【中学生でもわかるIT用語】アダプションとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『ア行』の用語

アダプション(Adoption)

──「使える」から「毎日使う」へ。価値が習慣になる瞬間──


① ストーリーでわかる「アダプション(Adoption)」

サブスクリプション型ITサービスの会社の新入社員・ミカは、山田課長のもとで、
“顧客を成功に導き長く使い続けてもらう”ための カスタマーサクセス を学んでいた。

この日のテーマは アダプション(Adoption)

ミカ:「課長、オンボーディングが“最初の成功体験”を作るプロセスなら、
アダプションって何をするんですか?」

山田課長:「アダプションはね、
お客様がサービスを“習慣的に使う状態になるまで支援するプロセス” のことだよ。」

ミカ:「習慣化…!つまり“毎日つい使っちゃう”みたいな感じですね。」

課長は笑ってうなずいた。


◆ 「使える」と「習慣になる」はまったく違う

山田課長:「ミカさん、歯磨きって“できる”だけじゃダメだろう?
毎日やるから価値が出る。」

ミカ:「あ!ジムもそうですよね。最初は行けるけど、だんだん…」

課長:「そう。それと同じで、
サービスも “できる”だけだと、結局使われないまま解約されてしまう。
だからアダプションでは、サービスを“生活や業務に溶け込ませる設計”が必要なんだ。」


◆ アダプションが数字に与えるインパクト(実データ)

課長は資料を見せる。

  • アダプション率が20%向上すると、継続率(リテンション)は最大2倍向上する
    (出典:Gainsight Pulse Report)

  • 継続率が5%上がると、利益は25%〜95%改善する
    (出典:ハーバード・ビジネスレビュー)

  • アダプションの低い顧客は、離脱する確率がアダプション高の顧客の5〜7倍
    (出典:Mixpanel)

ミカ:「わぁ…!
アダプションって“会社の未来”にめちゃくちゃ影響するんですね!」

課長:「そう。サブスクは“使われなければ終わり”だからね。」


◆ アダプションの基本ステップ

課長はホワイトボードに3つの丸を描いた。

  1. 利用状況の可視化(ヘルススコア)

    • 毎日ログインしているか

    • 主要機能を何回使っているか

    • チームで利用しているか

  2. 課題の特定

    • “使いこなせていない理由”をデータから読み取る

    • 使っていない機能の分析

  3. 利用促進(Enablement)

    • チュートリアル

    • 定期的なフォロー

    • 採用事例の紹介

    • ワークショップ

ミカ:「なんか…“習い事の先生”みたいですね!」

課長:「まさにそう。続けられるように応援するのがアダプションだよ。」


◆ アダプションがうまい企業の実例

課長はスマホを取り出し、3つのアプリを見せた。

● Slack

  • 最初のオンボーディング後、
    “ミュート機能”“スタンプ”“通知設定” など“小さな便利機能”を自然に勧めてくる

  • 「3日使うと離脱しにくくなる」データに基づいたアダプション設計


● Duolingo(語学学習アプリ)

課長が次に見せたのは、あの可愛いフクロウが出てくる語学アプリ・Duolingo

山田課長:「これは“アダプションの化け物”と言われているアプリだよ。」

ミカ:「あっ、これ知ってます!続けられる仕掛けが上手なんですよね?」

課長:「その通り。Duolingoは“続かせる仕組み”が世界トップレベルなんだ。」

  • 連続日数(ストリーク) を伸ばす設計

  • “あと1問で今日の目標達成!”という 心理設計(ナッジ)

  • ログイン時間帯を学習し、通知タイミングをパーソナライズ

  • ゲームのようにレベルアップしていく ゲーミフィケーション

  • 利用履歴から得意・苦手を判定し、問題を自動調整(アダプティブ学習)

ミカ:「すごい…!これなら続けたくなりますね。」

課長:「そう。“習慣化の科学”が全部つまっている。
アダプションのお手本として、世界中のサブスク企業が研究しているアプリなんだ。」


● Canva

  • 利用ログを分析して「あなたの用途に合いそうなテンプレ」を自動でレコメンド

  • “できた!”体験を連続して生み出すアダプション設計

ミカ:「どれも“自分に合った成功”を次々くれる仕組みなんですね…!」

課長:「その通り。
“成功体験を何度も提供する”
これがアダプションの核心だよ。」


◆ ② 実例:企業におけるアダプションの動向

● Slack ― 「3日間使い続けてもらう」設計

Slackは“3日連続利用したユーザーは離脱しにくい”というデータを基に、
初期から数日間で便利機能を少しずつ紹介するアダプション戦略を採用。
出典:Slackブログ


● Duolingo ― 習慣化を極めた“世界最強のアダプション設計”

Duolingoは、連続日数(ストリーク)・ゲーミフィケーション・パーソナル通知などの仕組みで
“語学学習が習慣になる状態”を科学的に設計。
月間アクティブユーザーは世界最大級。
アダプション研究で頻繁に引用されるほど成功した例。
出典:Duolingo公式ブログ


● Canva

テンプレート自動レコメンドで「成功体験の連続」を実現。
出典:Canva公式


● Salesforce

利用状況ダッシュボードでアダプションの低下を即検知し、CSMが早期対応できる仕組みを持つ。
出典:Salesforce公式

③ アダプション理解チェック(3択クイズ)

クイズ1

アダプションの目的は?
A. 初期設定の代行
B. 顧客が価値を感じ続ける“習慣化”を支援する
C. 不具合対応


クイズ2

アダプションが売上に大きく影響する理由は?
A. 広告費が減る
B. 習慣化した顧客は離脱しにくく、継続率が上がる
C. 営業が楽になる


クイズ3

Slack・Notion・Canvaの共通点は?
A. 初期だけサポートし、その後は放置
B. 利用ログに基づき、便利機能を少しずつ提示する
C. 月額料金を下げて継続させる


【答え】

クイズ1:B → アダプションは“習慣化”を目的とする。
クイズ2:B → 継続率向上はLTVに直結する。
クイズ3:B → 行動ログを分析し“続けやすい仕組み”を提供する。

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