EDR(Endpoint Detection and Response)
①ジョンとトム、サイバーセキュリティの守護者になる
ジョンとトムは中学校の友達で、いつも一緒に授業を受けています。この日も、算数の授業が終わって早く帰りたいという気持ちでいっぱいでした。しかし、教室に戻ってきたとたん、ふざけているクラスメイトたちが「コンピュータがおかしいよ、何が起こってる?」と騒いでいるのが聞こえました。
「なんだろう?」とジョンが言いました。
「さあ、調べに行ってみよう!」とトムが提案し、二人は学校のIT部屋へと急ぎました。
IT部屋に到着すると、確かに何かがおかしかった。コンピュータの画面が暗転しており、何も操作できない状態でした。
「うわっ、これってもしかしてサイバー攻撃?」とジョンが言いました。
「大丈夫だよ、EDR(Endpoint Detection and Response)があるから!」とトムが答えました。
「EDRって何それ?」
「EDRは Endpoint Detection and Response(エンドポイント検出と対応) の略だよ。これは、コンピュータやスマートフォン、タブレットなどのエンドポイントに不正なプログラムやマルウェアが侵入していないかを監視するセキュリティソフトの一つなんだ。」
「ふーん、それがどうしたの?」
「じゃあ、考えてみて。学校で使っているコンピュータはみんなで共有しているよね。誰かが間違えて危ないWebサイトにアクセスしたり、フィッシングメールに感染したりしたら、それが学校全体に広がってしまう可能性がある。EDRはそのような事態を防ぐために、リアルタイムで端末の状態を監視して、何かおかしな動きがあればすぐに警告してくれるんだ。」
「すごいね、それなら安心だね。」
「そうなんだよ。ただし、EDRも完璧ではないから、自分たちが注意深く行動することも大事だよ。」
「なるほど、EDRがいくら優れていても、私たちが無防備な状態でいるとダメってことね。」
「全くその通り。EDRは一つの大事な防御手段だけど、最終的には自分たちの行動がセキュリティを左右するというわけだ。」
「EDR、頼りになるね。これからはもっと気をつけよう。」
②実際の事例
企業での使用例: 社員の誤操作からくるリスクの削減
現代の企業では、毎日数多くのデータがやり取りされています。しかし、データの取引が多くなればなるほど、そのデータが漏洩するリスクも高まります。
例えば、社員がうっかりと危険なメールの添付ファイルを開いてしまうことがあります。そのような場合、EDRはすぐにその危険を検知し、感染する前に警告を発することができます。
特に、企業が持つ情報は競合他社にとって非常に価値があり、それが漏洩した場合の損害は計り知れません。EDRは、こうした危険な状況を未然に防ぐために設計されています。
IT部門は、EDRからのフィードバックに基づいてリアルタイムで対応を行い、攻撃を防ぐことができます。これによって、企業は大きな損失を避け、また、社員も安心して業務に専念できます。
自治体での使用例: 市民の個人情報の保護
自治体もまた、市民から預かる多くの重要な情報を持っています。この情報が漏洩した場合、市民のプライバシーが侵害されるだけでなく、その信用も失われてしまいます。
このような危険を防ぐために、多くの自治体はEDRを導入しています。EDRが検出した異常な動きやリスクはすぐに専門のセキュリティチームに報告され、対処が始まります。
例えば、感染リスクのあるメールが送られてきた場合、EDRはそのメールを隔離し、セキュリティチームがその内容を詳しく調査することができます。
市民の情報を守るためには、最新のセキュリティ対策が必要です。その一環として、EDRは自治体にとって非常に有用なツールとなっています。
EDRについてのクイズ
- EDRが最も注目する「エンドポイント」の例として正しいものは何ですか?
- a) サーバー
- b) ルーター
- c) スマートフォン
- d) サイトのドメイン名
- EDRが発見した不正なプログラムやマルウェアを元に戻す作業は一般的に何と呼ばれますか?
- a) ログ分析
- b) レメディエーション
- c) パケットフィルタリング
- d) インシデントレスポンス
- EDRと類似の機能を持つが、よりネットワーク全体に焦点を当てたセキュリティ手法は何ですか?
- a) アンチウイルスソフト
- b) ファイアウォール
- c) インシデントレスポンス
- d) NDR(Network Detection and Response)
回答
- c) スマートフォン
- b) レメディエーション
- d) NDR(Network Detection and Response)
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