【中学生でもわかるIT用語】マルチクラウドとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『マ行』の用語

マルチクラウド

① ストーリー性を取り入れた説明:マルチクラウドとは?

放課後のパソコン部。 ユウキはクラウドの授業で「マルチクラウド」という言葉を聞いて、気になって先生に質問しました。

ユウキ:「先生、“マルチクラウド”って、何ですか?」

先生:「いい質問だね、ユウキ。マルチクラウドとは、1つの会社が複数のクラウドサービス(たとえばAmazonのAWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureなど)を使い分けることなんだ。」

ユウキ:「えっ、1つでよくないんですか? いろんな会社のサービスを使うのって、逆に面倒くさそう…」

先生:「たしかに、管理はちょっと複雑になることもあるけど、それ以上にメリットがあるんだよ。たとえば、1つのクラウドがトラブルで使えなくなっても、もう1つのクラウドでシステムを動かし続けることができる。」

ユウキ:「あ、それって“バックアップ”みたいな感じですか?」

先生:「うん、まさにそれ! この考え方は“冗長性”って呼ばれていて、同じ機能を複数用意しておくことで、サービスが止まらないようにする工夫なんだ。そして、その結果としてシステム全体の“可用性”が高くなる、つまり“いつでも使える”状態を保てるようになるんだよ。」

ユウキ:「なるほど! 企業がサービスを止めずに提供し続けるために、あえて複数使ってるんですね!」

先生:「その通り。特に大事なサービスを扱う企業では、1つのクラウドだけに依存するのはリスクが高いからね。」

ユウキ:「1社に頼りすぎず、いろんな選択肢をもっておくのって大事なんですね!クラウド同士もつながるようにするのですか?それともそれぞれのクラウドと個別にやり取りする形ですか?」

先生:「いい質問だね。どちらもあるけど、最近はクラウド同士をつなげて管理しやすくする“マルチクラウド管理ツール”も増えているよ。だから、一元管理ができるようにもなってきてるんだ。」

ユウキ:「じゃあ、複数クラウドを使いながらも、ちゃんと管理できるようになってるんですね!」

先生:「そういうこと。まさに、これからのクラウド時代を生きるための基本戦略とも言えるんだ。」


マルチクラウドの定義

マルチクラウドとは、1つの企業や組織が、複数の異なるクラウドサービス(たとえばAWS・Google Cloud・Microsoft Azureなど)を目的に応じて組み合わせて活用する運用形態のこと。冗長性や可用性を高めたり、サービスや価格の特性を活かして最適なインフラ構成を実現するために活用される。

② 実際の事例

企業の導入事例

  • Netflixは映像配信の信頼性を高めるため、複数のクラウドプロバイダを活用。
  • 日立製作所は国内外での生産拠点や開発環境に応じて異なるクラウドを利用。

自治体の例

  • 日本のある自治体では、防災情報の発信と行政データの管理にそれぞれ異なるクラウドを使い、災害時にも止まらない仕組みを構築。

近年のニュースでは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴い、オンプレミス(自社サーバー)からクラウドへの移行が加速し、さらにマルチクラウド戦略をとる企業が増えている。セキュリティ確保や運用の効率化のために、各クラウドに対応した統合管理ツールの導入も進んでいる。


③ クイズや小テスト

クイズ1:マルチクラウドとはどんな仕組み?

A. 複数のクラウドを同時に利用する構成
B. クラウドを使わないIT環境のこと
C. 1つのクラウドだけを使う構成

クイズ2:マルチクラウドの利点は?

A. 障害時のリスク分散や最適な性能の活用
B. 管理がとても簡単になる
C. 常に最新のスマホがもらえる

クイズ3:マルチクラウドの課題は?

A. 光回線の契約が必要なこと
B. サービス停止が多いこと
C. 管理が複雑になること

回答と解説
  • クイズ1の答え:A. 複数のクラウドを同時に利用する構成
    → マルチクラウドは異なるクラウドを目的に応じて組み合わせて使う構成です。
  • クイズ2の答え:A. 障害時のリスク分散や最適な性能の活用
    → クラウドごとの強みを活かせるのがメリットです。
  • クイズ3の答え:C. 管理が複雑になること
    → 管理が煩雑になるため、専門的な設計が必要です。

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