【中学生でもわかるIT用語】教師なし学習とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『カ行』の用語

教師なし学習

① 物語性を取り入れた説明: 教師なし学習

「先生、前回は教師あり学習について教えてくれましたが『教師なし学習』って何ですか?」

「良い質問だね、アイ。教師なし学習は、データにラベルが付いていない状態で学習する方法なんだ。例えば、アイが学校のクラスメイトに新しい友達を紹介したいとしよう。でも、まだその友達のことをよく知らないよね?だから、まず友達が好きなことや趣味を聞いて、似た趣味を持っているグループを探し出してあげる。」

「なるほど!ラベルって、その人がどういうタイプか分かる目印みたいなものですね。でも教師なし学習だと、そのラベルがないってことですか?」

「そうなんだ。教師あり学習では、猫の写真には『猫』、犬の写真には『犬』といったようにラベルが付いていて、これを基にコンピュータが学習するんだけど、教師なし学習はこのラベルがない。だから、コンピュータはラベルがないままでデータを見ながら『これは似ている』『これは違う』という具合に、共通点やパターンを探すんだよ。」

「じゃあ、例えばコンピュータがたくさんの写真から似ているもの同士をまとめるってことですか?」

「その通り!これをクラスタリングといって、似ているものをグループに分ける方法なんだ。クラスタリングでは、コンピュータが自動的に写真を見て、似た特徴を持つものをまとめるんだ。例えば、花の写真を何百枚も読み込ませると、花の種類ごとにグループを作ることができるんだよ。」

「でも、それだけで何が分かるんですか?」

「それが良い質問だね!教師なし学習は、物の分類だけじゃなくて、データの中に潜む特徴を発見するのに役立つんだ。たとえば、お店の売上データから、特定の商品がよく一緒に買われる組み合わせを見つけたり、お客様がどういった行動パターンを持っているかを把握したりするのに使われているよ。」

「なるほど!お店でどの商品がよく一緒に買われるかを知ることで、売上が上がる工夫ができるんですね。」

「そうだね。他にも、次元削減といって、たくさんのデータの中から本当に重要な部分だけを抽出して、データをわかりやすくしたり、分析を効率化するために使われたりするよ。」

具体的な手法

「教師なし学習って、単に分類するだけじゃなくて、色んなところで役に立っているんですね!具体的にはどのような手法があるのですか?」

 

「いい質問だね、アイ。教師なし学習の代表的な手法に、k-means法ウォード法があるんだよ。これらはクラスタリングと呼ばれる方法の一種で、データを似たもの同士でグループ分けするのに使われるんだ。」

「それぞれ、どんな違いがあるんですか?」

「まず、k-means法は、あらかじめ分けたいグループ数を設定して、その数に応じてデータをグループに分けていく方法なんだ。データを『重心』から近い順に集めていくから、きれいな形でグループ分けができるんだよ。たとえば、スーパーで顧客を『常連』『新規』『季節ごとの来店者』の3グループに分けたいときに、k-means法を使えば、お客さんの行動パターンごとにグループ分けできるんだ。」

「なるほど。重心から近いデータをまとめていくんですね。」

「そうだね。そしてもう一つのウォード法は、データ同士の距離が近いものから順にグループを作っていく方法なんだ。最初は全てのデータが1つずつ独立したグループなんだけど、似たデータ同士をどんどん合体させていって、最後には大きなグループにまとめられる。データを段階的にグループにしていくので、結果としてグループ間の違いがはっきりするんだよ。」

「つまり、k-means法はあらかじめ分けたいグループ数を決めるけど、ウォード法はデータを段階的にまとめていく方法なんですね!」

「その通り。こういった手法を使うことで、教師なし学習は色んなデータの共通点を見つけ出し、役立てることができるんだよ。」


実際のIT用語の定義

教師なし学習とは、ラベルのないデータからパターンや特徴を見つける機械学習の一種で、クラスタリングや次元削減といった手法が含まれます。クラスタリングは、似たデータをグループ化する方法で、例えば画像データをカテゴリ別に分類します。次元削減は、多くのデータから重要な特徴を抽出する手法で、データの圧縮や視覚化に役立ちます。
用語説明
教師なし学習ラベルなしのデータからパターンや特徴を見つけ出す機械学習の手法
クラスタリング似たデータをグループ化することで、データの構造を理解するために使われる
次元削減データの中から重要な特徴を抽出し、データをわかりやすく圧縮または可視化する
k-means法あらかじめ決めたグループ数に従って、データを重心から近い順にグループ分けするクラスタリング手法
ウォード法データ同士の距離が近いものから順にグループ化し、段階的に合体させていくクラスタリング手法

② 実際の事例: 教師なし学習の使用例

企業での使用例
教師なし学習は、小売業の顧客分析で幅広く使われています。

たとえば、あるスーパーでは、顧客の購入履歴をクラスタリングすることで、よく一緒に買われる商品を特定します。これにより、商品を近くに陳列することで顧客の利便性を高め、売上を増やす工夫ができます。また、オンラインショップでは、ユーザーの行動パターンを分析し、興味のある商品をレコメンドする仕組みも教師なし学習で実現されています。

ニュースでの話題例
教師なし学習は、近年、医療分野でも注目されています。

例えば、患者の診断データをクラスタリングすることで、特定の病気に共通するパターンを見つけ、早期発見や予防に役立てています。特に、新しい病気や診断基準が不確かな病気に対しては、教師なし学習を用いてデータの中に潜む特徴を明らかにし、治療方針の策定に役立てられています。こうしたAIの医療現場への応用は、患者の負担軽減と医療の質向上に大きく貢献しています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 教師なし学習で行われる「クラスタリング」とは何ですか?

  • A. データをラベル付けする
  • B. 似たデータをグループ化する
  • C. データを削除する

クイズ2 次元削減の目的は何ですか?

  • A. データを分散させる
  • B. 重要な特徴を抽出し、データを簡潔にする
  • C. データをすべてコピーする

クイズ3 教師なし学習が主に利用される分野は次のうちどれですか?

  • A. 商品の売上分析や顧客行動分析
  • B. 完全にランダムなデータの生成
  • C. コンピュータウイルスの作成

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