IPsec
① 物語性を取り入れた説明
心配性のケイコは、インターネットで情報を安全に送る方法について知りたがっていました。彼女は、パソコン教室の先生に相談しました。
ケイコ: 「先生、インターネットで情報を送るとき、誰かに盗み見られたりしないの?」
先生: 「大丈夫だよ、ケイコ。そんなときは『IPsec』っていう技術があるから。」
ケイコ: 「『IPsec』って何?」
先生: 「IPsec、つまり『Internet Protocol Security』は、インターネット上でデータを安全に送受信するための一連のプロトコル群だよ。主に、データの暗号化や認証を行うことで、データの機密性と安全性を確保するんだ。まるで、秘密のメッセージを安全なトンネルを通して送るようなものだね。」
ケイコ: 「へえ、それでデータは安全に送れるのね。それってVPNとはどう違うの?」
先生: 「良い質問だね、ケイコ。VPNは、インターネット上での仮想的なプライベートネットワークを作る技術の総称で、その中にIPsecを含むいくつかの方法があるんだ。IPsecは、OSI基本参照モデルでいうところのネットワーク層、つまり第3層で動作するセキュリティプロトコルだよ。主に2つのプロトコル、”認証ヘッダー(AH)“と”暗号ペイロード(ESP)“を使って、情報を保護するんだ。認証ヘッダーは、IPパケットにメッセージの真正性と完全性を保証するために、メッセージに署名をするようなもの。一方、暗号ペイロードは、IPパケットのデータを暗号化することで、他人に読まれることなく情報を送ることができるようにするんだ。」
ケイコ: 「つまり、IPsecはデータパケット自体を保護するってこと?」
先生: 「その通り。IPsecはデータの認証と暗号化を提供するんだ。IPsecは、たとえデータが公開されたインターネットを通っても、その内容を確実に保護するんだ。だから、企業はIPsecを使って、リモートアクセスやサイト間接続において、機密情報を安全に送受信できるわけ。」
ケイコ: 「でも、設定が複雑そうですね。」
先生: 「確かに、IPsecの設定は少し複雑かもしれない。でも、その分、柔軟性とセキュリティが高いんだ。最近では、使いやすさを向上させるためのツールも増えてきているよ。」
ケイコ: 「セキュリティって、本当に大事なんですね。」
先生: 「そうだね、特に今のデジタル社会ではね。IPsecのような技術を理解しておくことは、インターネットを安全に使う上でとても役立つよ。」
② 実際の事例
多くの企業では、IPsecを使用して、遠隔地にあるオフィス間で安全な通信網を構築しています。例えば、ある企業が複数の支社を持っている場合、支社間のデータ交換をIPsecを利用して暗号化し、安全に情報を共有しています。
自治体では、市民へのオンラインサービス提供時にIPsecを活用し、個人情報の安全な送受信を確保しています。
③ クイズや小テスト
クイズ1:IPsecの主な目的は何ですか?
A. ウェブサイトのスピードアップ
B. データの暗号化と認証
C. ソフトウェアの自動更新
クイズ2:IPsecで保護される情報の特徴は何ですか?
A. 色と形
B. 安全性と完全性
C. サイズと重さ
クイズ3:IPsecが使用される典型的なシナリオはどれですか?
A. オンラインゲーム
B. 動画ストリーミング
C. 企業間通信
回答:
クイズ1の答え: B. データの暗号化と認証
クイズ2の答え: B. 安全性と完全性
クイズ3の答え: C. 企業間通信
応用情報技術者令和2年秋期 午前問37
ア IPsec イ PPP ウ SSH エ TLS
正解
ア
IPv6はこれまでのIPv4では上位の層で補完する必要があったユーザー認証およびパケットの暗号化をネットワーク層で行うIPsecの機能がサポートされているなど機能強化が図られています。
ア IPsec 正解 IPsecは暗号化でパケットを暗号化や認証しネットワーク層でIP通信を保護する
イ PPP 2点間を接続しデータ通信を行うための通信プロトコル
ウ SSH Secure Shellの略称で安全にリモートコンピュータと通信するためのプロトコル
エ TLS インターネット通信でデータを暗号化して送受信する仕組みの一つ
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