【中学生でもわかるIT用語】GRANT文とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『G・H』から始まる用語

GRANT文

① 物語性を取り入れた説明

ユキは最近、データベースの授業で「GRANT文」という言葉を聞きましたが、具体的にどのようなものかよくわかりませんでした。授業後、ユキは先生に質問しました。

「先生、GRANT文って何ですか?」

先生はにっこり笑って答えました。「良い質問だね、ユキ。まず、英語のGRANTは『許可する』や『与える』という意味があるんだ。この言葉の通り、GRANT文はデータベースで『誰に、何の操作を許可するか』を決めるための命令文なんだよ。たとえば、ユキが学校のコンピュータを使っているとするよね。図書館で使えるソフトを、教室のコンピュータでも使いたいと思ったらどうする?」

ユキは少し考えて、「ソフトを使えるように、誰かに許可してもらわないといけませんね。」

「そうだね、データベースでも同じなんだ。データベースにアクセスしてデータを読み取ったり、編集したりするには、その権限を与える必要があるんだ。その権限を与えるために使うのがGRANT文なんだよ。」

「つまり、GRANT文はデータベースに対して、誰が何をできるかを許可する命令なんですね!」とユキは理解を深めました。

「その通り!たとえば、ユキがクラスメイトに、自分のノートを『読むだけ』許可するのか、それとも『書き込み』も許可するのかを決める感じだね。具体的には、データベースでは『GRANT SELECT ON データベース名 TO ユーザー名』というふうに書いて、特定のユーザーに読み取り(SELECT)の権限を与えることができるんだ。」

「じゃあ、データベースのデータを編集できないようにしておくとか、逆に編集もできるように許可することができるんですね!」とユキは驚きました。

「そうだよ。たとえば、読み取りだけ許可するならGRANT SELECT、データの変更を許可するならGRANT UPDATEGRANT DELETEといった具合に、操作に応じた権限を設定できるんだ。だから、データベース管理者は、誰にどんな操作を許可するか慎重に考えて設定する必要があるんだよ。」

GRANT文の定義

GRANT文」とは、データベースにおいて特定のユーザーに対して、読み取り(SELECT)、書き込み(INSERT)、更新(UPDATE)、削除(DELETE)などの操作を許可するために使われるSQL文です。

② 実際の事例

GRANT文は、企業や自治体でデータベースを安全かつ効率的に運用するために欠かせない機能です。企業では、社員が様々なデータベースを利用して業務を行っていますが、すべての社員がすべてのデータにアクセスできるわけではありません。アクセス権限は、その社員の職務や役割に応じて細かく管理されています。

たとえば、ある大手企業では営業部と経理部がそれぞれ異なるデータベースを管理しています。営業部の社員が販売データを見られるようにする一方で、経理部の社員はそのデータにアクセスできないように設定しています。このとき、GRANT文を使用して、営業部の社員には販売データベースに対するSELECT(読み取り)権限を与え、経理部の社員にはその権限を与えないようにしています。

さらに、特定の営業マネージャーには、販売データの編集権限も必要です。この場合、GRANT UPDATE(更新)の権限を付与することで、そのマネージャーがデータを修正したり追加したりできるようになります。これにより、社員がそれぞれの業務に必要な範囲でデータを使えるように調整されています。

また、自治体では、市民情報や納税データといった個人情報がデータベースに保存されています。このデータを適切に保護しつつ、職員が業務に必要な情報にアクセスできるように、GRANT文を使って細かく権限を設定します。たとえば、窓口業務を行う職員には、市民情報の参照のみを許可し、データの変更や削除は上級職員だけに限定することができます。

このように、GRANT文は、企業や自治体において、業務に応じたアクセス権限を設定するために欠かせないツールです。情報の保護と業務効率の両方を実現するために重要な役割を果たしています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 GRANT文の役割は何ですか?

A. データベースのバックアップを作成する
B. 特定のユーザーにアクセス権限を与える
C. データを圧縮して送信する

クイズ2 次のうち、GRANT文の使い方として正しいのはどれですか?

A. GRANT SELECT ON データベース名 TO ユーザー名
B. GRANT DELETE ALL TO ユーザー名
C. GRANT READ AND WRITE TO ALL

クイズ3 企業でGRANT文を使う理由として最も適切なものはどれですか?

A. すべての社員がすべてのデータを自由に編集できるようにするため
B. 必要な業務に応じて、適切なデータベースアクセス権限を設定するため
C. 社員全員がデータベースにアクセスできないようにするため


回答
  1. 正解:B
  2. 正解:A
  3. 正解:B

応用情報技術者試験 平成26年秋 問25

応用情報技術者平成26年秋期問25 GRANT文

コメント

タイトルとURLをコピーしました