【中学生でもわかるIT用語】RASISとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『R』から始まる用語

RASIS(ラシス)

① 物語性を取り入れた説明

中学生のユウタは、学校の情報技術の授業で「RASIS」という言葉を初めて聞きました。彼はもっと詳しく知りたいと思い、放課後にIT企業で働く叔父のタカシに尋ねることにしました。

ユウタ: 「おじさん、今日は『RASIS』っていう言葉を授業で聞いたんだけど、これって何?」

タカシ: 「ユウタ、RASISは情報システムの品質を評価するための5つの指標を表しているんだ。Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(完全性)、Security(安全性)の頭文字を取ってRASISと言うんだよ。」

ユウタ: 「ふーん、でもそれぞれ具体的にどういう意味なの?」

タカシ: 「例えば、Reliability(信頼性)はシステムが故障しないかどうかを表すんだ。たとえば、君がゲームをしているときに突然止まってしまったら困るよね。システムが安定して動くことが重要なんだ。」

ユウタ: 「そうだね。次はAvailability(可用性)って何?」

タカシ: 「これは、システムがどれだけの時間使えるかを示すんだ。例えば、学校のオンライン授業のシステムが常に使える状態でなければ、授業が進まないよね。システムがちゃんと動いていることが大事なんだ。」

ユウタ: 「なるほど。じゃあ、Serviceability(保守性)は?」

タカシ: 「これは、システムの問題をどれだけ早く修復できるかを示すんだ。例えば、自転車が壊れたときにすぐ直せる方がいいよね。システムも同じで、問題が起きたときに早く直せることが重要なんだ。」

ユウタ: 「次はIntegrity(完全性)って?」

タカシ: 「これは、データが正確で改ざんされないことを示すんだ。例えば、テストの点数が誰かに書き換えられたら大問題だよね。データが正確であることが大切なんだ。」

ユウタ: 「最後はSecurity(安全性)?」

タカシ: 「その通り。これは、システムが不正アクセスや攻撃から守られているかどうかを示すんだ。例えば、君のメールアカウントが誰かにハッキングされたら困るよね。システムを安全に保つことが重要なんだ。」

ユウタ: 「なるほど。RASISって、システムの品質を保つために大切なことなんだね。」

タカシ: 「その通り。RASISはシステムを設計・運用する上で重要な指標だから、しっかり覚えておくといいよ。」

RASISの定義: RASISとは、情報システムの品質を評価するための指標で、Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(完全性)、Security(安全性)の5つの要素から構成されます。

RASISの指標一覧

指標 説明 代表的な指標
Reliability(信頼性) システムが安定して稼働し続ける能力 MTBF(平均故障間隔)
Availability(可用性) システムが利用可能である時間の割合 稼働率、ダウンタイム
Serviceability(保守性) システムの問題を迅速に修復する能力 MTTR(平均修復時間)
Integrity(完全性) データが正確で改ざんされていない状態 データ整合性チェック
Security(安全性) システムが不正アクセスや攻撃から保護されている状態 認証、暗号化



② 実際の事例

企業や自治体での使用例

企業: ある大手金融機関では、RASISの指標を用いて情報システムの品質を評価・改善しています。

  • Reliability(信頼性): システムの稼働率を高めるために、高品質なハードウェアと冗長化されたシステム構成を採用。
  • Availability(可用性): 24時間365日の運用体制を整え、システムのダウンタイムを最小限に抑える。
  • Serviceability(保守性): 障害発生時の迅速な対応を可能にするため、定期的な訓練と明確な手順書を用意。
  • Integrity(完全性): データの整合性を保つために、厳格なアクセス管理と監査ログの導入。
  • Security(安全性): サイバー攻撃からシステムを守るために、最新のセキュリティソリューションと定期的なセキュリティ診断を実施。

これにより、顧客の信頼を確保し、サービスの安定供給を実現しています。

自治体: ある大都市の自治体では、RASISの指標を活用して、住民サービスの向上に努めています。

  • Reliability(信頼性): 市民サービスシステムの稼働率を高めるために、冗長化されたインフラを採用。
  • Availability(可用性): 住民がいつでもアクセスできるように、オンラインサービスの運用体制を整備。
  • Serviceability(保守性): 障害対応の迅速化を図るため、技術スタッフの定期的な訓練とマニュアルの整備。
  • Integrity(完全性): 市民データの正確性を保つため、データベースの整合性チェックとバックアップ体制を強化。
  • Security(安全性): 個人情報を保護するために、強固なセキュリティ対策を導入し、定期的なセキュリティ監査を実施。

これにより、住民サービスの質を高め、信頼性のある行政運営を実現しています。

③ クイズや小テスト

クイズ1 RASISの指標に含まれないものはどれですか?

A. Reliability(信頼性)
B. Availability(可用性)
C. Scalability(拡張性)

クイズ2 Integrity(完全性)の説明として正しいものはどれですか?

A. システムの稼働時間を示す
B. データの正確性と改ざん防止を示す
C. システムの保守のしやすさを示す

クイズ3 Serviceability(保守性)の重要性は何ですか?

A. システムの稼働率を高めるため
B. データのセキュリティを向上させるため
C. 問題が発生したときに迅速に修復できるため

回答

クイズ1: C. Scalability(拡張性)
クイズ2: B. データの正確性と改ざん防止を示す
クイズ3: C. 問題が発生したときに迅速に修復できる

応用情報技術者試験 H22春 午前問14

応用情報技術者平成22年春期問14 RASIS

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