニュースでの話題例

医療分野でも、ニューラルネットワークはがんの早期発見に利用されています。

患者の画像データを学習させることで、異常な細胞を自動的に見つけ出すことができます。これにより、医師は病気の兆候を早期に発見できるようになり、早期治療が可能になります。AIによる医療サポートは、患者の負担軽減と医療の精度向上に貢献しており、AI技術の医療現場への応用がますます注目されています。


③ クイズや小テスト

クイズ1

ニューラルネットワークにおいて、データが最初に入ってくる層を何と呼びますか?

A. 隠れ層

B. 入力層

C. 出力層

クイズ2

ニューラルネットワークがデータを順番に処理し、最終的な予測を行う層はどれですか?

A. 重み

B. バイアス

C. 出力層

クイズ3

ニューラルネットワークが学習精度を向上させるために調整する数値はどれですか?

A. 重みとバイアス

B. 入力層と出力層

C. 隠れ層と出力層


回答

クイズ1: B. 入力層
解説:ニューラルネットワークのデータが最初に入ってくる層は入力層です。

クイズ2: C. 出力層
解説:最終的な判断や予測が行われるのは出力層です。

クイズ3: A. 重みとバイアス
解説:重みとバイアスは、ニューラルネットワークの学習精度を高めるために調整される重要な要素です。

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