NISC
① 物語性を取り入れた説明
ある日の放課後、ユキは学校のコンピュータクラブでセキュリティに関する授業を受けていました。先生が「NISC」という言葉を黒板に書き、説明を始めました。ユキは見慣れない単語に少し戸惑いました。
「先生、NISCって何ですか？」とユキが質問しました。
先生は優しく答えました。「NISCは『内閣サイバーセキュリティセンター（National Center of Incident Readiness and Strategy for Cybersecurity）』の略称だよ。日本の政府がサイバーセキュリティ対策を進めるために設立した組織なんだ。」
「どうしてそんな組織が必要なんですか？」とユキは続けて質問しました。
「良い質問だね。最近、インターネットを使って情報を盗んだり、企業や政府のシステムに攻撃を仕掛けたりする事件が増えているんだ。例えば、大企業の機密情報がハッカーに盗まれたり、重要なインフラがサイバー攻撃によって止まってしまったりすることもあるんだよ。そういったサイバー攻撃から国全体を守るために、政府がしっかりした対策を講じる必要があるんだ。」
ユキは少し考えてから、「なるほど、それでみんなが安全にネットを使えるようにしているんですね！実際に逮捕に協力することもあるんですか？海外からの攻撃に対して犯人が分かった場合はどのように対処するのでしょうか？」とさらに質問しました。
先生は頷きながら答えました。「良い質問だね。NISCは、サイバー攻撃が発生した際に警察や他の関係機関と連携して、捜査をサポートすることもあるんだよ。例えば、国内の犯人が特定された場合は、警察が逮捕に動き出すことができるんだ。でも、海外からの攻撃の場合、犯人を特定しても逮捕はすぐにできないことが多いんだ。そこで、NISCは国際的なサイバーセキュリティ組織や他国のセキュリティ機関と連携して、犯人を追跡したり、必要な場合は外交ルートで対応を協力してもらったりするんだよ。」
「国際的に連携しているんですね！」とユキは驚いた様子で言いました。
「そうなんだ。サイバー攻撃は国境を越えて行われることが多いから、他国との協力がとても重要なんだ。NISCは、国際会議や情報共有の場を通じて、海外のセキュリティ組織とも連携を強めているんだよ。」と先生は説明しました。
NISCの定義
② 実際の事例
NISCは日本国内のさまざまな機関に対して重要な役割を果たしています。特に企業や自治体が直面するサイバーセキュリティのリスクを管理し、対応するための支援を行っています。
企業の例
例えば、ある大企業がサイバー攻撃の標的となった場合、攻撃者が企業の内部システムに不正アクセスし、機密情報や顧客データを盗む危険性があります。こうした事態を防ぐために、企業はNISCが提供するガイドラインや最新のサイバー脅威情報を参考にしてセキュリティ対策を強化します。NISCは企業に対して、システムの脆弱性を発見し、迅速に対応するための助言や支援を提供します。また、万が一攻撃が発生した場合には、対応チームを派遣し、事態の収拾を手伝います。
自治体の例
自治体でも同様に、住民の個人情報を守るためにNISCの指導を受けてサイバーセキュリティ対策を講じています。例えば、自治体が管理するシステムがサイバー攻撃を受けた場合、住民のデータが漏洩するリスクがあります。こうした事態に備えるため、自治体はNISCの提供するセキュリティガイドラインに従ってシステムの防御力を高め、適切な対応策を準備します。
また、NISCはサイバーセキュリティに関する教育や訓練プログラムも提供しており、自治体職員や企業のIT部門の従業員が最新のセキュリティ知識を身につけられるよう支援しています。このように、NISCは国家規模のセキュリティを守るだけでなく、企業や自治体が自らのセキュリティを強化するためのパートナーとしても重要な役割を果たしているのです。
③ クイズや小テスト
クイズ1 NISCの役割は何ですか？
A. サイバー攻撃に対して国全体のセキュリティ対策を行う
B. 国外のサイバー攻撃を推奨する
C. インターネットのアクセス制限を行う
クイズ2 NISCが提供している支援内容はどれですか？
A. 攻撃されたシステムのデータバックアップサービス
B. サイバーセキュリティに関するガイドラインや教育プログラムの提供
C. インターネット接続を禁止するサービス
クイズ3 企業がサイバー攻撃を受けた場合、NISCはどのような支援を提供しますか？
A. 企業を罰する
B. サイバー攻撃に対応するための助言や支援を提供する
C. 企業に新しいシステムを販売する
回答
- 正解：A
- 正解：B
- 正解：B
応用情報技術者試験平成30年秋 午前問36
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