【中学生でもわかるIT用語】OSI(Open Source Initiative)とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『O』から始まる用語

OSI(Open Source Initiative)

① 物語性を取り入れた説明

ユキはオープンソースソフトウェアの勉強をしている際に「OSI」という言葉を目にしましたが、何を意味するのかよくわかりませんでした。休み時間にユキは先生に質問に行きました。

「先生、オープンソースソフトウェアのところに出てくるOSIって何ですか?基本参照モデルとは違いますよね?」

先生は微笑んで答えました。「良い質問だね、ユキ。確かに、ここで言うOSIは『オープンソース・イニシアチブ(Open Source Initiative)』という団体のことなんだ。ネットワークのOSIモデルとはまったく別の意味だよ。この団体は、オープンソースソフトウェアの自由な利用や開発を支えるために活動しているんだ。」

「オープンソースソフトウェアは、誰でも自由に使えると聞いたことがあります。でも、どうしてOSIが必要なんですか?」ユキはさらに質問しました。

「オープンソースソフトウェアを自由に使えるというのは素晴らしいことだけど、開発者によっては制限をかけたくなることもあるんだ。たとえば、『個人利用はOKだけど、商業利用はダメ』とか、『改良はしてもいいけど、再配布はダメ』というようにね。そうなると、本当に自由に使えるソフトウェアとは言えなくなってしまう。そこで、OSIがガイドラインを作って、ソフトウェアの自由を守るためのルールを定めているんだ。」

「そのルールってどんな内容なんですか?」とユキは興味津々で聞きました。

「たとえば、『誰でも自由にソフトウェアを使えること』や、『ソースコードが公開されていること』、『改良して再配布しても良いこと』などが含まれているよ。この基準を満たしたソフトウェアだけがOSIに認定され、オープンソースソフトウェアと呼ばれるんだ。」

「なるほど、だからみんな安心してオープンソースソフトウェアを使ったり、改良したりできるんですね。」ユキは納得しました。

「そうだね。OSIは1998年に設立されたんだけど、それ以前は『フリーソフトウェア運動』が主流だったんだ。その運動も、ソフトウェアを自由に使えるようにするためのものだったんだけど、OSIはそれをさらに広め、企業でも使いやすくするための基準を作ったんだよ。だから、今ではたくさんの企業や開発者がこのルールに従ってソフトを開発しているんだ。」

「OSIの基準を満たすオープンソースソフトウェアには、どんな条件があるんですか?」とユキは興味津々で聞きました。

「たとえばね、以下のような条件があるんだ:

  1. 自由な再配布:誰でもソフトウェアを再配布できる。
  2. ソースコードの公開:プログラムのソースコードが誰でも見られて、改良できること。
  3. 改良の自由:誰でもソフトを改良して再配布しても良い。
  4. 差別しないこと:特定の人やグループ、業種に対して制限を設けないこと。

これらのルールによって、オープンソースのソフトウェアは誰でも使えて、長期的に発展し続けることができるんだよ。」

OSIの定義

OSI(オープンソース・イニシアチブ)」は、オープンソースソフトウェアの自由な使用と改良を促進し、そのためのガイドラインやライセンスを管理する国際的な非営利団体です。

 

② 実際の事例

OSIの理念と基準は、企業や自治体で広く採用されています。特に、コスト削減や効率的な開発を目指して、オープンソースソフトウェアを積極的に導入するケースが増えています。OSIが認定するオープンソースソフトウェアを活用することで、企業は柔軟で高品質なシステムを手に入れることができ、必要に応じて改良も加えられます。

たとえば、ある大手IT企業では、Linuxというオープンソースのオペレーティングシステムを使ってサーバーを運用しています。Linuxは安定性が高く、自由にカスタマイズできるため、企業ごとのニーズに合わせたシステムを構築できるのです。また、Apacheというオープンソースのウェブサーバーソフトウェアも多くの企業で採用されています。これらのソフトウェアは、OSIの基準を満たしたライセンスが適用されているため、企業は安心して利用でき、必要に応じてシステムを改良しながら使うことができるのです。

自治体でも、OSIの認定を受けたオープンソースソフトウェアが活用されています。たとえば、ある市役所では、住民向けのオンライン申請システムを構築するために、オープンソースのシステムを導入しました。このシステムは、OSIの基準をクリアしたソフトウェアを使用しているため、外部の開発者と協力しながら常に改良が行われ、住民に便利で効率的なサービスを提供できるようになっています。

OSIが定めたルールに従うことで、企業や自治体はソフトウェアを自由に使い、改良や再配布ができるため、長期的に使い続けることができるのです。これにより、ソフトウェア開発のコストを抑え、最新の技術を取り入れることが可能になっています。


③ クイズや小テスト

クイズ1 OSIが設立されたのは何年ですか?

A. 1998年
B. 2001年
C. 1995年

クイズ2 OSIの基準に含まれるものは何ですか?

A. ソフトウェアの利用が無料で、誰でも改良できること
B. ソフトウェアの商業利用を禁止すること
C. 特定のユーザーにのみ利用を許可すること

クイズ3 OSIが管理するガイドラインに従うと、ソフトウェア開発者は何ができるようになりますか?

A. ソフトウェアの使用や改良、再配布が自由にできる
B. ソフトウェアを売買できるようになる
C. ソフトウェアの使用に制限を加えられる


回答
  1. 正解:A
  2. 正解:A
  3. 正解:A

応用情報技術者試験 平成21年秋 問21

応用情報技術者平成21年秋期問21 OSSの特徴

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