【中学生でもわかるIT用語】k-means法とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『J・K』から始まる用語

k-means法

① 物語性を取り入れた説明: 「k-means法」

中学生のマコトは、学校の授業で「k-means法」について興味を持ち、先生に聞きに行きました。

「先生、k-means法って何ですか?」

「良い質問だね、マコト。k-means法は、機械学習の教師なし学習のアルゴリズムの一つで、たくさんのデータを似たもの同士でグループに分けるクラスタリング(分類)手法なんだ。例えば、マコトが好きな動物を種類別に分けるとしよう。猫と犬、鳥などがあるとするけど、それを『どのグループにするか』を決めるのがk-means法なんだ。」

「なるほど、だけど何を基準にグループを分けるんですか?」

「それはね、重心と呼ばれるポイントを基準にするんだ。まず、分けたいグループの数kを決めるよ。例えば3つのグループに分けたいとしたら、最初にランダムに3つの点を置く。そして各データを、この重心に一番近いところにまとめていくんだ。」

「ふむふむ。図解してみて頂けますか。」

「よし。まずステップ1。グループ数kをk=3、つまり3つに分けたいとしてランダムに3つの点を置く図だよ。」

「なるほど。赤、青、緑の3つの✕ですね。」

「そう。そして、次に各データを3つのうち近いところにまとめていくんだ。分かりやすく色を付けるよ。」

「なるほど。最初に置いた✕を中心として3グループに分かれるんですね。」

「そのとおり。そして3つのグループの中心を計算してみたところが新しい重心になるんだ。」

「なるほどー。計算すると新しい重心に移動するんですね。あれ?でも移動したことによってもっと近い点ができたような・・・。」

「そう。いいことに気が付いたね。丸が付いたところは重心が移動したことによって青よりも緑のほうがわずかに近くなった。そのため緑のグループに変わるんだ。画面を少し大きくして確認しよう。」

「おお、なるほど。そうすると新しいグループ内ではまた重心が上に移動するんですか?」

 

「そのとおり!重心を基準に一回グループ分けした後は、グループごとに新しい重心を計算するんだ。そして再度データを一番近い重心のグループに割り当てていく。これを繰り返していくと、最終的にグループが安定するんだよ。」

「なるほど! そうやってグループが繰り返しでグループがはっきりしてくるんですね!実際にはどんなところでk-means法が使われているんですか?」

「いい質問だね。たとえば、配送ルートの最適化顧客セグメンテーションにも使われているよ。配送ルートの最適化では、配送先を距離や配送頻度に基づいていくつかのルートにグループ分けすることで、効率的に荷物を届ける方法を見つけるんだ。」

「それって、配送車が効率的に動けるようにするために役立つんですね!」

「そうそう。顧客セグメンテーションでは、あるネットショップが顧客の購買履歴を元に、似た行動をとる顧客を『頻繁に買い物をする』『季節ごとに買い物をする』などのグループに分けることができる。これによって、それぞれのグループに合わせたマーケティング施策を立てられるんだ。」

「面白いですね!じゃあ、同じ手法でお客さんも分けられるんですね!」

「その通り!データを整理して活用するために、k-means法は色々な分野で活躍しているんだよ。」

「すごいですね!他に似た手法ってありますか?」

「似た方法に階層クラスタリングがあるよ。k-means法は最初に分けるグループ数を決めるけど、階層クラスタリングでは順番にグループを作っていく方法で、最終的に全体を分類する。目的やデータの性質によって使い分けられるんだ。」


実際のIT用語の定義

k-means法とは、あらかじめ設定したグループ数に従って、データを重心からの距離が近い順にグループ分けするクラスタリング手法です。各データが最も近い重心に割り当てられ、繰り返し計算を行いながらグループの安定化を図ります。分類の前にグループ数を設定する必要があり、データの傾向に応じて分類が柔軟に行えます。

用語説明
k-means法あらかじめ決めたグループ数に従って、データを重心から近い順にグループ分けするクラスタリング手法
階層クラスタリングデータのグループ数を指定せず、段階的に似たデータをグループ化して全体を分類する手法

② 実際の事例: k-means法の使用例

企業での使用例
多くの企業がマーケティングの顧客セグメント分析にk-means法を使用しています。

たとえば、あるネットショップが顧客の購買履歴を分析し、顧客を「頻繁に買い物をする」「季節ごとに買い物をする」「一度に多くの商品を購入する」などのセグメントに分類したいと考えた場合、k-means法を使うと似た行動をとる顧客をグループ化できます。これにより、各グループに適したマーケティング施策を立てることができ、効果的な販促活動が可能になります。

ニュースでの話題例
k-means法は、医療分野でも応用されています。

たとえば、患者データを元に、似た症状や治療履歴を持つ患者をグループ分けすることで、特定の病気の進行状況や治療効果のパターンを分析できます。この手法により、患者ごとの治療方法の最適化や、病気の予防に役立つ情報の発見が可能になります。医療現場でのデータ分析により、患者に合った治療を提供できるよう支援しています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 k-means法の目的は何ですか?

A. データをランダムに分割する

B. あらかじめ決めたグループ数に基づいてデータを分類する

C. データを削除する

クイズ2 k-means法で重心の位置を決定するためには何が必要ですか?

A. グループごとのデータの平均を計算する

B. ランダムなデータを選ぶ

C. 全てのデータを1つにまとめる

クイズ3 k-means法と異なり、データのグループ数を指定しないクラスタリング手法は何ですか?

A. 階層クラスタリング

B. バイアス

C. バケット法


回答

クイズ1: B. あらかじめ決めたグループ数に基づいてデータを分類する
解説:k-means法は、あらかじめ決めたグループ数に従ってデータをグループ化します。

クイズ2: A. グループごとのデータの平均を計算する
解説:重心の位置は、各グループのデータの平均から計算されます。

クイズ3: A. 階層クラスタリング
解説:階層クラスタリングは、データのグループ数を指定せず段階的に分類していく手法です。

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