AWS Elastic Disaster Recovery(DRS)
① ストーリー形式での解説
旅行会社の新規事業開発部。
予約サイトは順調に伸び、アクセスも右肩上がりだ。
ある日、課長が突然聞いた。
「ケンイチ、もし明日このシステムが止まったら、何時間で復旧できる?」
ケンイチは言葉に詰まった。
「…バックアップは取っています。でも“何時間で戻せるか”は考えたことがありません。」
課長はうなずく。
「それがBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)だ。
災害や事故が起きても、事業を止めないための計画だよ。」
BCPは経営の話。
しかし、それを実現するのはITの仕組みだ。
「そしてBCPをITで実現するのがDR(Disaster Recovery:災害復旧)。
そしてAWSでそれを担うのがAWS Elastic Disaster Recovery(DRS)だ。」
ケンイチは首をかしげる。
「バックアップと何が違うんですか?」
課長はホワイトボードに書いた。
・DRS → サーバー丸ごとすぐ復活させる ”復活装置”
「仕組みはこうだ。
元のサーバーにエージェントを入れると、データは継続的にAWSへ複製される。
普段は低コスト状態で待機し、
災害時にはワンクリックでAmazon EC2として起動できる。
「つまり、常に予備機を動かしておく必要はない?」
「その通り。“Elastic”とは、必要なときだけ伸びる仕組みだ。」
さらに課長は重要な指標を説明した。
RTO(復旧目標時間)=何分で復旧するか
RPO(復旧目標時点)=どこまでデータ損失を許すか
Elastic Disaster Recoveryは
RTOを短縮し、RPOをほぼゼロに近づけられる。
ケンイチは深くうなずいた。
「BCPは事業を止めないための経営の守り。
Elastic Disaster Recoveryは、その実行方法なんですね。」
「そうだ。クラウドを理解するとは、“攻め”だけでなく“守り”を理解することでもある。」
【よく似た用語との違い】
| 用語 | 役割 | 違い |
|---|---|---|
| AWS Backup | データ保存 | サーバー全体復旧ではない |
| EBS Snapshot | ディスク保存 | 手動復旧が必要 |
| コールドスタンバイ | 予備環境停止 | 起動に時間 |
| ホットスタンバイ | 常時稼働 | 高コスト |
| Elastic Disaster Recovery | 必要時に即起動 | コスト効率が高い |
AWS Elastic Disaster Recovery(DRS)とは、オンプレミスや他クラウド環境のサーバーをAWSへ継続的にレプリケーションし、災害発生時に迅速にAmazon EC2として起動できる災害復旧サービス。BCPを実現するためのIT基盤である。
② 実際の事例
SUBARUは基幹システムの可用性向上のためAWSを活用し、災害対策としてクラウド上で復旧体制を構築。RTO短縮とデータ保全を実現しました。
製造業や金融業など、停止が許されない企業ほどDR設計は経営課題になっています。
③ クイズや小テスト
クイズ1 BCPとは何を指す?
A. 事業継続計画
B. クラウド管理計画
C. バックアップ手順
クイズ2 Elastic Disaster Recoveryの目的は?
A. 通信を高速化する
B. 災害時に素早く復旧する
C. データを暗号化する
クイズ3 RTOとは?
A. データ保存期間
B. 復旧までの目標時間
C. 通信帯域
■ 回答と一言解説
クイズ1:A 事業継続計画 → 経営レベルの計画
クイズ2:B 災害時に素早く復旧する → DRの目的
クイズ3:B 復旧までの目標時間 → 何分で戻すかを示す指標





