Amazon Elastic Block Store(EBS)
① ストーリーでわかる「Amazon Elastic Block Store(EBS)」
旅行会社の新規事業開発部に異動してきたケンイチは、体験予約サービスの開発が佳境に入っていた。
CloudFrontで表示を速くし、Route 53で案内も整った。
サーバー(EC2)も無事に立ち上がり、いよいよ本番――と思ったそのとき。
ケンイチ「課長、サーバーは起動できたんですが……データって、どこに保存されるんですか?」
IT企業出身の課長は、少し笑ってホワイトボードに図を描いた。

課長「いいところに気づいたね。サーバーは“頭脳”だけじゃ動かない。ノートや引き出しが必要なんだ」
ケンイチ「ノート……ですか?」
課長「そう。プログラム、写真、予約情報、ログ。
これらを保存する場所が Amazon Elastic Block Store、通称 EBS だ」
サーバーとEBSの関係をたとえると?
課長は身近なたとえで説明を続けた。
EBS:ノートや外付けハードディスク(覚えておく場所)
課長「ノートは記録が残るよね?EBSも同じで、サーバーを止めてもデータは消えない」
ケンイチ「じゃあ、サーバーが壊れてもデータは助かるということですね?」
課長「その通り。新しいサーバーに、同じEBSをつなげば続きを使える」
なぜ“Elastic(伸び縮み)”なの?
ケンイチ「“Elastic”ってどんな意味でしたっけ?あまり使わない単語ですよね。」
課長「それも大事なポイントだ。Elasticは「弾力性のある」「伸縮自在の」という意味の英語で、
必要に応じて容量を増やせることを表すんだ。
たとえば――
最初は 30GB サービスが成長したら 100GB 写真が増えたら 500GB というようにね。」
EBSには種類がある?どこにある?
課長「EBSには用途別のタイプがある」
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| gp3 / gp2 | バランス型 | 一般的なWebサービス |
| io1 / io2 | 超高速 | データベース |
| st1 / sc1 | 安価 | ログ・バックアップ |
ケンイチ「全部同じディスクじゃないんですね」
課長「速さと値段のトレードオフだ。使い道に合わせて選ぶのが設計の腕の見せどころ」
ケンイチ「課長、ところで、この Amazon Elastic Block Store って……これって物理的なディスクなんですか?」
課長「いいところに気づいたね。答えは YESでもあり、NOでもある」
ケンイチ「え、どういうことですか?」
課長「まず大前提として、AWSのデータセンターには本物のハードディスクやSSDが大量に置いてある。だからEBSは“実体のない魔法のディスク”じゃない」
ケンイチは少し安心した表情を見せたが、すぐに別の疑問が浮かんだ。
ケンイチ「でも……僕が“EBSを作成”ってボタンを押すたびに、まさかAWSのスタッフさんがケーブルをつないでるわけじゃないですよね?」
課長「ははは、それをやってたらAWSは世界中の申込みに追いつかないよ」
ケンイチ「ですよね……」
課長「実際には、空いている物理ディスクの一部をシステムが自動で割り当てて、仮想的なディスクとしてEC2に見せているんだ」
ケンイチ
「じゃあ、EBSって
常にどこかにつながって待機しているわけじゃないんですね?」
課長
「その通り。EC2にアタッチした瞬間だけ、自分専用のディスクとして現れる」
ケンイチ「なるほど……人が作業してるんじゃなくて、巨大な倉庫を自動制御している感じなんですね」
課長「いい例えだね。それが“Elastic(伸び縮みする)”の意味でもある」
バックアップも簡単?
課長 「EBSはスナップショットも取れる」
ケンイチ「スナップショット?」
課長「ある時点の丸ごとコピーだよ。失敗したら、そこに戻れる」
ケンイチ「ゲームのセーブみたいですね」
課長「いい例えだ。ケンイチくんの脳にもちゃんとセーブしておいてね。」
◆ よく間違えられる用語との違い
| 用語 | 役割 | EBSとの違い |
|---|---|---|
| S3 | ファイル置き場 | EBSはサーバー専用ディスク |
| EC2 | サーバー本体 | EBSは保存場所 |
| EFS | 共有ディスク | EBSは1台のサーバー向け |
| ローカルストレージ | 本体内蔵 | EBSは外付けで安全 |
Amazon Elastic Block Store(EBS) は、Amazon Web Se
② 実際の事例(企業での活用)
多くのWebサービスや業務システムでは、
EC2 + EBS の構成が標準的に使われています。
予約サイト・ECサイト → 注文データや顧客情報をEBSに保存 業務システム → 会計・在庫データを安全に保持 開発環境 → スナップショットで環境を即復元
特に「サーバーは柔軟に入れ替えたいが、データは守りたい」
という場面でEBSは欠かせません。
森永製菓のAWS移行事例:詳細データ
元記事(公式ソース): AWS導入事例:森永製菓株式会社 (PDF)
移行の背景: 同社は10年以上オンプレミス(自社所有のサーバー)でSAP ERPを運用していましたが、ハードウェアの老朽化や保守期限が課題となっていました。2020年1月にすべての基幹システムをAWSへ全面移行しました。
具体的な成果:
月末の原価計算処理: 4.7時間から1.4時間へ短縮
夜間バッチ処理: 全体的に大幅なスピードアップを実現
コスト削減: 今後5年間で数億円規模のインフラ維持運用コスト削減を見込む
使用された主な技術:
Amazon EC2: 基幹システムの計算リソース
Amazon EBS: システムのデータ保存先(ストレージ)
AWS Snowball: 60TBを超える膨大な過去履歴データを物理デバイスを使って高速にAWSへ転送
③ クイズや小テスト
クイズ1 Amazon EBSの主な役割はどれ?
A. Webページを表示する
B. ネットワークを高速化する
C. データを保存する
クイズ2 EBSの特徴として正しいものは?
A. サーバーを止めると消える
B. 容量を後から増やせる
C. 誰でも同時に共有できる
クイズ3 EBSのスナップショットとは?
A. 画面の写真
B. データのバックアップ
C. サーバーの起動操作
■回答と一言解説
クイズ1:C デー
タを保存する → EBSはサーバー専用の保存場所
クイズ2:B 容量を後から増やせる → Elastic=伸び縮み
クイズ3:B データのバックアップ → 失敗時に戻せる安心機能




