ロジスティック回帰
① 物語性を取り入れた説明: 「ロジスティック回帰」
ある日、マーケティング部の新入社員ユウタが、課長に呼び出されました。
「ユウタ、最近うちのメールがスパムに分類されることがあるんだが、原因を探しているところでな。これを機械学習で解決したいんだ。」
「なるほど、それなら何か予測モデルを作るんですね。」
「そうだ。ただ、今回はロジスティック回帰という方法を使う。ユウタ、ロジスティック回帰について聞いたことはあるか?」
「はい、線形回帰なら知ってますが、ロジスティック回帰は初めてです。」
「よし、じゃあ説明しよう。線形回帰は連続的な数値を予測する手法で、例えば気温とアイスの売上の関係を予測する場合などに使われる。しかし、ロジスティック回帰は分類問題に適しているんだ。つまり、ある事象が発生するかどうか、例えばメールがスパムかどうかを0か1で判断するような場合に役立つ。」
「どうして0か1なんですか?」
「いい質問だ。ロジスティック回帰では、分類の結果を正例(+1)と負例(0)の2つの値で表すからだ。正例とは肯定的な結果、つまり予測したい事象が発生するケースを指す。たとえば、『スパムである』という場合だな。一方で、負例は否定的な結果で、『スパムでない』場合に当たる。」
「なるほど、それなら正例と負例を決めてしまえば分類できるんですね!」
「そう、だがそのためには閾値(しきいち)という基準が必要だ。例えば、あるメールがスパムである確率が70%だと算出されたとしよう。この時、閾値を0.7に設定すると、確率が0.7以上なら『スパムメール(+1)』、0.7未満なら『通常メール(0)』と判定するんだ。」
「確率の基準で分けるんですね。」
「その通り。この確率計算にはロジスティック回帰のシグモイド関数を使うんだ。シグモイド関数は、ある値を0から1の間に変換する特殊な曲線で、モデルは確率として結果を出すことができる。そして、閾値を基にして正例か負例かを判断するんだ。」
「なるほど。では、ロジスティック回帰と線形回帰の違いは、この分類ができるかどうかにあるんですね。」
「その通り。ロジスティック回帰は2つのカテゴリーに分ける分類問題に適していて、線形回帰は連続的な値を予測する場合に使うんだ。たとえば、スパム分類や、顧客が商品を購入するかどうかの予測など、2択の結果が求められる状況でよく使われるんだ。」
「勉強になります!ロジスティック回帰のイメージが掴めました。」
実際のIT用語の定義
用語 | 特徴 |
---|---|
ロジスティック回帰 | 分類問題に使用し、二択の結果を予測する |
線形回帰 | 連続値の予測に使用し、数値を予測する |
② 実際の事例: ロジスティック回帰の使用例
企業での使用例
ロジスティック回帰は、医療業界での患者の病気予測にも利用されています。例えば、ある病気にかかるリスクを予測する際、患者の年齢、性別、健康状態などのデータから病気にかかる可能性を算出し、その確率が一定値を超えた場合は「高リスク」として分類されます。このように、病気の早期発見や予防に役立てられています。
ニュースでの話題例
また、マーケティング分野でも、ロジスティック回帰は顧客の行動予測に使われています。たとえば、ある商品を顧客が購入するかどうかを、過去の購買履歴やアクセス履歴をもとに予測することで、適切な広告配信を行い効果的なマーケティングを実現します。特にオンラインショッピングでは、顧客が商品を購入する確率が高い場合に割引クーポンを提供するなど、顧客に応じた戦略を立てるために活用されています。
③ クイズや小テスト
クイズ1
ロジスティック回帰はどのような問題に適していますか?
- A. 気温による売上の予測
- B. 顧客の購入するかどうかの判断
- C. 将来の株価予測
クイズ2
ロジスティック回帰で使用される関数はどれですか?
- A. 二次関数
- B. シグモイド関数
- C. 線形関数
クイズ3
ロジスティック回帰はどのような結果を出す際に使われますか?
- A. 連続的な数値の予測
- B. 2つのカテゴリーに分ける分類
- C. 無限の数値範囲の予測
回答
クイズ1: B. 顧客の購入するかどうかの判断
解説:ロジスティック回帰は、二択の結果を分類するために使用されます。
クイズ2: B. シグモイド関数
解説:シグモイド関数は確率を0から1の間に変換するために使用されます。
クイズ3: B. 2つのカテゴリーに分ける分類
解説:ロジスティック回帰は分類問題に適し、2つのカテゴリにデータを分ける際に使用されます。