【中学生でもわかるIT用語】ACDとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『A』から始まる用語

ACD(Automatic Call Distributor:自動着信呼分配装置)

① ストーリー性を取り入れた説明(ACD)

コールセンター配属2週目のミカ。CTIの基本操作にも慣れてきた頃、今日の朝礼で課長が新しいキーワードを口にした。

課長:「今日はACD(Automatic Call Distributor)について説明しようか。CTIとセットでよく使われる仕組みだよ」

ミカ:「ACD?CTIのときみたいに、何かを“つなぐ”技術ですか?」

課長:「いい質問だね。ACDは、かかってきた電話を自動的に適切な担当者へ振り分ける仕組みなんだ。『誰が今空いているか』『どんな内容の電話か』を判断して、自動で最適な人につなげる」

ミカ:「まるで電話の交通整理ですね!」

課長:「そのとおり。たとえば、Aさんは商品説明が得意、Bさんはクレーム対応が上手、Cさんは英語対応担当。ACDは、こうした担当者のスキルや状況に合わせて最適に振り分けるんだ」

ミカ:「なるほど!CTIが“顧客情報を見せてくれる”なら、ACDは“誰が対応するか決めてくれる”んですね」

課長:「そうそう。ACDが電話をうまく割り振り、CTIがその人の情報を表示する。2つの技術が組み合わさることで、コールセンターはスムーズに回るんだ」


✅ CTIとACDの違い(まとめ)

項目CTIACD
略称Computer Telephony IntegrationAutomatic Call Distributor
主な役割電話とコンピュータを連携し、顧客情報を表示・制御電話を自動的に最適な担当者へ振り分け
目的顧客情報の活用による対応の質向上応答の効率化と待ち時間短縮
よく使われる場所コールセンター、営業部門コールセンター、窓口業務

ミカ:「ACDがあると、電話が混んでても順番に割り振られるんですね」

課長:「そうだよ。さらに、ACDは“誰が何件対応したか”という通話ログのデータ分析もできる。業務改善にも役立つんだ」

ミカ:「便利ですね!じゃあ、ACDがなかった頃はどうしてたんですか?」

課長:「昔は電話が鳴った人が出るだけ。得意不得意関係なく誰でも対応してた。でもACDのおかげで、お客様がより早く、適切な担当者につながるようになったんだ」

ミカ:「CTIとACD、どちらも“電話の裏で働くチームプレイヤー”ですね!」

課長:「まさにその通り。ミカさん、今日から君もACDのログを見ながら対応効率を意識してみようか」


〈ACDの定義〉
ACD(Automatic Call Distributor)とは、電話の着信を自動的に最適な担当者やグループに振り分けるシステム。オペレーターのスキル、待ち時間、問い合わせ内容などに基づいて、最も効率的な接続を行う。コールセンターや顧客対応部門の生産性向上に欠かせない仕組み。

② 実際の事例:企業でのACD活用例

ACDは、多くの企業のコールセンターで採用されている。

たとえば、ソフトバンク株式会社では「Genesys Cloud CX」を導入し、ACD機能で顧客の問い合わせを自動振り分け。オペレーターの負荷を平準化し、平均応答時間を短縮している。

また、日本航空(JAL)では、フライト予約や遅延対応など多様な問い合わせを、ACDによって部門ごとに自動ルーティング。AIと組み合わせた分析で、「どの時間帯にどのチームを増員すべきか」を可視化している。

③ ACDの理解をチェック!3択クイズ

クイズ1

ACDの主な役割はどれ?

A. 顧客情報を自動表示する
B. 電話を自動的に適切な担当者へ振り分ける
C. 通話内容を録音する


クイズ2

ACDとCTIの関係として正しいのはどれ?

A. ACDはCTIの一部機能であり、着信制御を担当する
B. CTIはACDの一部機能であり、振り分けを担当する
C. ACDとCTIは目的が異なるが、連携して動く


クイズ3

ACDの導入による効果として正しいのはどれ?

A. 顧客対応のスピードと公平性が向上する
B. 電話料金が下がる
C. メールの自動返信が可能になる


【答え】
クイズ1:B → ACDは電話を自動的に最適な担当者に振り分ける仕組み。
クイズ2:C → ACDは振り分け、CTIは情報連携。目的は違うが組み合わせて使うと強力。
クイズ3:A → ACDにより対応のスピードと公平性が改善され、顧客満足度が上がる。


ACDは、まるで“電話の司令塔”。
CTIが情報を見せ、ACDがつなぐ。二人三脚のチームワークで、今日もコールセンターは止まらず動いている。

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