AWS Application Migration Service
この記事でわかること
- AWS Application Migration Service(MGN)の基本的な意味
- MGNを使うことで何が嬉しいのか
- MGNと他のサービスとの違い
① ストーリー性を取り入れた説明
新規事業開発部のケンイチは、月末の報告会に向けて頭を抱えていました。旅行写真の管理システムが、アクセス数の増加で処理速度が遅くなっているからです。このままでは、せっかくの美しい写真がスムーズに表示されず、顧客満足度が低下するかもしれません。
さらに、システムの運用コストも増加傾向にあり、予算オーバーが心配されます。手作業でのサーバー移行も検討しましたが、時間と手間がかかり、報告会に間に合いそうにありません。
ケンイチは焦りを感じながら、課長に相談することにしました。「課長、写真管理システムのことでご相談があります。月末の報告会までに、何とか改善したいのですが…」
課長:
「なるほど、それは大変だな。AWS Application Migration Service(MGN)を検討してみるのはどうだ?
これなら、システムを停止せずに、クラウドへの移行をスムーズに進められるはずだ」
ケンイチ:
「AWS Application Migration Service…ですか?
それは一体何でしょうか?」
課長:
「MGNは、簡単に言うと、サーバーの中身を丸ごとAWSに引っ越しできるサービスだ」
ケンイチ:
「サーバーの引っ越し、ですか。
要するに、今あるサーバーをAWSにコピーするようなイメージでしょうか?」
課長:
「そうだな。ただし、ただコピーするだけじゃない。
MGNは、サーバーを停止せずに、リアルタイムでデータを移行できるんだ」
ケンイチ:
「サーバーを停止せずに、ですか?それはすごいですね!
でも、なぜサーバーを停止せずに移行する必要があるのでしょうか?」
課長:
「システムを停止すると、その間サービスが使えなくなるだろ?
サービスは24時間365日いつでも利用できるのが理想だ。
停止時間を最小限にすることで、顧客への影響を少なくできるんだ」
ケンイチ:
「なるほど…。
つまり、MGNを使うことで、サービスを止めずに移行できる、ということですね。
それって、いわゆるライブマイグレーションみたいなものですか?」
課長:
「いい質問だな。確かに考え方は近い。
ただしライブマイグレーションは“完全に停止ゼロ”で移動する技術なのに対して、MGNは最後の切り替えで少しだけ停止が発生する」
ケンイチ:
「なるほど…完全に止まらないわけではないんですね」
課長:
「そうだ。ただ、その停止時間は非常に短い。
だから実務では“ほぼ止めずに移行できる”サービスとして扱われているんだ。
それに、MGNは移行作業を自動化できるから、手作業によるミスも減らせる」
ケンイチ:
「自動化…ですか。それは助かります!
でも、MGNを使うと、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?」
課長:
「メリットはこれらだな。」
・時間とコストを削減
・システム停止を最小限に
・人的ミスを削減
ケンイチ:
「なるほど…。色々なメリットがあるんですね。
ところで課長、MGNを使う上で、何か注意点はありますか?」
課長:
「注意点としては、移行元のサーバー環境とAWSの環境が、MGNに対応している必要がある。
それと、移行するデータの量によっては、時間がかかる場合もある」
ケンイチ:
「移行元の環境とAWSの環境が対応している必要がある…確認が必要ですね。
MGNは、他の似たようなサービスと比べて、どんな点が違うのでしょうか?」
課長:
「他のサービスと比べて、MGNはエージェント型である点が特徴だ。
エージェントをインストールすることで、より詳細なデータ移行が可能になる」
ケンイチ:
「エージェント型…ですか。エージェントというのは、何でしょうか?」
課長:
「エージェントは、サーバーにインストールする小さなプログラムのことだ。
これがあることで、より細かい設定や監視ができるようになるんだ」
ケンイチ:
「なるほど、MGNはエージェントを使うことで、柔軟な移行ができるのですね。
ところで課長、MGNは具体的にどんな時に使うのが良いのでしょうか?」
課長:
「MGNは、大規模なシステムをクラウドに移行する際に特に役立つ。
例えば、オンプレミスのサーバーをAWSに移行したり、データセンターをAWSに移行したりする場合だな」
ケンイチ:
「オンプレミス…ですか?
すみません、オンプレミスについて教えていただけますでしょうか?」
課長:
「オンプレミスは、自社でサーバーやネットワーク機器を管理・運用する形態のことだ。
クラウドとは対照的に、自分たちで全てを管理するんだ。基本的な用語だから覚えておくんだぞ。」
よく間違えられやすい用語との違い
| 用語 | 目的 | 移行方法 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| AWS Application Migration Service (MGN) | サーバーのクラウド移行 | エージェントベースのリアルタイム移行 | 大規模システム、ダウンタイムを避けたい場合 |
| AWS Server Migration Service (SMS) | 仮想マシンのクラウド移行 | エージェントレスの増分レプリケーション | 小規模システム、VMware環境 |
| AWS DataSync | データ転送 | ネットワーク経由のデータ同期 | 大容量データの移動、バックアップ |
ケンイチ:
「ところで課長、ひとつ気になったのですが…
“Application Migration Service”なのに、なぜ“MGN”って呼ばれているんですか?
略すならAMSになりそうな気がするのですが…」
課長:
「いいところに気づいたな。
実はAWSではサービスごとに短い識別コードのような略称があってな、MGNは“Migration”を短くした呼び方なんだ」
ケンイチ:
「Migrationの略なんですか?ちょっと意外ですね」
課長:
「ITの世界では、単語の母音を抜いて短くすることがよくある。
Migrationなら“MGN”、Managementなら“MGMT”みたいにな。
それに“AMS”は別のAWSサービス(AWS Managed Services)で使われているから、区別する意味もあるんだ。」
ケンイチ:
「なるほど…!つまりMGNは、サーバーの引っ越し(Migration)に特化したサービスだから、
その名前が使われているんですね」
課長:
「その通り。現場でも“MGNで移行する”っていう言い方が普通に使われているぞ。
まずはMGNの導入に必要な設定を確認してみよう。
AWSのコンソールからMGNのサービスを開いて、移行元サーバーの情報を登録するんだ」
AWS Application Migration Serviceとは、サーバーを停止せずに、AWS環境へ移行するためのサービス
② 実際の事例
AWS Application Migration Serviceは、企業のクラウド移行プロジェクトの中で活用されています。
近鉄百貨店の事例
大容量のオンプレミスサーバーをAWSへ移行するプロジェクトを実施しました。AWS未経験の担当者を含む体制でありながら、約3か月という短期間で移行を完了しています。このような大規模かつ短期間の移行では、サーバーを停止せずに移行できる仕組みが重要であり、MGNのようなサービスが活用されています。
また、企業の基幹システムで多く使われているVMware環境からAWSへ移行するケースも増えています。AWS公式でも紹介されているように、仮想マシンをクラウドへ移行することで、スケーラビリティの向上や運用コストの削減を実現しています。このような移行では、既存環境を大きく変えずに移行できるMGNの特徴が活かされています。
このようにMGNは、「短期間で移行したい」「システムを止められない」といった企業の課題を解決する技術として、実際の移行プロジェクトの中で活用されています。
③ クイズや小テスト
クイズ1
AWS Application Migration Service(MGN)の主な目的はどれ?
A:サーバーのクラウド移行
B:データベースのバックアップ
C:ネットワークの監視
クイズ2
AWS Application Migration Service(MGN)のメリットとして正しくないのはどれ?
A:移行コストの削減
B:システム停止時間の最小化
C:物理サーバーの購入
クイズ3
AWS Application Migration Service(MGN)の移行方式で特徴的なのはどれ?
A:手動でのファイルコピー
B:エージェントベースのリアルタイム移行
C:データの暗号化
答え:
1-A:サーバーのクラウド移行(主な目的はクラウド移行)
2-C:物理サーバーの購入(購入は不要でコスト減)
3-B:エージェントベースのリアルタイム移行(停止時間を短縮)
解説:MGNは、サーバーをクラウドへ移行するサービスです。移行コスト削減やシステム停止時間の最小化に貢献します。エージェントを利用したリアルタイム移行が特徴です。




