レジリエンス
① ストーリー性を取り入れた説明:レジリエンスとは?
「うわっ!パソコン部のホームページが真っ白に!?」
放課後、ユイが慌てて先生を呼びに来た。
ユイ:「先生!誰かが部のホームページを壊したかもしれません!見られません!」
先生:「落ち着いてユイ。サーバがダウンしているだけかもしれないよ。でも大丈夫。バックアップをとっておいたからすぐに復旧できるよ」
ユイ:「バックアップがあると安心ですね…でも、そもそもこういうことって完全に防げないんですか?」
先生:「うん、災害やサイバー攻撃、電源障害など予期しないトラブルはどうしても起きてしまう。だからこそ大事なのがレジリエンスなんだ」
ユイ:「レジリエンス?」
先生:「レジリエンスは、簡単に言うと“トラブルから素早く立ち直る力”のことだよ。事故や障害が起きても、データを復旧したり、システムをすぐに切り替えたりして、できるだけ早く通常の状態に戻すのがポイントなんだ」
ユイ:「なるほど…たとえば私たちが定期的にバックアップをとってたのも、そのためだったんですね!」
先生:「そのとおり。さらに、自動で他のサーバに切り替える仕組みや、分散してデータを保存するクラウドも、レジリエンスを高める方法だよ」
ユイ:「じゃあ“レジリエンスが高いシステム”っていうのは、どんなトラブルが起きても止まらないってことですね!高い低いは数値で表せたり、格付けのようなものがあるのですか?」
先生:「鋭い質問だね。実はレジリエンスの強さを測る指標はいくつかあるんだよ。たとえば——」
| 指標名 | 内容 |
|---|---|
| MTTR(平均修復時間) | 障害が起きてから復旧するまでの平均時間。短いほど◎ |
| 可用性(Availability) | システムが稼働している時間の割合。99.99%などで表す |
| 耐障害性(Fault Tolerance) | 故障時にどれだけ機能が維持されるかを評価 |
先生:「こうした指標を組み合わせて、レジリエンスを可視化したり評価したりするんだよ。ITサービスの設計では、これらを踏まえて“何が起きても大丈夫”な設計を目指すことが多いんだ」
ユイ:「なるほど…!単に“強い”とか“安心”ってだけじゃなくて、数字や仕組みでちゃんと裏付けられてるんですね!」
先生:「そのとおり。災害に備える“防災マニュアル”と同じで、事前の準備と評価がとても大切なんだ。レジリエンスは、ただの気合じゃなくて、ちゃんとした技術と計画の積み重ねなんだよ」
レジリエンス(Resilience)とは、システムや組織が障害・災害・攻撃などのトラブルから迅速に回復し、通常通りの機能を継続できる力を指します。
「止まらないこと」よりも「止まってもすぐ復旧できる」ことが重視されます。
似た用語との違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| フォールトトレラント | 故障が発生しても機能が停止しない仕組み |
| レジリエンス | 障害などが起きた後、すぐに回復・復旧する仕組み |
| バックアップ | 障害に備えてデータを保存しておく行為 |
② 実際の事例:企業や自治体での活用
たとえば、みずほ銀行のシステム障害(2021年)では、顧客がATMを利用できない事態が何度も発生し、大きな社会問題になりました。この事例は「レジリエンスが不十分だった」例とされ、銀行のシステムの見直しが強く求められるきっかけとなりました。
一方で、大手クラウドサービス事業者(例:AWSやGoogle Cloud)は、世界中にデータセンターを持ち、1つのセンターがダウンしても別の拠点が代替するよう設計されています。この仕組みは「冗長化(じょうちょうか)」と呼ばれ、レジリエンスの高い仕組みの代表例です。
また、自治体や医療機関の電子カルテなども、災害時にデータが消失しないよう、クラウドへの定期バックアップや分散保存が進められています。
③ クイズや小テスト
クイズ1
レジリエンスとはどのような力を意味するでしょうか?
A 障害を起こさない力
B 障害から素早く立ち直る力
C 障害を自動的に予測する力
クイズ2
レジリエンスを高めるための仕組みはどれ?
A データをクラウドに分散保存する
B パソコンを毎日掃除する
C プログラムを全て暗号化する
クイズ3
次のうち、レジリエンスと似ているけど意味が違うものは?
A フォールトトレラント
B バックアップ
C ファイル圧縮
回答
クイズ1:B
→ 障害から素早く立ち直る力がレジリエンスです。
クイズ2:A
→ クラウドでの分散保存は、障害時の回復を早めます。
クイズ3:C
→ ファイル圧縮は保存容量を減らす技術で、レジリエンスとは直接関係しません。
応用情報技術者試験 令和5年秋 問74





