差分バックアップと増分バックアップ
① 物語性を取り入れた説明
ある日、中学生のタカシは、パソコン教室で「バックアップ」について学びました。授業の後、彼は先生に「差分バックアップ」と「増分バックアップ」について質問しました。
タカシ: 「先生、差分バックアップと増分バックアップって何ですか？」
先生: 「いい質問だね、タカシ。例えば、君が日記をつけているとしよう。毎晩、日記を書き終わった後にコピーを取るのが『フルバックアップ』だよね。でも、毎晩全部をコピーするのは大変だから、変わった部分だけをコピーする方法があるんだ。」
タカシ: 「なるほど！フルバックアップとの差分なんですね。じゃあ、増分バックアップはどう違うんですか？」
先生: 「増分バックアップは、フルバックアップを取った後の最新のバックアップから変更があった部分だけをコピーする方法だよ。例えば、月曜日にフルバックアップを取って、火曜日に変更があった部分を増分バックアップして、水曜日にさらに変更があった部分を増分バックアップするんだ。この場合、水曜日のバックアップには火曜日からの変更だけが含まれているんだ。」
タカシ: 「なるほど、だから増分バックアップの方がデータ量が少なくて済むんですね。」
先生: 「その通り。差分バックアップは復元が簡単だけど、データ量が多くなることがある。一方、増分バックアップはデータ量が少ないけど、復元するにはすべての増分バックアップが必要になるんだ。」
② 実際の事例
企業での使用例
ある大手IT企業では、データのバックアップ戦略として差分バックアップと増分バックアップを併用しています。この企業では、以下のような取り組みを行っています。
フルバックアップ: 毎週日曜日に全データのフルバックアップを実施。
差分バックアップ: 毎日の業務終了後に、週初めのフルバックアップから変更があったすべてのデータをバックアップ。
増分バックアップ: 毎日の業務中に、最新のバックアップから変更があったデータだけをバックアップ。
この方法により、企業は以下の利点を享受しています。
データの迅速な復元: 差分バックアップを使用することで、特定の時点に戻る際の復元が容易になる。
効率的なデータ管理: 増分バックアップを併用することで、バックアップデータの量を最小限に抑える。
コストの削減: 効率的なバックアップ戦略により、ストレージコストが削減される。
自治体での使用例
ある自治体では、市民の重要なデータを安全に保管するために、差分バックアップと増分バックアップを利用しています。この自治体では、以下の手順を採用しています。
フルバックアップ: 毎月末に全データのフルバックアップを実施。
差分バックアップ: 毎週の業務終了後に、月初めのフルバックアップから変更があったすべてのデータをバックアップ。
増分バックアップ: 毎日の業務終了後に、最新のバックアップから変更があったデータだけをバックアップ。
この方法により、自治体は以下のメリットを得ています。
データの保護: 差分バックアップを使用することで、重要なデータの保護が強化される。
迅速なデータ復元: 災害時やシステム障害時に迅速にデータを復元できる。
コスト効率: 増分バックアップを使用することで、ストレージコストを削減しながらデータを安全に保管する。
③ クイズや小テスト
クイズ1 差分バックアップの主な特徴は何ですか？
A. 最新のバックアップから変更があったデータだけをコピーする
B. フルバックアップ後に変更されたすべてのデータをコピーする
C. すべてのデータを毎回コピーする
クイズ2 増分バックアップの利点は何ですか？
A. データの迅速な復元
B. バックアップデータの量を最小限に抑える
C. すべてのデータを毎回コピーする
クイズ3 差分バックアップと増分バックアップの違いは何ですか？
A. 差分バックアップはフルバックアップ後の変更をコピーし、増分バックアップは最新のバックアップからの変更をコピーする
B. 差分バックアップはすべてのデータを毎回コピーし、増分バックアップは最新のデータのみをコピーする
C. 差分バックアップと増分バックアップは同じ方法
回答
クイズ1: B. フルバックアップ後に変更されたすべてのデータをコピーする
クイズ2: B. バックアップデータの量を最小限に抑える
クイズ3: A. 差分バックアップはフルバックアップ後の変更をコピーし、増分バックアップは最新のバックアップからの変更をコピーする
応用情報技術者試験 令和3年春 午前問57
