【中学生でもわかるIT用語】データディクショナリとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『タ行』の用語

データディクショナリ

① 物語性を取り入れた説明

ある日、ユキは図書館で学校の宿題に取り組んでいました。データベースについての課題で「データディクショナリ」について調べることになったのですが、いまいち理解できていません。そこで、先生に質問してみることにしました。

「先生、データディクショナリってどういうものですか?辞書って言葉があるけど、本当に辞書みたいなものなんですか?」

先生は優しく答えました。「いい質問だね、ユキ。簡単に言うと、データディクショナリはデータベースの中で、データの構造や性質を説明するものなんだよ。実際の辞書が単語の意味や使い方を説明しているのと同じように、データディクショナリはデータベース内のデータがどう使われるかを説明しているんだ。」

「たとえばどういうことですか?」ユキは興味津々です。

「例えば、君が図書館の本を探すとき、どこに何の本があるのかを整理するために目録や分類表があるよね。それが、データディクショナリと似ているんだよ。データディクショナリには、どんなデータがデータベースに入っているか、そのデータの型や関係、使い方などがすべて整理されているんだ。」

「なるほど、データがどういうふうに使われているかのルールが書いてあるんですね。物理的には主記憶装置の中にデータディクショナリがあるのですか?」とユキはさらに質問します。

先生は頷きながら答えました。「良い質問だね。実際には、データディクショナリは主記憶装置ではなく、通常はデータベース管理システム(DBMS)の一部として、ディスクなどの補助記憶装置に保存されているんだ。データベースが動作している間、必要に応じてメモリに読み込まれて使われるんだよ。データディクショナリ自体は小さなデータではないし、常に全体が使われるわけではないからね。」

「そうなんですね!データディクショナリがデータベースの管理を助けているんですね。」ユキは理解が深まった様子で頷きました。

データディクショナリの定義

データディクショナリ」とは、データベース内のデータ構造、属性、制約、そしてデータ間の関係性などのメタデータを記録し、データの管理や利用をサポートするためのツールです

② 実際の事例

データディクショナリは、企業や自治体がデータベースを効果的に管理するために広く利用されています。例えば、企業が運営する顧客管理システムを考えてみましょう。このシステムには、顧客の名前、住所、購入履歴、メールアドレスなど、たくさんのデータが保存されています。これらのデータがどのように構造化され、保存されているかを統一的に管理するために、データディクショナリが必要になります。

例えば、顧客の名前は文字列として保存され、住所は特定のフォーマットに従って保存され、購入履歴は日付や金額と一緒に記録されます。このように、それぞれのデータがどのように扱われるべきかを定義し、管理するのがデータディクショナリの役割です。

さらに、データがどのように関連しているかも記録されます。例えば、購入履歴のデータが顧客データとどのように結びついているかを明確にすることで、システムは正しい情報を効率的に検索し、必要に応じてデータを更新できるようになります。

自治体でも同様に、住民情報システムで住民の個人情報や税務データを管理する際、データディクショナリは重要な役割を果たします。データの正確さや一貫性を保つために、データの形式や内容、制約条件を統一して管理し、異なるシステム間でデータをやり取りする際に問題が生じないようにします。

このように、データディクショナリは、企業や自治体がデータを正確かつ効率的に管理するために不可欠なツールとなっています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 データディクショナリの役割は何ですか?

A. データベース内のデータを保存する
B. データベース内のデータ構造や属性を管理する
C. データベースのバックアップを作成する

クイズ2 データディクショナリを使用することで得られる利点はどれですか?

A. データの検索が効率的になる
B. データの保存容量が増える
C. データの暗号化が強化される

クイズ3 自治体の住民情報管理システムにおけるデータディクショナリの利用例はどれですか?

A. 住民の個人データを重複して保存する
B. 住民のデータの構造やフォーマットを統一して管理する
C. 住民のデータを自動で削除する


回答

  1. 正解:B
  2. 正解:A
  3. 正解:B

応用情報技術者試験 平成30年春 午前問29

応用情報技術者平成30年春期問29 データディクショナリ

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