【中学生でもわかるIT用語】STPとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『S』から始まる用語

STP

① 物語性を取り入れた説明: 「STP」

新入社員のユウコは、BtoBマーケティングの部署に配属されてから、日々新しいことを学んでいました。ある日、課長の鈴木がユウコに「STP」について教える機会がありました。

ユウコ: 「課長、STPって何ですか?最近よく聞くんですけど、具体的にどういう意味なんですか?」

鈴木課長: 「いい質問だね、ユウコ。STPとはセグメンテーション(Segmentation)ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の略で、マーケティング戦略の基本的なフレームワークなんだ。」

ユウコ: 「セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングって具体的にはどういうことですか?」

鈴木課長: 「それぞれのステップを詳しく説明するね。まず、セグメンテーションは市場を細かく分けることだよ。ターゲティングするための市場を細かくするんだ。B2Cでは男女や居住地域などでセグメントすることも多いけど、企業の場合は属性で細分化するんだ。業種や規模、地域性などだね。例えば企業の業種の『製造業、金融業、サービス業』などは大分類と言われているんだ。業種でも大分類・中分類・小分類・細分類があるよ。

食料品製造業の例

E 製造業
中分類: 09 食料品製造業 10 飲料・たばこ・飼料製造業
小分類: 091 畜産食料品製造業 092 水産食料品製造業
細分類: 0912 肉加工品製造業 0913 処理牛乳・乳飲料製造業 0914 乳製品製造業

ユウコ: 「なるほど、それで市場を細分化するんですね。BtoBマーケティングで細分化するコツなどもあるのですか?」

鈴木課長:「二つあるよ。まず1つ目は営業担当者から見て、そのセグメントに営業したいかどうかが大事だね。例えば規模を見てみても、売上規模だけでなく、従業員数や事業所数など様々な指標がある。営業がどこと相関があるかを考えるのが大事なんだ。例えばスマホを販売したいのなら、10名で100憶円の売上を上げている会社よりも300名で80億円の売上を上げている会社のほうが魅力的に映るだろう。その場合に重視する”規模”は従業員数だよね。一つの事業所に一つしか必要のない非常用電源設備を販売する場合は”事業所数”の数が多い企業が魅力になるよね。もう一つは企業の状態によるセグメントだね。例えば終身雇用が合わなくなってきている、リモートワークの導入を検討している、など企業が置かれている状態でセグメントするんだ。」

ユウコ:「たしかに!営業担当者がの気持ちに立って考える必要があるし、状態によるセグメントは効果が高そうですね。次にターゲティングは何ですか?」

鈴木課長: 「ターゲティングは、セグメンテーションで分けたグループの中から、特に狙いたい企業群や部署、役職などを選び出すことだよ。例えば、中小企業向けのソフトウェアを販売したい場合、その検討するグループや決定権を持つグループをターゲットにするんだ。BtoCの場合は性別や年齢層などでターゲティングすることも多いけどBtoBの場合はもっと細かく分類することが一般的なんだ。」

ユウコ: 「なるほど。それで最後のポジショニングは何ですか?」

鈴木課長: 「ポジショニングは、ターゲット市場に対して、自社の製品やサービスをどのように位置づけるかを決め、どのような課題をどのように解決するか宣言することだよ。つまり、他の競合製品と比べて、どんな価値を提供するかを明確に説明できるようにするんだ。」

ユウコ: 「それでSTPがマーケティング戦略の基本になるんですね。」

鈴木課長: 「その通りだよ。STPを使うことで、より効果的にマーケティング活動を展開することができるんだ。例えば、広告のメッセージやプロモーションの内容をターゲット市場に合わせてカスタマイズすることができるんだ。」

ユウコ: 「BtoCマーケティングでも同じようにSTPを使うんですか?」

鈴木課長: 「基本的な考え方は同じだけど、BtoBBtoCでは少し違うんだ。BtoCでは個人消費者を対象にしているため、年齢、性別、ライフスタイルなどの個人的な要素でセグメンテーションを行うことが多いんだ。でもBtoBでは、企業の業種や規模、ビジネスモデル、購買プロセスなどがセグメンテーションの基準になるんだよ。また、BtoBマーケティングでは、購買決定に関与する人数が多いため、ターゲティングとポジショニングも複雑になることが多いね。」

ユウコ: 「なるほど、BtoBとBtoCではアプローチの仕方が違うんですね。」


STPの定義: STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)とは、マーケティング戦略の基本的なフレームワークで、市場を細分化し(セグメンテーション)、ターゲット市場を選び(ターゲティング)、その市場に対して自社の製品やサービスをどのように位置づけるか(ポジショニング)を決定するプロセスです。

② 実際の事例: 企業での「STP」の使用例

企業の事例:

ある大手BtoBソフトウェア企業は、STP戦略を活用して新製品を市場に投入しました。この企業はまず、市場を細分化(セグメンテーション)し、企業の業種、規模、地域、技術レベルなどのデータをもとにいくつかのセグメントに分けました。

次に、これらのセグメントの中から、成長中でIT投資に積極的な中小企業をターゲットに選びました(ターゲティング)。このターゲット市場は、効率的な業務管理とコスト削減を求めていることがわかっていました。

そして、ポジショニング(ポジショニング)において、この新製品を「操作が簡単でコストパフォーマンスに優れた業務管理ソフトウェア」として位置づけました。このポジショニングは、ターゲット市場のニーズと一致しており、競合他社の製品と差別化を図ることができました。

結果として、この新製品はターゲット市場に大変好評を博し、売上が大幅に増加しました。さらに、この成功により、同社はブランドの信頼性と認知度を高めることができました。

STPの重要性:

この事例から分かるように、STP戦略を適切に活用することで、マーケティング活動の効果を最大化することができます。市場を細分化し、適切なターゲット市場を選び、その市場に対して明確な価値を提供することで、競争力を高め、顧客の満足度を向上させることができるのです。

③ クイズや小テスト: 「STP」の理解を確認するためのクイズ

クイズ1 STPのプロセスで最初に行うのは何ですか?

A. ターゲティング
B. ポジショニング
C. セグメンテーション

クイズ2 ポジショニングとは何を決定するプロセスですか?

A. 市場を細分化する
B. ターゲット市場を選ぶ
C. 製品やサービスの位置づけを決める

クイズ3 次のうち、ターゲティングに該当する行動はどれですか?

A. 市場を業種や規模で分ける
B. 競合製品との差別化を図る
C. 特定の企業群を選び出す

回答
  1. C
  2. C
  3. C

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