【中学生でもわかるIT用語】フィルターバブルとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ハ行』の用語

フィルターバブル

① 物語性を取り入れた説明: 「フィルターバブル」

中学生のリクは、スマホでニュースを見ていると、サッカーに関する記事ばかりが表示されることに気づき、不思議に思って先生に質問しました。

「先生、スマホでニュースを見てると、サッカーの話題ばかり出てくるんです。これってどうしてですか?」

「いい質問だね、リク。それは、リクが普段からサッカーの記事や動画をたくさん見ているから、スマホが『リクはサッカーが好きなんだ』と判断して、関連する情報を優先して表示しているんだ。このように、ユーザーの興味や関心に合わせて情報を自動的にフィルタリングする現象をフィルターバブルっていうんだ。」

「フィルターバブル?なんだか風船みたいですね。」

「そうだね。フィルターバブルは、あたかも透明な泡で包まれたように、関心のある情報だけが見える仕組みなんだ。泡の外側にはたくさんの情報があるんだけど、その一部だけがフィルタリングされて、見えなくなってしまうんだよ。」

「じゃあ、僕がサッカーの記事をよく見てると、それに関連する情報しか出てこなくなるってことですか?」

「その通り!リクが関心のある分野ばかりが表示されるので便利なんだけど、一方で、他の分野や違った意見に触れる機会が減ってしまうという問題もあるんだ。例えば、リクがサッカー以外のスポーツにも興味を持つきっかけがなくなるかもしれないね。」

「なるほど。自分の興味だけに囲まれるって便利だけど、なんだか怖いですね…」

「そうだね。これを回避するためには、自分から意識して異なるジャンルの記事を探してみるのも大切だよ。」

「じゃあ、似たような現象にエコーチェンバーっていう言葉も聞いたことがあるんですけど、それはどう違うんですか?」

「いい質問だね。エコーチェンバーは、リクが同じ趣味や考えを持つ人たちだけと話しているような状態を指すんだ。フィルターバブルが、インターネットの仕組みとして興味のある情報だけを見せる現象であるのに対して、エコーチェンバーは同じ考えを持つ人たちの中で意見が反響し、ますますその考えが強化される現象だよ。」

「じゃあ、フィルターバブルは『表示される情報が偏る』ことで、エコーチェンバーは『同じ意見の人たちとばかり話して、その意見が強まる』って感じですか?」

「その通り!どちらも便利な反面、異なる視点や多様な意見に触れる機会が減ってしまう可能性があるから、バランスを意識することが大切なんだ。」


実際のIT用語の定義

フィルターバブルとは、インターネット上でのユーザーの行動に基づき、興味や関心に合った情報だけが優先的に表示される現象を指します。これにより、異なる意見や広範な情報に触れる機会が制限されることがあります。

② 実際の事例: フィルターバブルの使用例

フィルターバブルは、YouTubeやInstagramなどのSNSや、ニュースサイトの推薦システムでよく見られます。

たとえば、YouTubeでは、ユーザーがよく視聴するジャンルの動画を優先的に表示するアルゴリズムを採用しており、フィルターバブルが発生します。これにより、ユーザーは自分の関心に合った動画をすぐに見つけられる一方で、異なる視点や新しいジャンルに触れる機会が少なくなってしまうこともあります。

また、ニュースアプリでも同様に、ユーザーの過去の閲覧履歴やクリック履歴を基に、関心のある記事が優先的に表示されるため、フィルターバブルが発生します。

これにより、ユーザーが特定の意見や視点ばかりに触れ、他の視点に気づきにくくなるリスクがあるとされています。特に、政治的な話題や社会的な問題については、このフィルターバブルによって偏った情報に触れるだけになる可能性があり、近年はその影響が問題視されています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 フィルターバブルとはどのような現象ですか?

A. 様々な分野の情報が均等に表示される
B. ユーザーの興味に合わせた情報だけが表示される
C. 全く関係のない情報が表示される

クイズ2 フィルターバブルのデメリットは何ですか?

A. 関連する情報が増える
B. 異なる視点や広範な情報に触れる機会が減る
C. 情報量が多すぎて混乱する

クイズ3 フィルターバブルとエコーチェンバーの違いは何ですか?

A. フィルターバブルはインターネットの仕組みで情報がフィルタリングされる現象、エコーチェンバーは同じ意見の人たちの中で意見が強まる現象
B. 両方とも同じ現象
C. フィルターバブルは表示情報が減ることで、エコーチェンバーは情報が増える現象


回答

クイズ1: B. ユーザーの興味に合わせた情報だけが表示される
解説:フィルターバブルは、ユーザーの興味や行動履歴に基づいて情報がフィルタリングされる現象です。

クイズ2: B. 異なる視点や広範な情報に触れる機会が減る
解説:フィルターバブルは、興味に合った情報だけが表示されるため、他の視点に触れる機会が減少します。

クイズ3: A. フィルターバブルはインターネットの仕組みで情報がフィルタリングされる現象、エコーチェンバーは同じ意見の人たちの中で意見が強まる現象
解説:フィルターバブルは情報のフィルタリング、エコーチェンバーは意見が反響し強化される現象を指します。

応用情報技術者試験 令和3年春 問73

応用情報技術者令和3年春期問73 フィルターバブルの記述はどれか

 

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