BABOK
① ストーリー性を取り入れた説明:
新入社員のミナは、配属されたITコンサルティング部門で初めてのプロジェクトに参加。会議の後、課長からこう声をかけられました。
課長:「ミナさん、この資料の作成にはBABOKの知識が必要だから、まず読んでみてくれる?」
ミナ:「ばぼく…ですか?何の略なんでしょう?」
課長:「いい質問だ。BABOKは“Business Analysis Body of Knowledge(ビジネスアナリシス知識体系ガイド)”の略なんだ」
ミナは首をかしげます。
ミナ:「“知識体系ガイド”って、マニュアルみたいなものですか?」
課長:「単なるマニュアルじゃなくて、“ビジネス分析”という分野全体の地図みたいなものだ。特にITや業務改革の現場で、何を作るべきか、なぜ作るべきかを明確にするための方法や手順がまとめられている」
課長は、ホワイトボードに6つの枠を書き始めました。
BABOKの6つの知識エリア
| 知識エリア | 主な内容 |
|---|---|
| ① 計画とモニタリング | プロジェクトの分析計画や進捗管理の方法を決める |
| ② 引き出しと協働 | 関係者から情報を集め、協力しながら要件を固める |
| ③ 要求のライフサイクル管理 | 要求や要件の優先順位・変更管理を行う |
| ④ 戦略分析 | 現状分析・課題発見・将来像の策定 |
| ⑤ 要求分析と設計定義 | 要件を整理し、解決策の設計に落とし込む |
| ⑥ ソリューション評価 | 提案した解決策の効果を評価し改善案を出す |
ミナ:「つまりBABOKは、作業の順番ややることをはっきりさせる、プロジェクトの地図みたいなものですね」
課長:「その通り。あと似たような用語でPMBOKやITILがある。
間違えやすい用語との違い
| 用語 | 正式名称 | 主な目的 | BABOKとの違い |
|---|---|---|---|
| BABOK | Business Analysis Body of Knowledge | 課題発見から要件定義、解決策設計までの分析手法 | 何を作るべきかを明確化する |
| PMBOK | Project Management Body of Knowledge | プロジェクト全体の管理手法 | 決まったものをどう進めるかを管理する |
| ITIL | Information Technology Infrastructure Library | ITサービス運用のベストプラクティス | システムの運用・保守段階の管理に特化 |
ミナ:「なるほど…BABOKは作る前、PMBOKは作る最中ですね!」
課長:「いいまとめだ。ちなみに国際資格CBAP(Certified Business Analysis Professional)の試験範囲にもなっているから、覚えておくとキャリアにも役立つよ」
BABOK v2とv3の違い(要求の分類方法)
ミナ:「課長、ネットで調べたら“ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求、移行要求”っていう4分類が出てきたんですけど、これって今も使われているんですか?」
課長:「それはBABOK v2までの分け方だよ。今の最新版v3では、要求は固定的な4分類じゃなく、ライフサイクルで管理する考え方に変わっているんだ」
📊 BABOK v2とv3の比較
| バージョン | 要求の整理方法 | 特徴 | 現場での扱い |
|---|---|---|---|
| v2(旧) | 4分類(ビジネス要求・ステークホルダー要求・ソリューション要求・移行要求) | 階層的に上から下へ分解していく整理方法 | わかりやすいため教育や社内説明で今も使われることがある |
| v3(現行) | 「要求のライフサイクル管理」に統合(ステータス・トレーサビリティ・優先度などで管理) | 固定分類ではなく、要件の状態や関係性を柔軟に管理 | 国際資格試験(CBAP/CCBA)や公式手順ではこちらを採用 |
課長:「v3では、“この要件は誰のため?” “今の状態は承認済みか、作成中か?”といった動的な管理を重視しているんだ」
ミナ:「じゃあ、勉強するならv3の考え方を覚えて、v2の4分類は“歴史的な整理方法”として理解しておくといいですね」
課長:「その通り。試験や国際的な現場はv3基準、でも社内教育や概念説明には4分類もまだ役立つんだ」
💡 覚え方のポイント
試験対策・国際標準 → v3の「ライフサイクル管理」
現場の会話・初学者への説明 → v2の4分類も知っておくと便利
■ IT用語としての「BABOK」の定義
② 実際の事例:BABOKの活用例
◆NTTデータ:共通言語としてのBABOK導入
NTTデータでは、プロジェクトの上流工程におけるビジネスアナリシスの共通言語化を目的に、BABOKを研究・活用しています。特に、異なる部門間や専門性の異なるステークホルダー間で、認識合わせを円滑にするためにBABOKを基盤とした手法やツールを構築中です techceed-inc.com+13nttdata.com+13note.com+13。
◆野村総合研究所(NRI):ガイドライン整備への活用
NRIは、システム上流工程を強化するため、自社の実践的ガイドラインの整備にBABOKを参考に活用する計画を進めています。プロジェクトに必要なタスクを確認したり、自社独自の方法論を再構築する際の材料としてBABOKを活用しています nri.com。
③ クイズや小テスト
クイズ1
BABOKの正式名称として正しいものは?
A. Business Analysis Book of Knowledge
B. Business Analysis Body of Knowledge
C. Business Administration Base of Knowledge
クイズ2
BABOKとPMBOKの主な違いは?
A. BABOKは分析寄り、PMBOKは管理寄り
B. BABOKは運用管理寄り、PMBOKは要件定義寄り
C. BABOKは海外専用、PMBOKは日本専用
クイズ3
BABOKの知識エリアに含まれるものはどれ?
A. ソリューション評価
B. プログラミング言語設計
C. サーバー構築手順
④ 回答と解説
クイズ1:B
→BABOKは“Business Analysis Body of Knowledge”の略です。クイズ2:A
→BABOKは要件定義や分析、PMBOKはスケジュールやコスト管理を含むプロジェクト全体管理。クイズ3:A
→ソリューション評価はBABOKの6つの知識エリアの1つです。



