【中学生でもわかるIT用語】ACID特性とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『A』から始まる用語

ACID特性

① 物語性を取り入れた説明

想像してみてください。ある小さな町に、信頼できる銀行があります。この銀行では、顧客の預金や引き出しを正確に処理することが最も重要です。この銀行の業務を、ACID特性というコンピュータの世界の原則に例えてみましょう。

  1. 原子性 (Atomicity): この銀行では、顧客が口座からお金を引き出す時、すべての手続きが完全に行われるか、まったく行われないかのどちらかです。例えば、ある顧客が1万円引き出すとき、その金額が完全に口座から引き出されるか、もしエラーが発生したら一切引き出されないかのどちらかです。
  2. 一貫性 (Consistency): 取引の前後で、銀行のデータ(顧客の口座残高など)は常に正しい状態を保ちます。顧客がお金を引き出すと、その額だけ口座の残高が減りますが、残高がマイナスになることはありません。
  3. 独立性 (Isolation): 複数の顧客が同時に取引をしていても、それぞれの取引は他の取引から独立しています。例えば、AさんとBさんが同時に異なる窓口で取引をしていても、Aさんの取引はBさんの取引に影響を与えません。
  4. 耐久性 (Durability): いったん取引が完了すると、その結果は永続的に記録されます。たとえば、顧客がお金を引き出した後、その記録は消えることはありません。

これらの原則は、銀行のような金融システムに限らず、多くのデータベースシステムで重要です。

実際のIT用語の定義:
ACID特性は、データベースのトランザクションが持つべき4つの特性を指します。これには、原子性(Atomicity)、一貫性(Consistency)、独立性(Isolation)、耐久性(Durability)が含まれます。これらは、データベースが正確かつ信頼性を保つために不可欠です。

② 実際の事例

ACID特性の事例として、金融機関やオンラインショッピング、航空券の予約システムなどがあります。

例えば、銀行が顧客の取引を処理する際、ACID特性を適用しています。顧客がATMでお金を引き出すとき、トランザクションは原子性を保ち、取引は完全に行われるか全く行われないかのどちらかです。また、一貫性を保ち、口座残高は常に正確です。独立性により、複数の顧客が同時に取引をしても、それぞれの取引は互いに影響しません。耐久性により、取引記録は永続的に保存されます。

オンラインショッピングでは、顧客が商品を購入する際、決済システムがACID特性を用いています。このシステムは、顧客の支払いが正確に処理され、在庫の情報が適切に更新されることを保証します。

航空券の予約システムもまた、ACID特性を適用しています。顧客がチケットを予約すると、その座席は他の顧客には提供されないように独立性が保たれ、取引が完了すると、その情報は耐久的に保存されます。

クイズ1 ACID特性の「原子性」は、トランザクションについてどのようなことを意味していますか?

A. トランザクションは分割不可能である
B. トランザクションは他のトランザクションから独立している
C. トランザクションは永続的に記録される

クイズ2 ACID特性の中で、データベースの内容が矛盾のない状態であることは?

A. 原子性
B. 一貫性
C. 耐久性

クイズ3 銀行の取引において、複数の取引が同時に行われても、それぞれの取引が他の取引に影響を与えない特性は何ですか?

A. 原子性
B. 一貫性
C. 独立性

回答
  • クイズ1の回答: A. トランザクションは分割不可能である
  • クイズ2の回答: B. 一貫性
  • クイズ3の回答: C. 独立性
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