Docker
①Dockerとは?~アプリケーションを安全に運ぶコンテナのお話~
放課後のITクラブで、中学生のユウキが先生に質問しました。
「先生、『Docker』って何ですか?友達がすごく便利だって言ってたんですけど、僕にはよくわかりません…。」
先生は微笑みながら答えました。
「Dockerは、アプリケーションを安全に運ぶための『コンテナ型仮想化』という技術を使ったツールだよ。公式サイトはココだね」
「コンテナ型仮想化…?難しそうですね。」
「簡単に言うと、Dockerでは『コンテナ』という箱にアプリケーションとその動作に必要な環境を全部詰め込むんだ。これによって、どこでも同じように動くようになるんだよ。」
「どこでも動くんですか?例えば、僕のパソコンと学校のパソコンでも同じですか?」
「その通り。コンテナは、動かす環境を統一してくれるから、パソコンやクラウドでも同じ動作を再現できるんだ。」
先生は黒板に図を書きながら続けました。
「これをコンテナ型仮想化と呼ぶんだ。仮想化には他にも『仮想マシン(VM)』という方法があるけど、Dockerはもっと軽くて速いのが特徴だよ。」
項目 | Docker(コンテナ型仮想化) | 仮想マシン(VM) |
---|---|---|
動作の軽さ | 軽量で起動が速い | 重い、起動に時間がかかる |
リソースの利用 | 必要最小限のリソースで動作 | OSごと動かすためリソースを多く使う |
移動の簡単さ | コンテナ単位で簡単に移動可能 | 移動には手間がかかる |
「へえ、軽いんですね。でも、それって無料で使えるんですか?」
「いい質問だね。Dockerは基本的には無料プランがあって、誰でも利用できるんだ。でも、企業向けには有料のプランもあるよ。」
先生は黒板にDockerの料金プランをまとめました。
プラン | 料金 | 主な特徴 |
---|---|---|
Personal | 無料 | 個人利用者向け。無制限のプルリクエストや基本機能が使える。 |
Pro | 5ドル/月 | プロジェクト数無制限。追加ストレージや高度な分析が可能。 |
Team | 7ドル/月(1人あたり) | チームでのコラボレーション向け。ロール管理や監査機能付き。 |
Business | 21ドル/月(1人あたり) | 企業向け。セキュリティ機能や優先サポート付き。 |
「個人で使うなら無料で十分だけど、チームで開発する企業では有料プランが便利なんだよ。」
「じゃあ、大きな企業もDockerを使ってるんですね!」
「その通り。Dockerは世界中で使われていて、クラウドサービスやゲーム開発、研究機関などでも活躍しているよ。」
Dockerの定義
② 実際の事例:Dockerの使用例
- クラウドサービスの提供
AWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloudでは、アプリケーションをDockerのコンテナとしてデプロイし、高いスケーラビリティを実現しています。 - ゲーム開発
ゲーム会社ではDockerを使って開発環境を統一し、チーム全体の作業効率を向上させています。 - 教育分野と研究機関
学生が実験用のプログラムを作成するときにDockerを使うことで、環境構築の手間を省き、学習や研究に集中できる環境を提供しています。
③ クイズで確認しよう!
クイズ1 Dockerの主な役割は何でしょう?
A. アプリケーションを高速に実行するためのハードウェア
B. アプリケーションと環境をまとめて運ぶためのプラットフォーム
C. アプリケーションを削除するためのツール
クイズ2 Dockerが使う技術の名前は何でしょう?
A. 仮想ディスク技術
B. コンテナ型仮想化技術
C. バーチャルクラウド技術
クイズ3 Dockerの特徴として正しいものはどれでしょう?
A. 軽量で起動が速い
B. 仮想マシンよりリソースを多く使う
C. 環境を統一できない
④ 回答
クイズ1の答え B. アプリケーションと環境をまとめて運ぶためのプラットフォーム
(解説:Dockerはどの環境でもアプリを動かせるようにするツールです。)
クイズ2の答え B. コンテナ型仮想化技術
(解説:Dockerはコンテナを使った仮想化技術で動作します。)
クイズ3の答え A. 軽量で起動が速い
(解説:Dockerは仮想マシンより軽量で効率的です。)