【中学生でもわかるIT用語】TPMとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『T』から始まる用語

TPM

① 物語性を取り入れた説明: 「TPM」

ある日、カズ君は新しいパソコンを買ってもらい、とてもワクワクしていました。しかし、お父さんから「セキュリティには気をつけるんだぞ」と言われて少し不安になりました。そんなとき、学校のITの授業で先生が「TPM」について話し始めました。

「みんな、新しいパソコンを使うとき、一番大事なのはセキュリティだよね。でも、パソコンの中にはいつも守ってくれる頼もしい守護者がいるんだ。その名前がTPMだ」と先生が言いました。

「TPM?守護者??」とカズ君は驚いた顔をしました。

「そう、TPMは『Trusted Platform Module』の略で、パソコンやスマホの中に組み込まれているセキュリティチップなんだ。この守護者はパソコンの中で、データを盗まれないように見張っているんだよ。例えば楽天市場でTPMで検索するとこういうものが出てくるよ」と先生は説明を続けます。

 

カズ「おお、TPMって書いてありますね」

「そうだね。例えば、カズ君が新しいパソコンにパスワードを設定したとするね。そのパスワードを盗まれたら困るでしょ?でも、TPMがそのパスワードを特別な形にして、外から簡単に盗まれないようにしてくれるんだ。まるでお城にいる守護者が、大切な宝物を守っているみたいにね」

「お城の守護者みたいに守ってくれるんですね」とカズ君は感心した様子で答えました。

「その通り。TPMは、パソコンの暗号化にも役立つんだ。暗号化というのは、情報を他の人には読めないように特別な形に変えることだよ。TPMが守護者としてその暗号化を手助けすることで、たとえパソコンを盗まれたとしても、その中のデータを他の人が読み取るのは難しくなるんだ」

「じゃあ、もし誰かが僕のパソコンを持って行っても、データは守られるんですね?」とカズ君。

「そうだね。さらに、TPMはパソコンの起動時にも働いていて、正しい設定で起動しているかどうかをチェックしてくれるんだ。これにより、悪いプログラムが勝手に入り込んで動き出すのを防ぐことができるんだよ。つまり、TPMはいつでも君のパソコンを守っている『守護者』なんだ」

カズ君は少し考えた後、手を挙げて質問しました。「ウイルス対策ソフトとは違うのですか?」

「いい質問だね!」と先生は頷きました。「TPMウイルス対策ソフトはどちらもセキュリティを強化するためのものだけど、その役割は少し違うんだ」

先生はホワイトボードに『TPM』と『ウイルス対策ソフト』という2つの項目を書きました。

「まず、ウイルス対策ソフトは、パソコンの中で悪いソフトウェア、つまりウイルスを見つけて取り除くためのプログラムだよ。ウイルスが入ってくるのを防ぎ、すでに入っているウイルスを退治するのが役目なんだ」

「ウイルスが入らないようにするためのものなんですね」とカズ君がうなずきます。

「そうだね。一方、TPMはパソコンに組み込まれているハードウェアチップで、データの安全な管理が役割だよ。パスワードや暗号鍵を守り、パソコンが安全に起動するかを常に見張っているんだ。ウイルス対策ソフトが『警備員』としてウイルスの侵入を防ぐとしたら、TPMは『守護者』として内部からデータを守る役割を果たしているんだ」

「なるほど…つまり、ウイルス対策ソフトは外からの攻撃を防ぐ警備員で、TPMは内部を守っている守護者なんですね!」とカズ君は目を輝かせました。

「その通りだよ、カズ君!どちらもパソコンの安全性を高めるためには欠かせない存在なんだ」と先生は微笑みました。


比較項目 ウイルス対策ソフト TPM
種類 ソフトウェア ハードウェアチップ
主な役割 ウイルスや悪意のあるプログラムの検出と除去 データの暗号化、
パスワードや暗号鍵の安全管理
例えるなら 警備員 守護者

「だから、パソコンを安全に使うためには、ウイルス対策ソフトTPMもそれぞれ大事なんだね」とカズ君は納得したようにうなずきました。


TPM (Trusted Platform   Module) は、コンピュータのセキュリティを向上させるためのハードウェアチップです。主にデータの暗号化、認証、セキュアブートなどに使われ、データの安全性を保つ役割を果たしています。

② 実際の事例: TPMの使用例

TPMは、主に企業や政府機関で利用されています。例えば、大企業のノートパソコンにTPMを搭載することで、従業員が業務中に扱う重要なデータを安全に保護しています。たとえば、社員が外出先で仕事をする際に、万が一ノートパソコンが盗まれたとしても、TPMにより保存されているデータは暗号化されていて、他人に読み取られにくくなっています。

また、政府機関自治体でもTPMを利用して、住民の個人情報を含む重要なデータの保護を強化しています。TPMはデータの暗号化に加えて、システムのセキュアブート(起動時の不正検知)にも役立っており、これにより不正なソフトウェアの起動を防止します。さらに、WindowsなどのオペレーティングシステムもTPMをサポートしており、例えばWindowsのBitLocker機能を使ったディスクの暗号化がTPMにより安全に実施されています。

➂ クイズや小テスト

クイズ1

TPMの役割は何ですか?

A. ソフトウェアをインストールすること
B. コンピュータのセキュリティを向上させること
C. インターネットの速度を速くすること

クイズ2

TPMが行うことの一つに含まれるのはどれですか?

A. データの暗号化を助ける
B. ゲームのグラフィックを向上させる
C. Wi-Fiの範囲を広げる

クイズ3

TPMが最も利用される場所はどこですか?

A. 学校の図書館
B. 大企業や政府機関
C. スポーツ施設

⑤ 回答

  1. B – TPMはコンピュータのセキュリティを向上させる役割があります。
  2. A – TPMはデータの暗号化を助けることで、情報の安全性を高めます。
  3. B – TPMは大企業や政府機関などで重要なデータの保護に使われています。

応用情報技術者試験 令和2年秋 午前問44

応用情報技術者令和2年秋期問44 TPMに該当するものはどれか

コメント

タイトルとURLをコピーしました