【中学生でもわかるIT用語】PGWとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『P・Q』から始まる用語

PGW

① ストーリー性を取り入れた説明: PGWとは?

新入社員のサトシ君は、ITインフラ部門に配属されて2週間目。ある日、課長が彼を呼びました。


課長:「サトシ君、今日はPGW(Packet data network Gateway)について説明するから、しっかり覚えてくれ。」

サトシ:「PGWですか?なんとなく聞いたことはありますが、詳しくはわかりません。」

課長:「簡単に言うと、PGWはモバイルネットワークとインターネットをつなぐための重要な装置だ。例えば、サトシ君がスマホで動画を見るとする。その動画データは、基地局を通ってモバイルネットワークに入り、PGWを通じてインターネットにアクセスする仕組みになっている。」

サトシ:「なるほど、データがインターネットに行くための玄関口みたいなものですね。」

課長:「その通り。さらにPGWは、ただつなぐだけじゃない。セキュリティや課金情報の管理、データのルーティングも行うんだ。一方で、似たような装置でSGW(Serving Gateway)があるけど、こちらは基地局とPGWの間でデータを中継する役割を果たしている。」

サトシ:「PGWとSGWが連携して、モバイルネットワークが機能しているんですね。装置ということはソフトウェアではなくてハードウェアなのですか?」

課長:「鋭い質問だね。PGW自体は、ソフトウェアとハードウェアが組み合わさったものだよ。たとえば、PGWの処理は主にソフトウェアで行われるけど、それを動かすための物理的なサーバーやネットワーク機器も必要なんだ。最近では仮想化技術を使って、ソフトウェアだけで動かすケースも増えているけどね。」

サトシ:「なるほど、じゃあ物理的な装置がない場合もあるんですね。」

課長:「そうだ。特にクラウド上に構築されたコアネットワークでは、物理的な装置の代わりに仮想サーバーが使われることが多い。でも、その中で働くソフトウェアはPGWの機能を実現するために欠かせないんだ。」

サトシ:「ところで、こういったネットワーク装置には他にもいろいろな役割があると思うのですが、PGW以外にはどんな装置があるんですか?」

課長:「いい質問だね。いったん図解してみよう」

課長:「PGWは、EPC(Evolved Packet Core)と呼ばれる4Gネットワークのコアネットワークの一部として働いているんだ。EPCは、モバイルネットワークの中核部分で、データ通信を効率的に処理するための仕組みだよ。その中には、例えばMME(Mobility Management Entity)という装置がある。これは端末の移動を管理する役割を持っている。また、HSS(Home Subscriber Server)はユーザー情報を管理する装置だ。」

サトシ:「EPCの中で、さまざまな装置が連携して動いているんですね。全体像が少しずつ見えてきました。でも、5GになるとPGWはどうなるんですか?」

課長:「いい質問だね。5Gになると、PGWは新しい設計思想でさらに重要な役割を果たすようになる。5Gのコアネットワークは5GCN(Next Generation Core)と呼ばれていて、通信を効率化するために『ユーザープレーン』と『制御プレーン』を分けた設計が採用されている。これにより、PGWも機能が拡張されているんだ。」

サトシ:「それって、具体的にはどんなことをするんですか?」

課長:「例えば、データの送受信を最適化するために、PGWがユーザーデータを高速に処理する仕組みを持つんだ。それに加えて、通信の安定性を確保するための制御も行われる。これが5GCNの特徴だね。」

サトシ:「なるほど、PGWって見えないところでかなり働いているんですね。」

課長:「そう。PGWは目立たないけど、ネットワーク全体を支える大黒柱のような存在なんだよ。」


PGWの定義

PGW(Packet Gateway)は、モバイルネットワークとインターネットを接続するゲートウェイ装置です。ユーザーのモバイルデバイスから送信されるデータを外部ネットワーク(インターネットなど)にルーティングし、同時に課金管理やセキュリティ管理も行います。
用語役割例え
PGWモバイルネットワークとインターネットの接続高速道路のインターチェンジ
SGWデータをPGWに中継する役割地元道路の交差点
EPCモバイルネットワークのコア部分情報通信網のバックボーン

② 実際の事例

PGWは、5Gの導入によってさらに重要性が増しています。たとえば、ある通信事業者が高速インターネットを提供するためにPGWを大規模にアップグレードしたニュースが話題になりました。この事例では、PGWがデータの処理能力を向上させ、スマートシティやIoTデバイスの接続を効率化することが報じられました。

また、EPCの進化版として、5Gのコアネットワークである**5GCN(Next Generation Core)**が注目されています。5GCNでは、PGWの役割をさらに拡張し、ユーザーデータの送受信を効率化する「ユーザープレーン」と、通信の確立や管理を行う「制御プレーン」を明確に分ける設計が採用されています。これにより、より高速で安定した通信が実現されています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 PGWの主な役割は次のうちどれですか?

A. データの暗号化のみ行う

B. モバイルネットワークとインターネットの接続を管理する

C. データを基地局に直接届ける

クイズ2 EPC(Evolved Packet Core)の構成要素として正しいのはどれですか?

A. PGW、SGW、MME

B. HSS、PCRF、EPC

C. IoTデバイス、基地局、クラウド

クイズ3 5GCNで新たに採用された設計の特徴はどれですか?

A. 全ての通信を1つのプレーンで管理

B. ユーザープレーンと制御プレーンを分離

C. EPCを廃止して全てクラウド化


 回答

クイズ1 正解:B. モバイルネットワークとインターネットの接続を管理する

PGWは、モバイルデバイスからのデータをインターネットに送るための役割を担っています。

クイズ2 正解:A. PGW、SGW、MME

EPCはこれらの装置で構成されており、データ通信を効率的に管理します。

クイズ3 正解:B. ユーザープレーンと制御プレーンを分離

5GCNでは、通信の効率化と信頼性向上のためにこの設計が採用されています。

 



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