【中学生でもわかるIT用語】フィジタルとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ハ行』の用語

フィジタル

① ストーリーでわかる「フィジタル(Phygital)」

放課後のパソコン部。ユウキは文化祭で使うアプリのアイデアを先生に相談していた。

ユウキ:「先生、この前ショッピングモールを歩いていたら、スマホに“このお店のクーポン”が出てきたんです!しかも地図上で“このお店で限定アイスあります”って表示されて、びっくりしました!」

先生:「それはまさに“フィジタル(Phygital)”の仕組みだね。」

ユウキ:「フィジタル? なんかフィジカルとデジタルを合わせたような言葉ですね。」

先生:「その通り。フィジカル(Physical:現実)デジタル(Digital)を組み合わせた造語で、現実の体験とデジタル技術を融合させる考え方なんだ。たとえば、現実の店舗でスマホを使って新しい体験ができるようにする、みたいなね。」

ユウキ:「じゃあ、スマホでクーポンが出るのも、現実のお店とデジタルのアプリがつながってるから“フィジタル”なんですね!」

先生:「その通り。最近では、デジタルサイネージ(電子看板)やスマートレジ顔認証決済などもフィジタルの一種だよ。リアルな体験をより便利で楽しくする仕組みなんだ。」


✅ フィジタルと似た用語の違い

用語概要フィジタルとの違い
O2O(Online to Offline)オンラインで集客し、店舗で購買を促す仕組み主に販売導線に注目。フィジタルは“体験の融合”が目的
AR(拡張現実)現実にデジタル情報を重ねる技術フィジタルを実現するための技術の1つ
DX(デジタルトランスフォーメーション)デジタルで業務やサービスを変革することフィジタルはDXの中でも特に“顧客体験”に焦点を当てる

ユウキ:「なるほど〜。じゃあ先生、メタバース空間での体験もフィジタルの一種なんですか?」

先生:「いい質問だね! メタバース自体は“完全にデジタルの世界”だから、厳密には“デジタル体験”なんだけど――」

ユウキ:「うんうん。」

先生:「でも、現実のイベントや商品と連動しているメタバース体験は“フィジタル”なんだ。たとえば、現実のライブ会場に行く人も、メタバースで同じライブを体験する人もいて、同じアーティストグッズを買えるようになっていたら、それは現実とデジタルがつながっている。つまり“フィジタル体験”になるんだ。」

ユウキ:「あっ、なるほど! 現実とバーチャルが同じテーマで連動していると、フィジタルなんですね!」

先生:「そう。だから最近では“フィジタル・メタバース”という言葉も出てきてる。例えば渋谷で開催されたイベント『バーチャル渋谷ハロウィンフェス』なんかも、現地とメタバースの両方で体験できる仕組みになっていたんだよ。」

ユウキ:「面白いですね。現実の街とメタバースがつながっているなんて、まるで世界が二重になってるみたい!」

先生:「そうだね。つまりフィジタルは“デジタルを現実に取り込む”だけじゃなく、“現実をデジタルに拡張する”という両方向の融合を意味するんだ。」

ユウキ:「わぁ、ますますワクワクしてきました! 文化祭のアプリでもフィジタルっぽい仕組みを作れたらいいな!」

先生:「いいね。たとえば来場者がスマホで校内マップを見て、展示に近づくと説明が出るとかね。それも立派な“フィジタル体験”だよ。」


〈フィジタルの定義〉
フィジタル(Phygital)とは、Physical(現実)とDigital(デジタル)を融合し、現実の体験をデジタル技術によって拡張・最適化する仕組みや考え方。AR・IoT・メタバースなどを活用し、リアルとバーチャルの境界をなくすことで、より豊かで一貫した顧客体験を実現する。

② 実際の事例:企業・自治体でのフィジタル活用

ユニクロでは、アプリと店舗を連携させた「MySize ASSIST(マイサイズアシスト)」を導入。
ユーザーが自分の体型データを入力すると、オンライン上で最適なサイズを提案してくれる仕組みです。
さらにアプリでは、店舗在庫の確認やオンライン注文・店舗受取が可能となっており、オンラインとリアル店舗をシームレスに結ぶフィジタル体験を実現しています。
(出典:ユニクロ公式 MySize Assist 特設ページユニクロ公式アプリページ

スターバックスでは、アプリで事前注文・決済を行い、店舗でスムーズに受け取れる「Mobile Order & Pay」を展開。
リアル店舗での待ち時間を減らし、デジタル技術で顧客満足度を向上させる代表的なフィジタル事例となっています。
(出典:Starbucks Japan公式サイト「モバイルオーダー&ペイ」

さらに、渋谷区とKDDIが共同開催した「バーチャル渋谷ハロウィンフェス」では、現地イベントとメタバース空間を同時開催。
現実と仮想空間を連動させる“フィジタル・メタバース”の成功例として注目を集めました。
(出典:KDDIニュースリリース「バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス」


③ フィジタルの理解をチェック!3択クイズ

クイズ1

フィジタルの語源として正しい組み合わせはどれ?

A. Physics + Digital
B. Physical + Digital
C. Photograph + Digital


クイズ2

フィジタルの目的として最も適切なのは?

A. デジタルで業務を自動化すること
B. 現実とデジタルを融合し、体験を豊かにすること
C. 現実の販売をすべてオンラインに移すこと


クイズ3

メタバースがフィジタルになるのはどんな場合?

A. 完全に仮想空間だけで完結する場合
B. 現実のイベントや商品と連動している場合
C. デジタル広告が多い場合


【答え】
クイズ1:B → フィジタルはPhysicalとDigitalを組み合わせた造語。
クイズ2:B → 現実とデジタルをつなぎ、体験を拡張するのが目的。
クイズ3:B → 現実とメタバースが連動しているとき、それはフィジタル体験になる。


フィジタルは、現実をデジタルで“もっと楽しく、もっと便利に”する考え方。
スマホを通して世界が広がる時代、あなたの毎日もすでにフィジタルの中にあるのかもしれません。

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