【中学生でもわかるIT用語】Wi-Fiとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『W』から始まる用語

Wi-Fi

デジ男と太郎のWi-Fi体験:1日目 基本編

ある日、デジ男太郎は古い城にやってきました。この城は今ではモダンなカフェに変わっており、お客さんはコーヒーを飲みながらWi-Fiでネットサーフィンを楽しんでいました。

「この城、素敵だね。でもWi-Fiって、一体何なの?」と太郎。

デジ男はテクノロジー好きなので、「Wi-FiはWireless Fidelity(無線の忠実度)の略という説があるよ。無線でインターネットに接続することができる技術だよ」と説明。

「無線って、どういうこと?」と太郎。

「考えてみて、このカフェにはルーターと呼ばれる機器があるでしょ。このルーターが、線を使わずにインターネットの信号を送っているんだ」とデジ男。

Wi-Fi無線ルーターのイラスト

 

「じゃあ、そのルーターはどうやって信号を送るの?」太郎はさらに興味を持ちました。

「いい質問だね。ルーターは無線周波数、主に2.4GHzと5GHzを使用して信号を送るんだ。これがデータ通信の”道”みたいなもの」とデジ男。

「なるほど、でも、なんで2つもあるの?」と太郎。

「実は、それぞれの周波数帯には長所と短所があるんだ。2.4GHzは通信範囲が広いけど速度は遅め。5GHzは速度が速いけど通信範囲は狭い。だから、場所や用途に応じて使い分けることができるんだよ」とデジ男。

 

太郎が続けて質問。「じゃあ、Wi-Fiって安全なの?」

「いいところをついたね。Wi-Fiにはセキュリティが大切で、WPA3(Wi-Fi Protected Access 3という最新のセキュリティプロトコルが用いられているよ。この暗号化技術があれば、基本的には安全だと言える」とデジ男。

「なるほど、でも公共のWi-Fiはどうなの?」と太郎。

「それは注意が必要。公共のWi-Fiは多くの人が利用するから、不正アクセスのリスクも高くなる。だから、重要な操作は避け、VPNなどのセキュリティ対策を使うといいよ」とデジ男。

ハッカー・ネットワーク犯罪のイラスト(セキュリティー)

 

「最後に、、どうしてこんなに便利なWi-Fiを無料で使わせてくれるの?」太郎が最後の疑問を投げかけました。

 

「それはいろいろな理由があるんだよ。無料のWi-Fiは企業や自治体が提供することで、人々に便益をもたらし、その場所が魅力的になるから。たとえば、カフェでは無料Wi-Fiを使えると、客が長居してもっと多くの商品を注文するかもしれないし、公共の場所では、人々が集まりやすくなるんだ。だから結局は、無料で提供することで何らかのメリットがあるわけさ」とデジ男が詳しく説明しました。

そして、デジ男と太郎はWi-Fiの素晴らしさを体感しながら、古城での冒険とインターネットサーフィンを楽しみました。Wi-Fiは無料でしたが長居した彼らのケーキ代とコーヒーのおかわり代はバカにならない。

二人が学んだWi-Fiの知識は、これからのデジタルライフをさらに豊かにしてくれることでしょう。

 

デジ男と太郎のWi-Fi体験:2日目 Wi-Fiの便利機能

デジ男太郎が古城でWi-Fiの知識を体感した後、二人は地元の図書館へ向かいました。図書館は新しくなり、Wi-Fiもアップグレードされていました。

「ここもWi-Fiが使えるんだ。でも、何か速度が違う気がする」と太郎。

「そうなんだよ、最近は6GHz帯も使われるようになって、より高速な通信が可能になっているんだ」とデジ男。

「6GHz?それってどういうこと?」と太郎。

「6GHz帯は新しい周波数帯で、5GHzよりもさらに多くのデータを高速に転送できるんだ。ただ、通信範囲は狭くなるから、主に屋内で活躍することになると思うよ」とデジ男。

周波数帯通信速度通信範囲
2.4GHz遅い広い
5GHz速い狭い
6GHz最も速い最も狭い

「周波数帯がいろいろあると、混乱しそう」と太郎。

「確かに、でもそのためにインフラストラクチャモードがあるんだ。これは一つのルーターが複数のデバイスに対してコミュニケーションをコントロールするモード。要は、ルーターが”指揮官“となって最適な通信環境を提供してくれるわけ」とデジ男。

 

「ふーん、じゃあもしルーターの信号が届かない場所があったらどうするの?」と太郎。

「それが中継機能だよ。中継器を使って、ルーターからの信号を拡大してくれる。たとえば、この大きな図書館でも、中継器があれば隅々までWi-Fiが利用できるんだ」とデジ男。

「すごいね、Wi-Fiって本当に便利だね」と太郎。

「それが今の社会でどれだけ重要なテクノロジーかわかるよね。Wi-Fiがあれば、どこでも仕事も遊びも自由自在。だからこそ、セキュリティや設定にも気を付けないといけないんだよ」とデジ男。

太郎が最後に質問。「Wi-Fiの進化は止まらないの?」

「止まらないよ、Wi-Fi 7なんてもう開発中だし、データ通信の速度やセキュリティも日々進化している。これからもWi-Fiは我々の生活をより快適に、より便利にしてくれるんだ」とデジ男が答えました。

「そして、Wi-Fiの技術は元々はオーストラリアの科学者がブラックホールの研究をしていて、研究課程で開発された電波検出のための技術Wi-Fiの基礎になったんだよ」デジ男が続けます。

「へー!!すごい。どの勉強が何の役に立つか分からないね」と太郎。

二人はWi-Fiの進化と共に、自分たちの知識も進化させていきました。
このWi-Fiについての学びもどこかできっと役に立つでしょう。

 

デジ男と太郎のWi-Fi体験:3日目 Wi-Fiの進化と便利機能

数週間後、デジ男太郎は地元のテクノロジーフェアで再会した。新しいガジェットやテクノロジーが展示されている場で、二人は目を輝かせていた。

「おお、見てデジ男!この新しいネットワークデバイスがすごいよ。何かメッシュネットワークって書いてあるけど、これって何?」と太郎。

「メッシュネットワークは、単一の大きなネットワークを形成するために、複数の小さなルーターが連携するシステムだよ。これによって、通信がより安定し、広い範囲をカバーできるんだ」とデジ男。

「それってつまり、一つのルーターに依存しないわけ?」と太郎。

「正解!メッシュネットワークは各ルーターが互いに協力して、伝送方式もいくつか使って、データを効率よく送受信するの。伝送方式には主に半二重、全二重などがあって、それぞれの方式がどのような環境で最も効果を発揮するかが考慮されるんだ」とデジ男。

「半二重や全二重などの基本的な伝送方式に加えて、実はもっと高度な伝送方式もあるんだよ。例えば、CCKはちょっと古めのWi-Fiで使われていて、DSSSは老舗企業やインフラが古い場所でよく見かける。OFDMは現代のWi-Fiでよく使われ、特に公共のWi-Fiスポットで採用されているんだ。」とデジ男が続けます。

「さらに進んだ話をすると、OFDMAはWi-Fi 6で導入された新しい方式で、複数の人が同時に高速でデータ通信できるんだよ。そして、MIMOは複数のアンテナを使って、データの送受信をより効率的にする技術で、高性能なルーターや大学のキャンパスなどでよく使われているんだ。」

「これらの伝送方式は、データ通信の効率や速度、信頼性を向上させるために重要な要素なんだ。各ルーターがこれらの伝送方式をうまく使い分けることで、メッシュネットワークはさらに効率的なデータ通信が可能になるんだよ。」と詳しすぎるデジ男が説明を加えました。

伝送方式説明用途例
半二重(Half Duplex)一度に一方向の通信トランシーバー
全二重(Full Duplex)同時に双方向の通信スマートフォン
CCK旧型Wi-Fiで使われるコーディング方式古いWi-Fiネットワーク
DSSS直接シーケンス拡散方式老舗企業、旧インフラ
OFDMオーソゴナル周波数分割多重化公共Wi-Fi, 現代のWi-Fi
OFDMAOFDMの多ユーザー版Wi-Fi 6
MIMO複数のアンテナを使った伝送高性能ルーター、大学キャンパス

 

「へえ、それなら大きな会場やイベントで便利そうだね」と太郎。

「そういえば、acとかgとかnとか11の後に色々アルファベットがくっついているのを見かけるけど、あれってなんなの?」と太郎。

「それらはWi-Fiのバージョンを示しているんだ。例えば、802.11nや802.11acなど。それぞれのアルファベットは、通信速度や範囲、信頼性などを改善するための新しい技術を導入したバージョンを指すよ」とデジ男。

「それぞれが何を意味するの?」と太郎。

「たとえば、”n”は通信速度が最大で600 Mbpsに達するバージョンで、”ac”は最大で約1300 Mbpsも可能だよ。最新の”ax”も出ていて、それはWi-Fi 6とも呼ばれる。これは更に高速で、通信の効率も良いんだ」とデジ男。

規格最大速度登場年主な用途社会的影響
Wi-Fi a54 Mbps1999企業ネットワーク、プロフェッショナル環境初のWi-Fi規格として、無線LANの普及に貢献
Wi-Fi b11 Mbps1999初期のホームネットワーク一般家庭でのインターネット接続の普及
Wi-Fi g54 Mbps2003ホームネットワーク、小規模オフィスより高速な接続が可能に、動画ストリーミング支援
Wi-Fi n600 Mbps2009ホームエンターテイメント、大規模ネットワークHD動画、オンラインゲームの品質向上
Wi-Fi ac1-3 Gbps2013高速ネットワーク、ビジネス、大規模施設4K動画やVR、IoTデバイスの普及支援
Wi-Fi ax2-10 Gbps2019超高速ネットワーク、次世代の企業や公共施設5Gと並行して、高度な通信環境を提供

 

「なるほど、これらの標準があるから、さまざまなデバイスがスムーズに通信できるわけだね」と太郎。

「その通り。標準があるおかげで、メーカーが製品を作る際にもガイドラインがあり、消費者が製品を選ぶ際も安心感がある。それがIEEE 802シリーズの力だよ。最新のルーターの高額な機種を見ると勉強になると思うよ。僕も買えないけどよく見ているんだ。」とデジ男。

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実際の事例: 企業や自治体でのWi-Fi利用

スマートシティとWi-Fi

スマートシティでは、公共Wi-Fiが市民や観光客に提供されています。たとえば、ニューヨーク市では「LinkNYC」というプロジェクトで、公衆電話ボックスをWi-Fiスポットに変えています。これにより、誰でも無料で高速インターネットに接続できるようになりました。

ニューヨークの驚くべきサイネージプロジェクト!「Link NYC」 – DDS[デジタルデザインサイネージ®]│デジタルサイネージの販売~運用までトータルでサポート
今回はニューヨークで行われているサイネージを使ったプロジェクト「Link NYC」についてご紹介します。

イベント会場でのWi-Fi

大型イベント会場やコンサートなどでは、多くの人々が一堂に集まります。そのような状況でのスムーズな通信を可能にするため、特定のWi-Fiテクノロジーが導入されています。特にWi-Fi 6は、多くのデバイスが同時に接続する環境で高いパフォーマンスを発揮します。

企業におけるWi-Fi

多くの企業では、社内のWi-Fiネットワークを利用して業務を行っています。セキュリティが強化されたWPA3を採用することで、外部からの不正アクセスを防いでいます。また、ビデオ会議や大量のデータ転送をスムーズに行うために、高速なWi-Fi 6が導入されるケースも増えています。

Wi-Fiと自動車

近年、自動車にもWi-Fiが搭載されるようになっています。特に自動運転車では、車と車、車とインフラ(信号機など)との通信が必要です。このために特化したWi-Fiテクノロジーが開発され、テストが行われています。

農業でのWi-Fi活用

IoT技術とWi-Fiを組み合わせたスマート農業も進行中です。センサーが取得した土壌の水分量や気温などのデータをリアルタイムで集め、分析することで、より効率的な農業が行えます。

➂クイズや小テスト

クイズ1: Wi-Fi 6(802.11ax)は、何に特に優れていますか?

A. 長距離通信
B. 耐久性
C. 高速なデータ転送

クイズ2: インフラストラクチャモードとは、どのようなWi-Fiの接続方法ですか?

A. 複数のデバイスが直接通信するモード
B. 一つのアクセスポイントを介して通信するモード
C. 一つのデバイスがインターネットへのゲートウェイとなるモード

クイズ3: Wi-Fiのセキュリティプロトコルで最も安全とされているのは何ですか?

A. WEP
B. WPA
C. WPA3

回答:
  1. C. 高速なデータ転送
  2. B. 一つのアクセスポイントを介して通信するモード
  3. C. WPA3

 

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