【中学生でもわかるIT用語】ステガノグラフィとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『サ行』の用語

ステガノグラフィ

① 物語性を取り入れた説明

ユキは、授業で「ステガノグラフィー」という言葉を耳にしましたが、何のことかよくわかりませんでした。授業後、ユキは先生に質問しました。

「先生、ステガノグラフィーって何ですか?」

先生は笑顔で答えました。「良い質問だね、ユキ。ステガノグラフィーは、情報を隠す技術のことだよ。たとえば、君が友達に秘密のメッセージを送りたいとき、メッセージをそのまま送るのは危ないよね?誰かに読まれるかもしれない。でも、絵や写真の中にメッセージを隠して送れば、見た目ではわからないだろう?」

「じゃあ、普通の絵や写真にメッセージを隠すんですか?すごい!」ユキは興味を持ちました。

「そうなんだ。たとえば、写真のピクセルの色を少しだけ変えて、その中にメッセージを埋め込むことができるんだよ。見た目には何も変わらないけど、特定の方法でそのメッセージを読み取ることができるんだ。このように、ステガノグラフィーでは、目に見える情報の中に見えない情報を隠すことができるんだよ。」

「そんなことができるんですね。でも、暗号とどう違うんですか?」

先生はうなずいて、さらに説明を続けました。「良い質問だね、ユキ。情報の秘密を守る方法には、主に2つあるんだ。一つは情報暗号化技術、もう一つは情報隠蔽技術だよ。暗号化は、情報の内容をわからないように変換する技術で、解読しないと内容がわからなくなる。でも、ステガノグラフィーみたいな情報隠蔽技術は、情報の存在そのものを隠してしまうんだ。つまり、メッセージがあること自体がわからないようにデータに埋め込む技術なんだよ。」

「なるほど、つまり情報がどこに隠されているかもわからないから、誰にも見つけられないということですね。」

「その通り!ステガノグラフィーは、データの中に小さな目印を紛れ込ませて、受信者だけがその情報の存在と内容を知ることができるんだ。第三者にはまるでただの画像や音声データに見えるんだよ。」

「すごいですね!それなら誰にも見つからないですね。」とユキは納得しました。

ステガノグラフィーの定義

ステガノグラフィー(Steganography)」とは、メッセージやデータを、画像や音声などの他のデータに隠す技術です。情報そのものが隠されているため、第三者には気づかれないという特徴があります。

 

② 実際の事例

ステガノグラフィーは、企業や自治体でも機密情報を安全にやり取りするために使われています。たとえば、ある大手企業では、社内での機密文書のやり取りをより安全にするため、画像ファイルに情報を埋め込んで送信しています。この方法では、仮に画像ファイルが盗まれたとしても、内容を知られることはありません。なぜなら、普通の画像データとして見えるだけで、そこに機密情報が隠されていることに気づかれにくいからです。

さらに、近年では、サイバー攻撃の手法としてもステガノグラフィーが利用されることがあります。攻撃者が無害な画像や音声ファイルに悪意のあるコードを隠し、それを送信することで、受け手が気づかないうちにシステムに侵入されるというケースです。これに対抗するために、企業はセキュリティ対策として、ステガノグラフィーの痕跡を見つけ出す技術を導入しています。

このように、ステガノグラフィーは情報の安全な伝達や、時にはサイバーセキュリティの脅威として、企業や自治体で利用されている技術です。


③ クイズや小テスト

クイズ1 ステガノグラフィーとは何をする技術ですか?

A. メッセージを暗号化して隠す技術
B. 画像や音声ファイルにメッセージを隠す技術
C. データを圧縮して保存する技術

クイズ2 ステガノグラフィーを使うとどんなことが可能になりますか?

A. ファイルのサイズを小さくする
B. 画像や音声に隠してデータをやり取りする
C. データを消去する

クイズ3 ステガノグラフィーを悪用したサイバー攻撃の例はどれですか?

A. 画像ファイルに悪意のあるコードを隠して送信する
B. メールを暗号化して送信する
C. ウェブサイトのURLを改ざんする


回答
  1. 正解:B
  2. 正解:B
  3. 正解:A

応用情報技術者試験

応用情報技術者平成24年春期問44 ステガノグラフィ|応用情報技術者試験.com (ap-siken.com)

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