【中学生でもわかるIT用語】RAIDとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『R』から始まる用語

RAID

物語性を取り入れた説明:RAID:データ保護の技術

太郎は新しいロボットのおもちゃを手に入れました。このロボットには、RAIDという特別な技術が搭載されていて、太郎が教えた情報を複数の記憶チップに保存することができますRAIDを使えば、データをより安全に保存したり、データの読み書きを速くすることができるんだよと、ロボットは太郎に説明しました。

RAID 0: ストライピング


まず、ロボットが説明したのは「RAID 0」です。RAID 0では、2つ以上のチップにデータを分散して保存します。たとえば、太郎がロボットに「りんご」と「みかん」の情報を保存させると、「りんご」は1つ目のチップに、「みかん」は2つ目のチップに保存されます。これにより、データの読み書きがとても速くなるのです。しかし、ロボットはこうも教えてくれました。「RAID 0はスピード重視だけど、1つのチップが壊れると、全部のデータが失われてしまうんだ。だから、注意が必要だよ。」

RAID 1: ミラーリング

次に、ロボットが説明したのは「RAID 1」です。RAID 1では、同じデータを2つのチップにまったく同じように保存します。たとえば、太郎が「バナナ」の情報をロボットに教えると、その情報は1つ目のチップと2つ目のチップの両方に保存されます。これにより、もし1つのチップが壊れてしまっても、もう1つのチップに同じデータが残っているので安心です。ロボットは「RAID 1は安全第一だよ!でも、保存できるデータの量は半分になるんだ。」と教えてくれました。

RAID 5: パリティ


次に、ロボットは「RAID 5」という賢い方法を紹介しました。RAID 5では、データと「パリティ」と呼ばれる情報を3つ以上のチップに分散して保存します。「パリティ」は、データを再構築するための特別な情報です。たとえば、3つのチップに「リンゴ」、「バナナ」、そして「パリティ」の情報を保存します。もし1つのチップが壊れても、残りの2つのチップからデータを再構築することができます。ロボットは「RAID 5は安全性と効率性を両立させた、とっても賢いモードだよ。」と自慢げに話しました。

RAID 6: 二重のパリティ


最後に、ロボットは「RAID 6」というさらに進化した方法を説明しました。RAID 6では、RAID 5と同じようにデータを複数のチップに分散して保存しますが、さらに「パリティ」を2つ保存します。これにより、2つのチップが同時に壊れても、残りのチップからデータを再構築することができます。ロボットは「RAID 6は最強の安全モードだよ!2つのチップが壊れても、データは守られるんだ。」と誇らしげに教えてくれました。

パリティとは: パリティは、データの整合性を確認したり、故障したディスクのデータを再構築するための特別な情報です。
具体的には、データのビットの合計が奇数か偶数かを確認することで、データの誤りを検出・修復します。(詳しくはこちらの記事で
RAID 5やRAID 6では、このパリティ情報を使用して、故障したディスクのデータを他のディスクから復元することができます。

② 実際の事例:

映像・音楽制作業界:

映像や音楽制作には大量のデータが必要です。RAID 0(ストライピング)を利用することで、データの読み書きの速度を向上させ、編集作業の効率を上げることができます。一方、RAID 1(ミラーリング)や RAID 5を利用することで、制作データのバックアップや障害からの復旧を迅速に行えるようにする。

金融業界:

銀行や証券会社などは、取引データや顧客情報を高速かつ安全に処理・保管する必要があります。RAID 10(ミラーリング+ストライピング)を採用することで、高速なデータアクセスと同時にデータの冗長性を確保し、障害発生時でも迅速にシステムを復旧できるようにする。

RAID 10 (RAID 1+0):

定義: RAID 10は、RAID 1のミラーリングとRAID 0のストライピングを組み合わせたものです。

・ミラーリング: 同じデータを2つのディスクに保存し、片方のディスクが故障した場合でもデータを失わない。

・ストライピング: データを複数のディスクに分散して保存し、データの読み書き速度を向上させる。

利点: データの冗長性と高速なアクセス速度を同時に提供する。

欠点: 使用するディスクの半分の容量しか利用できない。

 

オンラインサービス/クラウド業界:

クラウドサービスプロバイダーや大規模なオンラインショップは、膨大なユーザーデータや商品情報をリアルタイムに処理・保管する必要があります。

RAID 6やRAID 60のような高度なRAID構成を採用することで、データの可用性と冗長性を高め、一部のディスクが故障してもサービスの継続性を確保します。

RAID 60 (RAID 6+0):

定義: RAID 60は、RAID 6の二重冗長性とRAID 0のストライピングを組み合わせたものです。

・二重の冗長性: データとともに2つのパリティ情報を別々のディスクに保存することで、2枚のディスクが同時に故障してもデータを失わない。

・ストライピング: データを複数のディスクに分散して保存し、データの読み書き速度を向上させる。

利点: 2枚のディスクが同時に故障してもデータを保護し、高速なアクセスも実現する。

欠点: 必要なディスク数が多いため、コストが高くなる可能性がある。

これらの業界でのRAIDの利用は、データの高速アクセスと冗長性、セキュリティの向上という共通の要件を満たすためのものです。

③ クイズや小テスト:

クイズ1: RAIDの中で、データを複数のディスクに分散して保存し、データの読み書き速度を向上させる機能は何と呼ばれますか?

A. ミラーリング
B. パリティ
C. ストライピング

 

クイズ2: 2枚のディスクが同時に故障してもデータの復旧が可能なRAIDレベルはどれでしょうか?

A. RAID 0
B. RAID 1
C. RAID 6

 

クイズ3: RAID 10は、どの2つのRAIDレベルの組み合わせとして知られていますか?

A. RAID 1 + RAID 0
B. RAID 0 + RAID 5
C. RAID 5 + RAID 6

 

答え:

  1. C
  2. C
  3. A

 

応用情報技術者試験 平成22年春 問12 RAIDの種類

応用情報技術者平成22年春期問12 RAIDの種類
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