アンチパスバック
① ストーリー性を取り入れた説明:「アンチパスバック」とは?
パソコン部の放課後。生徒のユウキは、学校のセキュリティについて先生に質問します。
ユウキ:「先生、うちの学校の入り口でICカードをかざすじゃないですか。あれってどうやって不正を防いでるんですか?」
先生:「いい質問だね。実は“アンチパスバック”という仕組みがあるんだよ。」
ユウキ:「アンチ…パスバック?サッカーの記述のような名前ですね。」
先生:「たとえば、君が校門から入るときにICカードをかざして“入室”の記録がされる。でも、もしその後、カードを友達に渡して友達も同じカードで入ってきたら不正だよね?」
ユウキ:「確かに、それってズルですよね。」
先生:「そこでアンチパスバックの出番。『入ったら、出るまで次は入れない』というルールを作ることで、同じカードを何度も使って不正に出入りできなくするんだ。」
ユウキ:「なるほど…“行って戻ってこないと次は通れない”ってことですね!」
先生:「その通り!これはセキュリティゲートや駐車場、研究所などでも使われていて、不正入場や“すり抜け”を防ぐためにとても重要な仕組みなんだよ。」
ユウキ:「でも、間違って外に出る記録がされなかったら、もう入れなくなっちゃうってことですか?」
先生:「そうなるね。だから出口でも必ず認証させるようにシステムを設計する必要があるし、誤動作を避けるための“解除手順”も用意されていることが多いよ。」
ユウキ:「なるほど、まるで“ちゃんと戻ってきたか確認する先生”みたいなシステムなんですね!」
アンチパスバックの定義
② 実際の事例
オフィスビルや研究所でのセキュリティ強化: 多くの企業では、社員証による入退室記録を厳格に管理しています。アンチパスバックを導入することで、あるエリアに入った人が適切な出口を通らない限り、再びそのエリアに入ることができないようにし、不正侵入やなりすましを防止しています。
駐車場の車両管理: 月極契約の駐車場では、車両が入場してから出場するまで次の入場ができないように制御し、1枚のICカードを使いまわす行為を防止します。
イベント施設や遊園地: 特定のパスやリストバンドに対してアンチパスバックを適用し、1人が複数回出入りする不正を防ぎます。
近年では、アンチパスバックをIoT機器と連携させ、リアルタイムでの監視や警告システムと組み合わせるなど、さらなる高度化が進んでいます。
③ クイズや小テスト
クイズ1:アンチパスバックの主な目的は何ですか?
A. 出席率を測定するため
B. 不正なカードの使い回しを防ぐため
C. 建物のデザインをよくするため
クイズ2:アンチパスバックが機能するには何が必要?
A. Wi-Fi接続
B. GPSセンサー
C. 入退室の順序の記録
クイズ3:アンチパスバックが使われていそうな場所は?
A. 公園のベンチ
B. スーパーのレジ
C. 会社のセキュリティゲート
回答と解説
- クイズ1:B. 不正なカードの使い回しを防ぐため
→ アンチパスバックは不正入場を防ぐセキュリティ対策です。 - クイズ2:C. 入退室の順序の記録
→ 入っていないのに出る、出ていないのに入る、といった不正を検出するために必要です。 - クイズ3:C. 会社のセキュリティゲート
→ オフィスや重要施設の入退管理でよく使われています。
応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問1