【中学生でもわかるIT用語】セキュアイレースとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『サ行』の用語

① 物語性を取り入れた説明: 「セキュアイレース」

高校生のケイコは、部屋のパソコンで大切なファイルを削除した後、本当にそのデータが消えたかどうか不安になっていました。

「先生、この前、パソコンでいらないファイルを削除したんですけど、本当に消えたかどうか心配なんです。普通にゴミ箱に入れて削除しただけじゃ、誰かに見られちゃうかもしれないんですよね?」とケイコが心配そうに先生に相談しました。

先生はうなずきながら答えました。「その不安、よくわかるよ。実は、普通の方法でファイルを削除しただけでは、完全に消えたわけじゃないんだ。ゴミ箱に捨てたファイルは、インデックスだけが消去されて、実際のデータはまだハードディスクに残っているんだよ。つまり、特別なソフトを使えば、簡単にそのデータを復元することができるんだ」

「ええ!?じゃあ、削除したデータは誰かに見られる可能性があるってことですか?」と驚いたケイコ。

「その通り。だから重要なデータや個人情報を消すときには、セキュアイレースが必要なんだ。セキュアイレースでは、ファイルが保存されている部分を何度も上書きして、復元できないようにするんだ。たとえば、データの領域に01を何度も書き込んで、元の情報を完全に消去するんだよ」

「そんなことができるんですね!でも、どうやってそのセキュアイレースをやるんですか?」

先生は笑顔で言いました。「安心して、ケイコ。簡単にできるソフトがあるんだよ。僕がオススメするのは『完璧・データ消去 3』というソフトだ。このソフトなら、右クリックして『焼却炉』ボタンを押すだけでデータを完全に削除できるんだ。操作も簡単だから、心配性なケイコでも安心して使えるよ」

「へえ、そんなに簡単なんですか?」とケイコは少し安心したように言いました。

「そうだよ。それに、このソフトにはスケジュール消去機能もあって、定期的にデータを自動で消去できるから、忘れてしまっても大丈夫だ。さらに、USBメモリのデータも削除できるんだ。だから、いらないデータが溜まっても心配する必要はないよ」

「それなら、パソコンを使うたびにデータが心配になることもなさそうですね」とケイコは少し安心した様子で答えました。

そこで、ケイコがさらに質問しました。「でも、データクレンジングとか、磁気消去とも違うんですか? どっちを使うのがいいんですか?」

先生はうなずきながら説明を続けました。「データクレンジングは、データの中から誤りや重複を取り除いて、正しいデータを残すための方法なんだ。だから、データを完全に消す目的ではなくて、データを整理したりクリーンアップするために使われる技術なんだよ。だから、データクレンジングは、削除したり消去したりすることとは違うんだ」

「なるほど。じゃあ、データクレンジングは、データを消すんじゃなくて、きれいに整えるだけなんですね」

「その通り。一方、磁気消去というのは、ハードディスクに強力な磁場をかけてデータを一気に消す方法だよ。磁気を使ってハードディスク上のデータを無力化するから、データが完全に読めなくなる。ただし、磁気消去はハードディスクを物理的に破壊するようなものだから、再利用できなくなるんだ」

「へえ、磁気消去って、ハードディスクそのものを使えなくしちゃうんですね。じゃあ、セキュアイレースのほうが、デバイスを再利用できるけどデータは安全に消せるってことなんですね」

「そうだね。セキュアイレースはデバイスを使い続けながらも、データを確実に消す方法だから、ハードディスクやSSDを廃棄せずに安全にデータを消去したいときに便利なんだ」


セキュアイレース (Secure Erase) とは、コンピュータのハードディスクやSSD内のデータを復元不可能にするための方法です。データを保存している部分を何度も上書きすることで、元の情報を完全に消去します。これにより、復元ソフトを使ってもデータを読み取れなくなります。

② 実際の事例: セキュアイレースの使用例

セキュアイレースは、個人情報や機密情報の漏洩を防ぐために、企業や自治体で広く使われています。例えば、大手IT企業では、古いパソコンやサーバーを廃棄する前に、すべてのストレージデバイスに対してセキュアイレースを行います。これにより、重要なデータが第三者に流出するリスクを防ぎます。

また、自治体では、住民の個人情報を扱うため、古いコンピュータや外部メディアの廃棄前にセキュアイレースを実施しています。過去には、セキュアイレースが適切に行われていなかったため、廃棄されたハードディスクから個人情報が漏洩する事件が報告されたことがありました。これ以降、自治体や企業は、セキュアなデータ消去が徹底されています。

さらに、クラウドサービスを提供する企業でも、サーバーのメンテナンスや廃棄時にはセキュアイレースを活用し、クライアントのデータが漏れないようにしています。データ保護法に従い、こうした対策は必須となっています。

➂ クイズや小テスト

クイズ1

セキュアイレースの目的は何ですか?

A. ハードディスクの容量を増やす
B. データを復元できなくする
C. データの圧縮率を上げる

クイズ2

通常のファイル削除後に残るデータは何ですか?

A. インデックス
B. 完全に消去される
C. データそのもの

クイズ3

セキュアイレースと磁気消去の主な違いは?

A. セキュアイレースはデータだけを消去し、磁気消去はハードディスク全体を破壊する
B. セキュアイレースはハードディスク全体を破壊する
C. 磁気消去はデバイスを再利用できる

⑤ 回答

  1. B – セキュアイレースの目的は、データを復元できなくすることです。
  2. C – 通常の削除ではデータそのものが残り、インデックスが消えるだけです。
  3. A – セキュアイレースはデータだけを消去し、磁気消去はハードディスク全体を破壊します。

 

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