【中学生でもわかるIT用語】ベクトルデータベースとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ハ行』の用語

ベクトルデータベース

① ストーリー性を取り入れた説明:ベクトルデータベースとは?

放課後のパソコン部で、ユウキがAIの本を読みながら先生に質問をしました。

ユウキ:「先生、AIに関連して“ベクトルデータベース”って言葉を見たんですが、普通のデータベースとはどう違うんですか?」

先生:「いい質問だね。普通のデータベースは、名前・年齢・住所みたいな“正確な一致”で情報を探すんだ。でもベクトルデータベースは“似ている”情報を探すのが得意なんだよ。」

ユウキ:「似ている情報?どうやって判断するんですか?」

先生:「たとえば、君が“サッカーが好き”って言ったら、似た趣味を持っている人を探したいよね?ベクトルデータベースでは、“サッカー”“スポーツ”“試合”など、意味が近い言葉を数値で表した“ベクトル”として保存して、その距離が近いもの=似ているものとして探すんだ。」

ユウキ:「数値で意味を表すって、不思議ですね…。」

先生:「じゃあ、たとえ話をしよう。普通のデータベースは“正確にピッタリ一致する絵本”を探す図書館。でもベクトルデータベースは、テーマや雰囲気が似ている本を見つけてくれる司書さんなんだよ。」

ユウキ:「なるほど!AIが“似ている文章”を見つけてくれるのって、こういう仕組みがあるからなんですね!」

先生:「そう。特に、生成AIやRAG(検索拡張生成)と組み合わせると、AIが“正確に調べて答える”ことができるようになる。普通のデータベースが“鍵と鍵穴”なら、ベクトルデータベースは“共通の特徴で探せる磁石”のような存在なんだ。」


ベクトルデータベースの定義:

ベクトルデータベースとは、文章・画像・音声などを数値の集合(ベクトル)として保存し、それらの類似度をもとに情報を検索するデータベースです。AIやRAGなどで「意味の近い情報を探す」際に使われる技術です。


② 実際の事例:企業・自治体でのベクトルデータベースの活用

  1. ChatGPT+ベクトルDB連携(RAG)
    多くの企業がChatGPTを導入し、自社データとの連携にPineconeWeaviateなどのベクトルデータベースを活用。これにより、FAQや社内マニュアルを自然言語で検索できるようになり、ナレッジ検索の効率が大幅に向上しています。

  2. ECサイトでのレコメンド機能
    商品を「〇〇に似ている商品を探す」などの目的で、ユーザーの行動データやレビュー文をベクトル化し、個人に合った商品提案を実現しています。

  3. 自治体の防災・観光データ検索
    類似する地域の事例や、過去の災害対策をベクトルデータとして管理し、柔軟な検索や意思決定支援を行う試みも広がっています。


③ クイズや小テスト

クイズ1:ベクトルデータベースの主な特徴はどれ?

A. 名前やIDが完全一致するものだけを検索する
B. 数値の計算しかできない
C. 意味や特徴が「似ている」ものを探せる

クイズ2:ベクトルデータベースで使われる「ベクトル」とは?

A. 色の種類を管理する仕組み
B. 意味や特徴を数値で表現したもの
C. データの保存容量の単位

クイズ3:ベクトルデータベースとRAGの関係は?

A. ベクトルDBはRAGの外部処理を早くするツール
B. ベクトルDBはRAGの検索機能を支える
C. RAGはベクトルDBを削除する処理


⑤ 回答と解説

  • クイズ1:C. 意味や特徴が「似ている」ものを探せる
    → キーワードの一致ではなく、類似度に基づく検索が得意。

  • クイズ2:B. 意味や特徴を数値で表現したもの
    → ベクトル=意味を数値化したもので、検索時に役立つ。

  • クイズ3:B. ベクトルDBはRAGの検索機能を支える
    → ベクトルDBで似ている情報を取り出し、それをもとにAIが生成するのがRAGの特徴。

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