3層クライアントサーバシステム
① 物語性を取り入れた説明
ある日ハルキは、町のお菓子屋さんでクッキーを買うことにしました。お菓子屋さんには「注文受付係」「キッチン」「配送係」という3つの重要な役割がありました。
まず、ハルキが「注文受付係」に注文をします。「注文受付係」は、注文を聞いてキッチンに伝えます。次に、キッチンのパティシエが注文内容をもとに特別なクッキーを作り始めます。そして、最後に配送係ができあがったクッキーをハルキたちの元に届けます。
この仕組みは、まさに「3層クライアントサーバシステム」の仕組みと同じです。このシステムも「プレゼンテーション層」「ファンクション層」「データ層」という3つの層で成り立っています。
- プレゼンテーション層(注文受付係):
ユーザーが実際に操作する部分で、ユーザーインターフェース(GUI)を提供します。これは、ハルキが注文をするところです。Webブラウザやスマートフォンアプリがこの層にあたり、クライアント側に実装されます。 - ファンクション層(キッチン):
クライアントからのリクエストを受け取り、業務を実現するための処理(ビジネスロジック)を行います。これは、パティシエが注文を受けてクッキーを作る部分にあたります。サーバーがここで動いており、サーバー側に実装されます。 - データ層(配送係):
必要なデータを保存し、取り出す役割を担います。これは、配送係が完成したクッキーを受け取り、届ける部分です。データベースがこの役割を果たします。
このように、3層クライアントサーバシステムは、注文の受付、処理、そして配送という3つのステップを通して効率的にサービスを提供する仕組みなのです。
② 実際の事例
企業や自治体での使用例
企業: 例えば、大手のオンラインショッピングサイトでは、3層クライアントサーバシステムが活用されています。ユーザーがウェブサイトにアクセスして商品を検索・購入する際、以下のような流れになります。
- プレゼンテーション層: ユーザーが商品を検索する際のウェブブラウザやスマートフォンアプリがこの層です。ここでユーザーインターフェース(GUI)が表示され、ユーザーからのリクエストが送信されます。プレゼンテーション層はクライアント側に実装されています。
- ファンクション層: リクエストがサーバーに届き、商品情報の検索処理が行われます。この層では、在庫確認、価格計算、ユーザーのポイント適用などのビジネスロジックが実行されます。ファンクション層はサーバー側に実装されています。
- データ層: データベースには、商品情報、在庫情報、ユーザー情報などが保存されています。必要に応じて、これらのデータが取り出され、ファンクション層で処理されます。
自治体: 自治体の住民サービスシステムでも、このシステムが利用されています。住民がオンラインでサービスを申請する際に、以下のように機能します。
- プレゼンテーション層: 住民が申請フォームを記入するウェブポータルがこの層です。ここで申請情報が入力され、送信されます。プレゼンテーション層はクライアント側に実装されています。
- ファンクション層: 申請内容が自治体のサーバーに届き、担当者が内容を確認し、承認や処理を行います。この層では、承認フローの管理や自動通知などが行われます。ファンクション層はサーバー側に実装されています。
- データ層: 申請内容や住民情報はデータベースに保存されます。これにより、過去の申請履歴の参照や統計データの分析が可能になります。
このように、3層クライアントサーバシステムは、企業や自治体で多くの場面で活用されており、ユーザーに効率的で信頼性の高いサービスを提供しています。
③ クイズや小テスト
クイズ1 「3層クライアントサーバシステム」の中で、ユーザーが実際に操作する部分はどれですか?
A. プレゼンテーション層
B. ファンクション層
C. データ層
クイズ2 3層クライアントサーバシステムのファンクション層の主な役割は何ですか?
A. データの保存
B. ユーザーインターフェースの表示
C. ビジネスロジックの実行
クイズ3 オンラインショッピングサイトで、在庫情報を管理している層はどれですか?
A. プレゼンテーション層
B. ファンクション層
C. データ層
回答
クイズ1: A. プレゼンテーション層
クイズ2: C. ビジネスロジックの実行
クイズ3: C. データ層
応用情報技術者試験H28春 午前問12
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