こんにちは、中小企業診断士の けん です。
私は中小企業診断士として、企業内診断士としての活動や資格取得の啓蒙活動を行っています。
中小企業診断士の資格のメリットやデメリットを説明する際にパスポートに例えることがしっくり来ると感じたので理由と共に説明させていただきます。
1. はじめに
中小企業診断士資格は、まさにビジネスの世界を渡り歩く「パスポート」のようなものだと感じています。この資格を取得することで、新たなビジネスの領域に足を踏み入れることができます。SNSなどを見ているとよく資格を取得した人たちは、「世界が変わった」というコメントをよく目にしますが、実際には行ける場所が増え、行動したからです。資格を取得したからではなく、資格を取得して行動したから世界が変わったのだと思います。
私も中小企業診断士の資格を取得した後、多くの人から「どんなメリットがあるの?」と質問されました。何度か説明しているうちに、「中小企業診断士はビジネスの世界のパスポート」と表現したときのアンケートが一番反応が良く、質問者に伝わりやすいと感じたので紹介をさせていただきます。
あらためて中小企業診断士の概要をざっくりと説明します。
1次試験は下記7科目です。
A 経済学・経済政策
B 財務・会計
C 企業経営理論
D 運営管理(オペレーション・マネジメント)
E 経営法務
F 経営情報システム
G 中小企業経営・中小企業政策
2次試験は筆記が4科目です。90分内で企業の課題を整理して解決策を提示します
事例Ⅰ「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
事例Ⅱ「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
事例Ⅲ「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
事例Ⅳ「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
2. 信用力の向上
中小企業診断士の資格所持における効果の一つは信用力の向上です。これはパスポートによる身分証としての役割に近いと思います。
中小企業診断士は前述のように1次試験7科目、2次試験4科目の試験を合格するか、1次試験合格後に大学院やビジネススクールで養成課程を修了した人が取得できる資格で非常に難易度が高い資格になります。資格を取得しているというだけで一定以上のビジネス知識があるという証明になります。
海外旅行中では”日本のパスポート”を所有しているとある程度信頼されるように、中小企業診断士資格を保有していると、ビジネスの現場である程度信頼されることを感じられると思います。
また、バックパッカーなどで海外放浪中に日本人旅行者を見つけると意気投合するように、中小企業診断士の資格保有者であることが名刺交換時に分かると一気に距離が縮まります。難関資格を乗り越えてきたという仲間意識と資格維持の難しさなどもあるのでしょう。情報交換の重要性も分かっている資格保有者が多いため会話が弾む機会が多いです。
以上のように、信用力の向上、知識の証明、所属の証明、共感とネットワークなどがパスポートに非常に似ていると感じます。
3. 新たな世界への通行手形
パスポートを保有していないと入れない国があるように、中小企業診断士だからこそ入れるようになる世界があります。具体的には様々な診断士向けの研究会や診断士協会の紹介する案件などです。独占業務があるわけではないですが、中小企業診断士だからこそ紹介される案件というものは少なからず存在します。
4. 維持と活用
維持のために費用が掛かることもパスポートと一緒です。パスポートでは10年間有効の旅券では16,000円がかかります。中小企業診断士は5年ごとに更新が必要となりますが、そのためには理論政策研修の受講6300円×5回=31,500円などがかかります。診断協会に所属しようとすると年間50,000円(!)もの年会費が求められます。
また、パスポートを家にずっと置いていても意味がないのと同じように中小企業診断士の資格も活用しないと意味がありません。
5. まとめ
今回は「中小企業診断士ってどんな資格?」と質問されたときに「ビジネス界のパスポートみたいなものだよ」、と興味を引いてもらう回答をするための背景を説明させていただきました。この資格がいかに有用であるかを理解してもらえたなら幸いです。
診断士の説明をする時などにぜひ活用してみてください。ではまた。