【中学生でもわかるIT用語】サービスメッシュとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『サ行』の用語

サービスメッシュ

① ストーリー性を取り入れた説明:サービスメッシュとは?

新入社員のユウキは、IT部門に配属されて間もなく「サービスメッシュ」という言葉を耳にしました。

ユウキ:「課長、サービスメッシュってよく聞くんですけど、正直何のことか分からなくて…。サイドカープロキシとか、マイクロサービスとか、言葉が難しくて…」

課長:「いい質問だ。じゃあ順番に話してみようか。まず“マイクロサービス”っていうのは、ひとつの大きなシステムを小さなパーツに分けて、それぞれが独立して動けるようにしたものなんだ。例えば、大きなショッピングモールがあって、その中に“注文担当”“決済担当”“在庫管理担当”の店があるようなイメージだ。」

ユウキ:「なるほど…1つの建物にいろんな店がある感じなんですね。」

課長:「そう。そして“サービスメッシュ”は、そのたくさんの小さな店=マイクロサービスが、お互いにうまく連携したり、通信したり、トラブルを検知したりするための“裏方のネットワーク”みたいなものなんだよ。」

ユウキ:「裏方のネットワーク?」

課長:「そう。たとえば、在庫の店が注文の店に『これ在庫ありますか?』って聞くとき、その通信を手伝ってくれる“配達係”みたいな存在がサービスメッシュなんだ。」

ユウキ:「じゃあ、それがないと、サービス同士が迷子になったり、間違ってデータ送っちゃったりするんですか?」

課長:「その通り。サービスメッシュは、通信をちゃんとコントロールして、安全に、早く、正確にデータをやり取りできるようにするんだ。しかも、どんな通信があったかログに記録したり、トラブルが起きたら知らせたりもする。」

ユウキ:「すごい!まさに縁の下の力持ちですね。」

課長:「ちなみに、よく一緒に出てくるサイドカープロキシっていうのは、各サービスのすぐ隣に置かれて、サービスメッシュの一部として通信や監視の役目を果たす助手みたいなものだよ。」


サービスメッシュの定義

サービスメッシュとは、マイクロサービス同士の通信を管理・制御するためのインフラ層の仕組みです。各マイクロサービスの横に配置されたサイドカープロキシが通信を担い、認証・負荷分散・ログ収集・障害検知などを自動的に処理します。これによりアプリ本体のコードを変更せずに、運用やセキュリティを改善できます。
用語概要
マイクロサービス小さな独立したサービスを組み合わせてシステムを構成する手法
サイドカープロキシ各サービスに寄り添い通信を補助する“助手”のようなプログラム
サービスメッシュサイドカープロキシの集合で通信全体を管理するインフラ

② 実際の事例

【事例1:配車サービス企業の事例】

ある配車サービス企業では、リアルタイムで乗客の位置情報やドライバー情報を処理するため、システムをマイクロサービス化しました。しかし、サービス同士の通信が複雑になり、障害の特定が困難に。そこでIstioというサービスメッシュを導入。通信の可視化・監視ができるようになり、障害対応のスピードが飛躍的に向上しました。

【事例2:金融業界でのセキュリティ強化】

大手銀行では、複数のシステムをマイクロサービス化した際に、Linkerdを使ったサービスメッシュでセキュリティと信頼性を確保。特に外部からのアクセスに対してはゼロトラストネットワークを実現し、きめ細かなアクセス制御と暗号通信を実現しました。


③ クイズや小テスト

クイズ1

サービスメッシュの役割として正しいのは?

A. データベースの設計
B. サービス間通信の管理
C. ハードウェアの監視

クイズ2

サイドカープロキシの役割に近いのは?

A. ネット通販の注文ボタン
B. サービス通信を補助する助手
C. サービスを削除する機能

クイズ3

IstioやLinkerdは何に使われる?

A. サービスメッシュの構築
B. ウェブサイトのデザイン
C. キーボードの制御

回答と解説
  • クイズ1の答え:B. サービス間通信の管理
    → サービスメッシュの主な目的です。
  • クイズ2の答え:B. サービス通信を補助する助手
    → サイドカープロキシはサービスの横に設置され、通信を担います。
  • クイズ3の答え:A. サービスメッシュの構築
    → IstioやLinkerdはサービスメッシュを構築するツールです。

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