サンプリング周波数

① サンプリング周波数とは？ ～音のデジタル化を学ぼう！～

放課後の教室で、中学生のユウキが先生に質問しました。

「先生、音楽をデジタルで録音するときに『サンプリング周波数』って言葉を聞いたんですけど、どういう意味なんですか？」

先生は微笑みながら答えました。

「いい質問だね。簡単に言うと、サンプリング周波数は音をどれだけ細かく記録するかを表す数字なんだ。」

ユウキは首をかしげました。

「細かく記録するってどういうことですか？」

先生は黒板に波の図を描きながら説明しました。

「音は空気の振動だから、波の形をしているよね。でもデジタルではこの波をそのまま記録することはできないから、一定間隔で音の高さを測ってデータにするんだ。」

ユウキは図を見て納得しました。

「それがサンプリングっていう作業なんですね！」

先生は続けました。

「そのとおり。そしてサンプリング周波数は、この測定を1秒間に何回行うかを示すんだよ。たとえば、44.1kHzなら1秒間に44,100回も測定することになるんだ。」

「すごい回数ですね！それなら細かい音までしっかり記録できそうです。」

先生はさらに説明を加えました。

「実はこの考え方には『標本化定理（サンプリング定理）』という理論があるんだよ。アメリカの数学者ナイキストとシャノンによって考えられたものなんだけど、簡単に言うと『アナログ信号を正確にデジタル化するには、元の信号の周波数の2倍以上でサンプリングする必要がある』というルールなんだ。」

ユウキは驚きながら聞きました。

「じゃあ、サンプリング周波数が足りないとどうなるんですか？」

「波の形が正確に再現できず、音が歪んだりノイズが入ったりするんだよ。だから音質を保つためには、十分な周波数が必要になるんだ。」

ユウキはさらに質問しました。

「じゃあ、CDとラジオでは違うんですか？」

先生は表を描きながら説明しました。

「なるほど！用途によって違うんですね。」

サンプリング周波数の定義

② 実際の事例：サンプリング周波数の活用例

1. 音楽制作や録音スタジオ
   プロの音楽制作では96kHzや192kHzの高周波数が使われ、細かな音までクリアに記録されます。
2. オンライン会議や通話アプリ
   通話では8kHz程度の周波数が使われることが多く、音声を最低限聞き取れるレベルで圧縮しています。
3. 医療分野の音波分析
   超音波診断装置では非常に高いサンプリング周波数を用いて、細かい音波情報を解析します。
4. 映画やゲームのサウンド設計
   映画の効果音やゲーム音楽では48kHzが一般的に使われ、高音質でリアルな体験を提供します。

③ クイズで確認しよう！

クイズ1 サンプリング周波数とは何を表しますか？

A. 1秒間に何回音を記録するか
B. 音の高さを調整する機能
C. 音のボリュームを測る機能

クイズ2 CDのサンプリング周波数はどれでしょう？

A. 22.1kHz
B. 44.1kHz
C. 96kHz

クイズ3　サンプリング周波数を上げるとどうなる？

A. 音質が良くなるがデータ量が増える
B. 音質が悪くなるがデータ量が減る
C. 音質は変わらずデータ量も変わらない

回答

クイズ1の答え
A. 1秒間に何回音を記録するか
（解説：サンプリング周波数は音をデジタル化する際の測定回数を表します。）

クイズ2の答え
B. 44.1kHz
（解説：CD音源は1秒間に44,100回のサンプリングで記録されています。）

クイズ3の答え
A. 音質が良くなるがデータ量が増える
（解説：高いサンプリング周波数は音質を向上させますが、データ量が大きくなります。）

応用情報技術者試験　平成23年秋　午前問4