【中学生でもわかるIT用語】Terraform Stateとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

Terraform State(テラフォームステート)

① ストーリーで学ぶ「Terraform State」

新入社員のユウタは、Terraformを使ってAWSのインフラを自動で構築する仕事を任されていた。

ユウタ:「課長、Terraformを使ってサーバーを立てたんですけど、設定を変更して再適用したら、思ってたのと違うリソースが消えたり作られたりしてしまって…」

課長:「それ、Terraform State(テラフォームステート)の扱いが原因かもしれないな。」

ユウタ:「State…って何ですか?」

課長:「Terraformが管理しているインフラの“今の状態”を記録しておくファイルのことさ。このファイルがあるから、Terraformは“どこを変更すればいいか”を判断できるんだ。」

ユウタ:「stateって、“状態”とか“状況”、“身分”を表す単語でしたよね。ステータス(status)も似た意味の言葉ですし。」

課長:「そうそう、いいところに気がついたね。TerraformのStateは、構築したインフラの“状態”を記録するもの。たとえば、“どのリージョンに何個サーバーがあるか”や、“それがどの設定で作られているか”っていう情報が詰まってるんだ。」

ユウタ:「つまりTerraformは、そのStateファイルを見て“今の状態”を把握して、設定ファイルとの差分をもとに“何をすべきか”を判断するんですね。」

課長:「そのとおり!それがあるからTerraformは、無駄なリソースを作ったり壊したりせず、必要な変更だけを加えてくれるんだ。」

ユウタ:「逆に、Stateがズレてたり、なくなったりすると、Terraformは“今どうなってるか”を見失っちゃう…?」

課長:「そうなると、設定ファイルどおりに“ゼロから作り直し”しちゃうこともあるから危険なんだよ。Stateは“記憶”や“台帳”みたいな役割だから、ちゃんと守る必要があるんだ。」

ユウタ:「なるほど……Terraformって“何をするか”だけじゃなくて、“今どうなってるか”まで把握してるんですね。まさにインフラの記憶装置!」

課長:「うん。だからStateファイルは単なるオマケじゃなく、Terraformの“心臓部”みたいなものなんだよ。複数人で運用する場合は、リモートバックエンド(例:S3 + DynamoDB)を使って、Stateを安全に保つことも大切だよ。」

ユウタ:「なるほど、Terraformの力を本当に活かすには、Stateの仕組みもきちんと理解する必要があるんですね。」

課長:「そうだね。Terraformについては色々な本が出ているから一度読んでみるといいよ。」


Terraform Stateとは?
Terraformが構築・管理しているインフラの“現在の状態”を記録したファイルです。TerraformはこのStateファイルをもとに、どのリソースを追加・更新・削除すべきかを判断します。

【類似用語との違い比較】

 


② Terraform Stateの実際の使用例

大手クラウドインテグレーターであるサイバーエージェントでは、複数チームでAWSのインフラをTerraformで構築・管理しています。その際、Terraform StateをS3とDynamoDBで管理することで、複数人による競合やStateファイルの破損を防いでいます。

また、ある自治体では、災害時の情報発信サイトをクラウドで構築しており、そのインフラはTerraformで管理されています。StateファイルはGitHub Actionsと連携して、インフラの状態とコードの整合性を常に保つように設定されています。

こうした運用によって、インフラの変更履歴を追跡できるだけでなく、自動化による作業の効率化と安定運用が実現しています。


③ クイズで理解をチェック!

クイズ1

Terraform Stateの主な役割はどれ?

A:AWSアカウントを管理する

B:Terraformの実行履歴を保存する

C:Terraformが管理するインフラの状態を記録する


クイズ2

Terraform Stateファイルの正しい管理方法として最適なのはどれ?

A:ローカルPCのデスクトップに保存する

B:クラウドの共有ストレージでバージョン管理する

C:USBメモリにコピーして持ち歩く


クイズ3

Terraform Stateがなかった場合、Terraformはどうなる?

A:現在のインフラの状態を認識できない

B:自動で最新の状態をGoogleから取得する

C:状態がなくても完璧に動く


回答

クイズ1:C

→ Terraform Stateは、インフラの現在の状態を記録するファイルです。

クイズ2:B

→ 複数人で使う場合は、S3などのリモートストレージで管理するのがベストです。

クイズ3:A

→ StateがないとTerraformは変更箇所を特定できず、誤った操作をするリスクがあります。

けん

IT系の中小企業診断士 様々な資格試験に挑戦しながら仕事を楽しんでいます。 AIを駆使して息子の勉強用に中学生にもわかるようなIT用語説明の記事を始めました。 応用情報技術者/総合旅行業務取扱管理者/インターネット旅行情報士1級/ビジネス法務2級/ビジネス会計2級/販売士2級/ITパスポート/プロモーショナルマーケター/健康経営アドバイザー/G検定