【中学生でもわかるIT用語】マイクロサービスアーキテクチャとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『マ行』の用語

マイクロサービスアーキテクチャ

① 物語性を取り入れた説明: 「マイクロサービスアーキテクチャ」

IT企業で新入社員のリナは、プロジェクト会議で「マイクロサービスアーキテクチャ」という言葉を聞きましたが、何のことかよくわかりませんでした。そこで会議後に課長に質問しました。

「課長、マイクロサービスアーキテクチャって何ですか?少し難しくて…」

課長は笑顔で答えました。「簡単に言うと、ソフトウェアを小さなパーツに分けて作る方法だよ。たとえば、ゲームを考えてみて。モノリシックアーキテクチャだと、キャラクターの動きスコアの計算背景の表示など、すべての要素が一つのプログラムにまとめられているんだ」

リナは首をかしげて、「ちょ、ちょっと待ってください。モノリシックアーキテクチャって何ですか?」と尋ねました。

課長は頷いて説明を続けました。「良い質問だね、リナ。モノリシックアーキテクチャっていうのは、名前の通り、一枚岩(モノリス)のように、すべての機能が一つの大きなプログラムに集約されている構造のことなんだ。たとえば、ゲームで言うなら、キャラクター、アイテム、背景のすべてが一つの部屋に詰め込まれているイメージだよ」

「なるほど、一つの場所に全部詰め込まれているんですね。でも、それだと、部屋が混み合ってしまいそうですね」

「その通り!モノリシックアーキテクチャでは、少しの変更をするだけでも他の部分に影響を与えることが多いんだ。部屋が混み合っていて、どこに何があるか分かりにくくなりやすいんだよ」

「それに対して、マイクロサービスだとどうなるんですか?」

マイクロサービスでは、すべての要素がそれぞれ独立したパーツとして作られている。たとえば、ゲームなら、キャラクターの動きアイテム管理スコア計算がそれぞれ別々の部屋に分かれていて、管理がしやすくなるんだ」

「なるほど!それだと、部屋が分かれているから、一つの部屋で問題が起きても他の部屋には影響しないんですね」

「その通り!それに、もしスコア計算のパーツだけに負荷がかかっているなら、そのパーツだけを大きくして対応できる。これがマイクロサービスの強みの一つなんだ」

「確かに、それは便利ですね。じゃあ、それぞれのパーツはどうやって連携するんですか?」

「いい質問だね。パーツ同士はAPIという仕組みを使って通信し、お互いに必要なデータをやり取りするんだ。これで、独立して動いているパーツ同士が連携して、一つのシステムとして機能するようになるんだよ」

「なるほど、マイクロサービスは柔軟で便利な設計なんですね!最近、企業で採用されている理由がよくわかりました!」

「最後に念のためメリットとデメリットをまとめておくよ」

マイクロサービスアーキテクチャのメリットとデメリット

メリットデメリット
スケーラビリティ:負荷の高いパーツだけを拡張できる複雑な管理:多数のサービスを個別に管理する必要がある
迅速な開発・デプロイ:各パーツが独立して開発可能通信遅延:API通信が増え、レスポンス速度が低下する場合がある
可用性の向上:一部のパーツがダウンしても他のパーツは機能データ整合性の課題:分散されたサービス間で一貫性を保つのが難しい
技術選択の自由:各パーツごとに異なる技術を使用可能デバッグの困難さ:分散システムでは、トラブルシューティングが複雑になる
チームの独立性:チームごとに異なるパーツの開発が可能初期コストが高い:設計とインフラが複雑になるため導入コストが高い

マイクロサービスアーキテクチャとは、ソフトウェアを小さな独立したパーツ(サービス)として設計・開発する方法です。モノリシックアーキテクチャのように一枚岩の構造ではなく、各サービスが独立して動作するため、柔軟で故障に強い設計が可能です。


② 実際の事例: マイクロサービスアーキテクチャの使用例

大手のECサイトでは、マイクロサービスアーキテクチャを利用して、急増するアクセスにも対応しています。特に、セール時に多くのユーザーが同時にアクセスする際には、カート管理決済システムなど負荷が集中する部分だけを強化して運用することで、スムーズなパフォーマンスを維持できるようになっています。

また、自治体のオンラインサービスでも、住民情報管理税務処理などを個別のサービスとして分けて運用することで、システムの更新やメンテナンスがしやすくなり、トラブルが起きても影響を最小限に抑えることができています。


➂ クイズや小テスト

クイズ1

マイクロサービスアーキテクチャの特徴は何ですか?

A. 全機能が一つの大きなプログラムにまとめられている
B. 各機能が独立したパーツとして動作する
C. すべてのパーツが同時に停止する

クイズ2

マイクロサービスアーキテクチャが特に効果的なのはどんな場面ですか?

A. 小規模なアプリケーション
B. 負荷が集中する特定機能を強化したい場合
C. 単純な計算処理が中心のシステム

クイズ3

モノリシックアーキテクチャとマイクロサービスアーキテクチャの違いは何ですか?

A. すべてが一つのプログラムに集約されているか、独立したパーツかの違い
B. データの保存方法の違い
C. 表示される画面のデザインの違い


⑤ 回答

  1. B – マイクロサービスでは、各機能が独立したパーツとして動作します。
  2. B – 特定機能に負荷が集中した場合、その部分だけを強化できるため効果的です。
  3. A – モノリシックは一つの大きなプログラム、マイクロサービスは独立したパーツです。

 



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