旅行会社の新規事業開発部。
新しい予約サービスは順調に伸びていた。
ある日、ケンイチはクラウドの利用料金レポートを見て顔をしかめた。
「課長…S3の料金、思ったより高いです。」
IT企業から転職してきた課長は落ち着いて答える。
「それは“置き方”を知らないからだ。」
「置き方?」
「S3にはストレージクラスという“倉庫の種類”がある。」
S3(Simple Storage Service)は
画像、動画、ログ、バックアップなどを保存できるクラウドストレージだ。
「全部同じ倉庫に置いたら、無駄だろ?」
ケンイチはハッとする。
「アクセス頻度で分けるんですね。」
「その通り。これがストレージクラスだ。」
| クラス | 特徴 | 取得速度 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| S3 Standard | 高頻度アクセス | 即時 | Web画像・通常利用 |
| Standard-IA | 低頻度アクセス | 即時 | 月1回程度の参照・コスト削減 |
| One Zone-IA | 1AZのみ保存 | 即時 | 再作成可能データ |
| Intelligent-Tiering | 自動最適化 | 即時 | 頻度が予測不可 |
| Glacier Instant Retrieval | アーカイブ向け | 即時 | たまに参照 |
| Glacier Flexible Retrieval | 低コスト | 数分〜時間 | 長期保存 数時間待つことも |
| Glacier Deep Archive | 最安 | 12時間以上 | 法定保存 |
課長は続ける。
「例えば旅行写真はStandard。
古いキャンペーンログはIA。
7年間保存義務の帳票はDeep Archiveだ。」
ケンイチはうなずく。
「倉庫を選ぶのが設計なんですね。」
課長は少しニヤリとした。
「プラクティショナー試験ではこれがよく出る。」
アクセス頻度が読めない → Intelligent-Tiering
最安で長期保存 → Glacier Deep Archive
低頻度だが即取得 → Standard-IA
「目的で選べるかが勝負だ。」
ケンイチが理解を深めようと考える。
「つまり――
Standardは日常、IAは節約、Glacierは倉庫。
そしてIntelligent-Tieringは“自動管理”。」
課長は満足そうに笑った。
「そうだ。クラウドは“種類を覚える”より “目的で選べるか”が勝負だ。」
ケンイチは質問する。
「EBSとS3は何が違うんですか?」
課長は整理する。
「S3は保存用。EBSは動作中サーバー用。」
多くの企業はS3ストレージクラスを活用してコスト最適化を実現しています。
例えばNetflixは膨大な視聴ログや映像関連データをS3に保存し、アクセス頻度に応じて階層管理を行っています。また、国内企業でもバックアップデータをGlacier Deep Archiveへ移行することで、保存コストを大幅削減した事例が紹介されています。
AWS公式ブログでは、ログデータをStandardからIAやGlacierへ移動することで最大70%以上のコスト削減が可能とされています。
参考:
AWS公式ブログ
AWS 導入事例ページ(各種企業)
アクセス頻度が分からないデータに最適なのは?
A. S3 Standard
B. Glacier Deep Archive
C. Intelligent-Tiering
7年間保存義務のあるデータに最も安いのは?
A. Standard-IA
B. Glacier Deep Archive
C. One Zone-IA
即時取得できる低頻度クラスは?
A. Standard-IA
B. Deep Archive
C. Flexible Retrieval
クイズ1:C → 自動で階層最適化
クイズ2:B → 最安・長期保存向け
クイズ3:A → 低頻度でも即取得可能