【中学生でもわかるIT用語】CSMA/CD方式とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『C』から始まる用語

CSMA/CD方式
(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)

① 物語性を取り入れた説明

アキラとユキは学校の図書室でインターネットが遅いと嘆いていました。

「なんでこんなにインターネットが遅いんだろう?」アキラが不満を口にしました。

「それはトラフィックが多いからかもしれないね。」ユキが答えました。

「トラフィックって何?」

「簡単に言うと、データがたくさん流れている状態を指すよ。でも、それを解決するための方法があるんだ。それがCSMA/CDっていうアクセス制御方式なんだ。」

「へえ、それってどういうこと?」

「CSMA/CDは、送信する前に“通信路が空いてるかな?”と確認するんだ。もし他の人がデータを送ってたら、ちょっと待ってから再度送信するようにするんだよ。」

「じゃあ、それがあればトラフィックをうまく管理できるってこと?」

「そう、ちなみにトークンパッシング方式というのもあるけど、それはまた別の話だよ。」

アキラとユキの会話は続きます。

アキラ: それで、CSMA/CDでは衝突が発生した場合はどうなるの?

ユキ: 良い質問だね。CSMA/CDでは、もしデータの送信中に別のデバイスも同時にデータを送ろうとして衝突が発生したら、「衝突検出」というプロセスが働くんだ。送信デバイスは衝突を検出して、少し時間を置いてから再送するんだよ。

アキラ: へえ、じゃあ、その間にインターネットが遅くなったりするの?

ユキ: そういうことになるね。でも、このCSMA/CDは衝突を検出して効率的に処理するから、ネットワークの混雑を減らす助けになるんだ。ただし、ネットワークが非常に混雑している場合は、衝突が多発して通信が遅くなることもあるよ。

アキラ: なるほど、だから図書室でのインターネットが遅いのは、トラフィックが多くて衝突が起きているからかもしれないんだね。

ユキ: その可能性は高いね。でも、この方式は全体的にはネットワークの効率を良くしてくれるから、普段はスムーズにデータを送受信できるんだ。

② 実際の事例

ある大学の研究室では、高度なシミュレーションを行うために多数のコンピュータが連結されていました。
しかし、特定の時間帯(通常は締め切りが近いときや試験期間中)になると、トラフィックが急増。データの衝突が頻発して、研究に支障を来す事態となっていました。

この問題に対処するために、研究室はCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)を導入することにしました。CSMA/CDを使用することで、各コンピュータはデータを送信する前に、通信路が利用可能かどうかを確認するようになりました。

これにより、データの衝突が大幅に減少しました。

また、アクセス制御方式としてはトークンパッシング方式も選択肢として考えられましたが、それは一つ一つのコンピュータが「順番待ち」をしなければならず、今回のような多くのコンピュータが高頻度でデータを送信する状況には不向きでした。そのため、CSMA/CDが選ばれたのです。

結果として、シミュレーション速度が向上し、研究の効率も大幅にアップ。研究者たちはこの変更に非常に満足しています。

➂クイズと小テスト

クイズ1 CSMA/CDの「CD」は何の略語ですか?

A) Collision Determination
B) Collision Defense
C) Collision Detection

クイズ2 トークンパッシング方式CSMA/CDの主な違いは何ですか?

A) トークンパッシング方式は衝突を許容するが、CSMA/CDは許容しない。
B) CSMA/CDはアクティブなトラフィック管理が必要で、トークンパッシング方式は不要。
C) トークンパッシング方式は制御トークンが必要で、CSMA/CDは不要。

クイズ3 高いトラフィックが発生している場合、アクセス制御方式のどの要素が最も影響を受ける可能性が高いですか?

A) 帯域幅
B) レイテンシ
C) セキュリティ

 

回答

  1. C) Collision Detection
  2. C) トークンパッシング方式は制御トークンが必要で、CSMA/CDは不要。
  3. A) 帯域幅

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