【中学生でもわかるIT用語】ルーティングテーブルとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ラ行』の用語

ルーティングテーブル

① 物語性を取り入れた説明

舞台:中学校の教室
放課後、ユウコが先生に質問しました。
「先生、ルーティングテーブルって何ですか?スタティックルーティングの話で出てきたけど、よくわからなくて。」

先生は微笑んで、教室のホワイトボードに大きな表を書き始めました。
ルーティングテーブルは、簡単に言えば、ネットワーク機器の中にある道案内表みたいなものだよ。データがどの経路を通って目的地に向かうか、そのルールを書き留めたものなんだ。」

「具体的にはどういうことですか?」ユウコが首をかしげます。

先生は地図を広げて説明を続けます。
「たとえば、ここがあなたの家だとして、学校や図書館に行くルートを考えてみよう。ルーティングテーブルには、家から学校までの道や家から図書館までの道が書かれていると考えればいい。そして、地図を見て、どの道を使うか決めるように、ルータもこのテーブルを見てデータをどこに送るかを判断するんだよ。」

ユウコがさらに尋ねました。
「じゃあ、ルーティングテーブルにはどんな情報が書かれているんですか?」

先生はテーブルの例を黒板に書きながら答えました。

「いい質問だね。ルーティングテーブルには、主に以下の4つの情報が含まれているよ:

1.宛先ネットワーク:データをどこに送るか。
2.サブネットマスク:宛先ネットワークの範囲を定義する。
https://ken-enjoybusiness.com/variable-length-subnet-mask/
3.ネクストホップ:次にどのルータやネットワーク機器に送るか。
4.メトリック:どの経路が効率的かを表す値。通信相手までのパス(経路)の距離を示す。

この情報をもとに、ルータはデータを最適な経路で送り出すんだ。」

ユウコ:「なるほど!ルータにとっての地図みたいなものなんですね!」

先生:「その通り。じゃあ、実際にルーティングテーブルを使ってデータがどうやって進むのか、もう少し具体的な例を見てみようか。」

先生は黒板に以下のルートを書きます。

宛先ネットワークサブネットマスクネクストホップメトリック
学校255.255.255.0道A(バス停経由)10
学校255.255.255.0道B(公園経由)20
学校255.255.255.0道C(商店街経由)15

先生:「ここでデータの宛先が学校だとしたら、どのルートを使うかな?」

ユウコ:「通信相手への距離であるメトリックが一番小さい道Aを選びます!」

先生:「正解!でも、もし道Aが使えない場合は?」

ユウコ:「そのときは次に小さい道Cを選ぶんですね!」

先生:「その通り。ルーティングテーブルには、こうして複数の選択肢が書かれているから、データが迷子にならずに済むんだ。」


最長一致(ロンゲストマッチ)とは?

ユウコ:「先生、最長一致(ロンゲストマッチ)検索というのも、このルーティングテーブルの話と関係しますか?」

先生:「大いに関係があるよ!最長一致は、宛先IPアドレスに一番詳しく合うルートを選ぶルールのことなんだ。たとえば、ルーティングテーブルに以下のようなエントリが登録されているとするね。」

宛先ネットワークサブネットマスクネクストホップメトリック
192.168.0.0/16255.255.0.0Aルート10
192.168.1.0/24255.255.255.0Bルート20
192.168.1.128/25255.255.255.128Cルート5

先生:「ここで、宛先IPアドレスが 192.168.1.130 の場合、ルータはどのルートを選ぶかを考えてみようか。」

ユウコ:「ルータはどうやってルートを選ぶんですか?」

先生:「ルータは最長一致(ロンゲストマッチ)検索というルールを使うんだ。これは、ルーティングテーブル内に宛先アドレスに合致するエントリが複数ある場合に、プレフィックス長が最も長いエントリを選ぶという方法なんだ。」

ユウコ:「プレフィックス長って何ですか?」

先生:「プレフィックス長は、サブネットマスクで表されるネットワーク部分のビット数のことだよ。たとえば、192.168.0.0/16 なら16ビット、192.168.1.0/24 なら24ビット、192.168.1.128/25 なら25ビットだ。プレフィックス長が長いほど、宛先に対する範囲が狭く、具体的になるんだ。

ユウコ:「プレフィックス長が長いほど、宛先に対する範囲が狭く、具体的?どういうことでしょうか?」

先生:「言葉だけだと難しいよね!具体例を使って説明しよう。たとえば、以下のルーティングテーブルを見てみよう。」

宛先ネットワークサブネットマスクネクストホップメトリック
192.168.0.0/16255.255.0.0Aルート10
192.168.1.0/24255.255.255.0Bルート20
192.168.1.128/25255.255.255.128Cルート5

先生:「それぞれのエントリが表している範囲はこうなる。」

  • 192.168.0.0/16 → 範囲:192.168.0.0192.168.255.255
  • 192.168.1.0/24 → 範囲:192.168.1.0192.168.1.255
  • 192.168.1.128/25 → 範囲:192.168.1.128192.168.1.255

先生:「プレフィックス長が長いほど、この範囲が狭くなるのがわかるかな?たとえば、/16 は広い範囲をカバーしているけど、/25 はその中のごく一部だけをカバーしているよね。」

ユウコ:「なるほど、つまり、192.168.1.130 のような宛先IPアドレスは、Cルートの 192.168.1.128/25 の範囲に一番具体的に含まれている、ということですね!」

先生:「その通り!だからルータはCルートを選ぶんだ。これが最長一致(ロンゲストマッチ)検索の考え方だよ。」


範囲が狭く、具体的になる理由

ユウコ:「どうして具体的な範囲を選ぶことが重要なんですか?」

先生:「もし広い範囲のルートを選ぶと、データが他の不要な部分にも送られる可能性があるんだ。一方、具体的な範囲を選べば、データを正確に目的地だけに届けることができる。この効率性がネットワークをスムーズに動かすポイントなんだよ。」

ユウコ:「なるほど!だから、プレフィックス長が長いエントリを選ぶのが大事なんですね。」

先生:「その通り!最長一致検索のおかげで、データが無駄なく目的地に届く仕組みが実現しているんだ。まとめるとこうなるよ。」

  • プレフィックス長が長いと、カバーする範囲が狭くなり、特定の宛先に対応しやすくなる。
  • 例:/16 → 広い範囲、/24 → 中くらいの範囲、/25 → 狭く具体的な範囲。
  • 最長一致(ロンゲストマッチ)検索では、プレフィックス長が最も長いルートを選び、データを正確かつ効率的に届ける。

ユウコ:「先生、わかりました!プレフィックス長が長いと、ルータが具体的な宛先に正確にデータを届けられる理由がよくわかりました。」

先生:「素晴らしい!これを理解すると、ネットワークの仕組みがもっと面白く見えてくるよ。」


実際の定義

ルーティングテーブルは、ネットワーク機器がデータの送信経路を決定するための情報をまとめた表です。宛先ネットワーク、次の通信先(ネクストホップ)、メトリック(経路の優先度)などが含まれており、最長一致検索を利用して最適なルートを選びます。

実際の事例

  • 企業ネットワーク管理:ルーティングテーブルを手動または動的に管理し、効率的なデータ転送を実現しています。
  • 災害対応ネットワーク:緊急時のデータ通信を最適化するため、事前に定めたルート情報を活用しています。
  • ISPの運用:インターネットプロバイダが膨大なルート情報を管理し、高速かつ正確なデータ転送を提供しています。

クイズや小テスト

クイズ1

ルーティングテーブルの役割は?
A. ネットワーク機器を修理するためのマニュアル
B. ネットワークのセキュリティ設定を保存する
C. データの送信経路を決定するための情報を提供する

クイズ2

ルーティングテーブルに記載される情報は?
A. 宛先ネットワークとネクストホップ
B. ネットワークのパスワード
C. データの内容

クイズ3

最長一致検索の目的は?
A. 一番早いルートを選ぶ
B. 一番詳しいルートを選ぶ
C. 一番短いルートを選ぶ


回答

クイズ1: C. データの送信経路を決定するための情報を提供する
解説:ルーティングテーブルは、データをどの経路で送るかを決める「道案内表」の役割を果たします。

クイズ2: A. 宛先ネットワークとネクストホップ
解説:ルーティングテーブルには、データの送り先と次に送るべき場所(ネクストホップ)が記載されています。

クイズ3: B. 一番詳しいルートを選ぶ
解説:最長一致検索では、プレフィックス長が最も長いルートが選ばれ、データを正確に目的地へ届けます。

 



タイトルとURLをコピーしました