【中学生でもわかるIT用語】符号化とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ハ行』の用語

符号化

① ストーリー性を取り入れた説明

放課後のパソコン教室で、ユウキが先生に質問しました。

「先生、符号化ってなんですか?なんだか難しそうな言葉ですね。」

先生は微笑みながら答えました。

「符号化は、データをコンピュータで扱えるように変換する技術のことだよ。たとえば、音声や画像をデジタルデータにするために使われるんだ。」

ユウキは首をかしげました。

「デジタルデータって0と1の組み合わせですよね?どうしてわざわざ別の形にするんですか?」

先生は黒板に例を書きながら説明を続けました。

「たとえば、手紙を送るとき、ハガキにそのまま書くより、封筒に入れたほうが安全だよね?符号化はその封筒みたいな役割を果たすんだ。データを圧縮したり、誤りが起きにくいように変換したりするんだよ。」

ユウキは納得した様子で言いました。

「なるほど!じゃあ符号化はデータを守ったり、効率よく送るための仕組みなんですね。」

先生はさらに続けました。

「そうだよ。たとえば音声データを扱う場合は、音を波の形で捉えて、一定間隔で高さを測るんだ。この作業は標本化と言うんだよ。次に、その高さを数値に変換するのが量子化だ。そして最後に、その数値を0と1に置き換えるのが符号化なんだ。」

ユウキは目を輝かせました。

「じゃあ、符号化はデータを0と1の形に整理する役割なんですね!」

先生はうなずきながら例題を出しました。

「じゃあ問題だよ。音声データを符号化して送る場合、どうして圧縮が必要だと思う?」

ユウキは少し考えて答えました。

「データが多すぎると、送るのに時間がかかるからですか?」

「正解!データが大きすぎると通信に時間がかかるし、保存スペースも必要になるから、符号化で圧縮するんだよ。」

ユウキはさらに疑問を投げかけました。

「でも圧縮したらデータが壊れたりしませんか?」

先生は笑顔で答えました。

「いい質問だね。実は符号化には可逆圧縮非可逆圧縮という2つの種類があるんだ。可逆圧縮は元のデータを完全に復元できる方式で、ZIPファイルやPNG画像がそれにあたる。一方、非可逆圧縮は少しデータを削って軽くする方式で、MP3やJPEGがこれに該当するよ。非可逆圧縮は少しデータが失われる代わりにもっと小さくできるんだよ。」

ユウキは驚いた表情を見せました。

「へえ!じゃあ音楽や動画は非可逆圧縮が多いんですか?」

「その通り!MP3やJPEGは非可逆圧縮の例なんだ。」

「すごい!日常生活でもたくさん使われているんですね!」

圧縮タイプ特徴
可逆圧縮データを元に戻せるZIP、PNG、FLAC
非可逆圧縮データの一部を削減して軽量化MP3、JPEG、H.264
圧縮技術の発展

先生はユウキに最新技術についても話し始めました。

「実は、最近の圧縮技術はますます進化しているんだよ。」

ユウキは興味津々で聞き返しました。

「どんな技術なんですか?」

「たとえば、AI圧縮技術はその一例だね。AIはデータの特徴を学習して、必要な情報だけを効率よく残すんだ。たとえば、動画の背景はあまり変わらないから、その部分を簡略化してデータを減らすんだよ。」

ユウキは驚いた様子で答えました。

「へえ!AIって圧縮にも使われるんですね!」

先生は続けます。

「それから、最近はAV1という新しい映像コーデックも注目されているよ。これまで使われていたH.264H.265よりもデータを小さくしながら、高画質を保つことができるんだ。」

ユウキはさらに質問しました。

「それって動画配信サービスとかで使われているんですか?」

「その通り!YouTubeやNetflixなどではすでに採用が進んでいるよ。データ通信量が減るから、スマホやタブレットでもスムーズに動画を見られるんだ。」

ユウキは満足そうにうなずきました。

「AIや最新技術が、映像や音楽をもっと快適に楽しめるようにしてくれているんですね!」

先生は微笑みながらまとめました。

「そうなんだ。符号化や圧縮技術は日々進化していて、これからのデジタル社会を支える大切な仕組みなんだよ。」


符号化の定義

符号化とは、データを別の形式に変換する処理のことを指します。データ圧縮や誤り訂正のために使われ、効率的で安全なデータの送受信や保存を実現します。符号化には、元に戻せる可逆圧縮と、データを小さくする代わりに一部情報を失う非可逆圧縮があります。

② 実際の事例

ストリーミングサービス

動画配信サービスでは、データを非可逆圧縮してストリーミング配信しています。これにより、通信負荷を減らしながら高画質な映像を提供できます。

音声通話アプリ

オンライン会議やチャットアプリでは、音声データを符号化して送信します。これにより、音声データの遅延を減らし、クリアな音質を実現しています。

ファイル転送サービス

クラウドストレージサービスでは、データを圧縮して保存し、転送時の速度を向上させています。安全性を高めるために符号化が使われています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 符号化の目的は何ですか?

A. データを別の形式に変換する

B. データを暗号化する

C. データを削除する

クイズ2 非可逆圧縮の例はどれですか?

A. ZIP

B. MP3

C. PNG

クイズ3 符号化が使われる場面はどれですか?

A. 動画配信や音声通話

B. 電源管理

C. テキスト編集


回答

クイズ1の答え A. データを別の形式に変換する
(解説:符号化はデータを効率よく扱うために別の形式に変換します。)

クイズ2の答え B. MP3
(解説:MP3は非可逆圧縮を使って音楽データを小さくしています。)

クイズ3の答え A. 動画配信や音声通話
(解説:符号化はデータ圧縮やエラー訂正に利用されます。)

応用情報技術者試験  平成29年秋 午前問3

応用情報技術者平成29年秋期問3 符号化後のビット列の長さの比

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